長島 潤 Sing a mindscape

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島木健作「生活の探求」

2021-08-24 10:49:00 | 

再読のための覚え書き


生活の探求

島木健作(1903-1945


病後の保養のために、学問を捨てる決心をして郷里に帰った駿介は、農業という以前の出身階級に戻る。


老父を手伝いながら農業にのめり込み、関わる人々との葛藤の中で、田舎の制度の改革に関心を寄せてゆく。


「――生活してゐる、と自ら感じ得る生活がまづ必要であり、その結果ならば、それがたとひ何であらうとそこからまた道は拓けよう、とさう思つてゐるのです」


・・・・・・・・・・・・


駿介と、郷里の先輩志村との、インテリゲンチャを捨てて「帰農」することについての議論がおもしろかった。


昭和初期の大ベストセラーなのに復刊もされていないのは、作者に、社会主義思想からの「転向文学」のレッテルが貼られたことと関係があるのだろうか。



2021.8.23読了


生活の探求

新潮文庫

昭和251120日初版発行

昭和40113025

旧仮名遣い


# #読書 #文学 #文庫 #島木健作 #生活の探求






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