安易に「好きよ」という女！

人間の愛情表現には多少のウソや誇張がつきものといえるが、男性のウソは
ほとんどが他愛のないものに対し、女性の場合は、言葉の裏に意外な心理や独特の
計算が隠されていることが多い。

女性が「好きよ」といった場合、もちろん心のそこから相手を愛しているときも
あるだろうが、たんに相手の気を引くためであったり、その場かぎりの一時的な
感情表現だとも考えられるのだ。

水商売のホステスたちが客に向かって使う常套句に「○○さんて私のタイプなの」
「こんな気持ちはじめて」「あなただけよ」などというセリフがある。

このような言葉をかけられた男たちは、自分が多数の客の一人にすぎないと
わかっていても、悪い気はしない。

つまり、こうした表現が男性を喜ばせるものであると彼女たちは本能で
知っているのである。

一般に女性がこうした極端な愛情表現をするのは、心底から相手に惚れていると
いうより、その場を楽しもうとしていることが多い。

ほんとうに愛している男に対しては、そういう遊びセリフははけないはずだ。

また、このようなセリフを平気で口にする女性は、過去における男性経験の
多さの裏返しであり、機会があれば別の男性に対し、また同じセリフを
言わないともかぎらないのだ。

女性がほんとうに男性を愛しているときは、むしろその気持ちを言葉に出さない
ものだと知るべきである。

吉幾三 - 雪国