再読のための覚え書き
生活の探求
島木健作(1903-1945)
病後の保養のために、学問を捨てる決心をして郷里に帰った駿介は、農業という以前の出身階級に戻る。
老父を手伝いながら農業にのめり込み、関わる人々との葛藤の中で、田舎の制度の改革に関心を寄せてゆく。
「――生活してゐる、と自ら感じ得る生活がまづ必要であり、その結果ならば、それがたとひ何であらうとそこからまた道は拓けよう、とさう思つてゐるのです」
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駿介と、郷里の先輩志村との、インテリゲンチャを捨てて「帰農」することについての議論がおもしろかった。
昭和初期の大ベストセラーなのに復刊もされていないのは、作者に、社会主義思想からの「転向文学」のレッテルが貼られたことと関係があるのだろうか。
2021.8.23読了
生活の探求
新潮文庫
昭和25年11月20日初版発行
昭和40年11月30日25刷
旧仮名遣い
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