白いノート~アラフィフ南天の備忘録

50代半ばを過ぎました。日々気づいた事を忘れないよう書き留めていきます。

悔いが残らないように

2010-03-13 21:24:57 | 介護の仕事
先程、お悔やみから帰宅しました。。。。。

一昨日誕生日のお祝いをしたばかりの利用者のNさんが、ご自宅で突然咳き込み・・・・
たったひとりの肉親である娘さんに看取られ旅立たれました。


Nさんはとても気難しい利用者さんで・・・・・・
3年前、何度目かのお風呂介助の場面で
『貴女の介助は怖い、替わって!』と目の前で言われ・・・・・・。

新人職員は必ず拒否される!という情報を知らされていなかった私は、その場で
泣き崩れたいほどショックだった記憶・・・今も鮮明に覚えています。

管理者に報告し
『もう一度ゼロからお風呂介助を教えてください』と頼み込み
信頼関係が築けるよう、頑張りました。

片麻痺があり、神経質な性格で体格も大きいNさんを、小柄な私が安全安心に介助するためには
どうすれば良いか?何をしてはいけないか?
今思えば良い勉強になりました

その後、お風呂の改修工事をしてお風呂の形態等が変わった時も
《Nさんバージョン》を提案しスタッフ間で介助法を統一することになりました

誰が担当しても同じ安心感が得られる事
それがNさんへの支援だと思ったから。

誰かが風邪をひくと
『うつされる!』を極度にナーバスになってしまうNさん
幼い頃から苦労され、ご主人と長女さんに先立たれ・・・・・
『楽しい事は何もない』と笑顔を見せてくださる事は少なかったNさん
決して他人に心を開かず、口を開く時は誰かの悪口。。。。。


そんなNさんでしたが、最近では
『○○(私が所属するデイ)のスタッフが大好き。みんな本当に良くしてくれる』と言ってくださるようになり
来所されると
『今日一日お世話になるわね。よろしくね』とスタッフ全員に優しく声をかけてくださり
帰る時は
『アリガトウね』と笑顔も見せてくださるようになりました。

誕生会の日、スタッフひとりひとりのメッセージを読み上げると
涙ぐんで『アリガトウ』と言ってくださいました。
『今までで誕生日の思い出、何かありますか?』と私が聞くと

『何もない!』といつものNさんでしたが

『今日がNさんの思い出に残る誕生日なるよう、楽しみましょう~』と言って
プレゼントを渡すと、また涙声で
『ありがとう・・・・』

『来年も再来年も一緒にお祝いしましょうね』と声をかけた日が
デイ利用最後の日になってしまいました。

この仕事をしていると・・・・
いえ
どんな仕事に携わっていても・・ですが
人の人生、人の寿命は
誰にもわかりません

だから
1日1日
サヨナラする時は笑顔でいたい・・・・・そう思います

あの時・・・ああすれば良かった
こう言えば良かった
そんな気づきは日々ありますが、悔いが残るような声がけや関わり
や支援をしてはいけない・・・・・

あの時、とても辛かったけれど
私の事を嫌いとおっしゃるNさんと関わり
管理者に口添えをしてもらったり、助けてもらったりしながら
Nさんと仲良くなれて良かった。。。

さようならNさん。。。
ご冥福をお祈りします

最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一期一会 ()
2010-03-14 00:48:18
そうでしたか…
突然の訃報は切ないですね。
色々な出会いは、そのどれもが自分の中で財産になり、育ててくれると思います。
きちんと向き合い、学ばさせて頂いた分、心に残る事でしたね。

「またね!」
の約束もそのまま…私も経験あります。
どんな人でも、その方の人生の時間をご一緒させて頂いてる、南天さんの仰ってる様に笑顔でいたいと私も思います。

頑ななだったNさんの涙はずっと忘れられないですね。
Nさんのご冥福をお祈りします。

返信する
Unknown (flower314)
2010-03-14 21:44:41
お疲れさまでしたね。
父が亡くなった時も、施設の方がお花を持ってこられました。
お互いにいろんな思いがありましたので
ありがたさと嬉しさで涙が止まらなかったのを覚えています。

南天さんのところも、優しいですね。
家族の方はさぞ喜ばれてことでしょう~
Nさんも・・・・
返信する
紬さん^^ (南天)
2010-03-14 22:21:24
長文を読んでくださってありがとうございます。
本文には書けなかったのですが、Nさんは去年入った新人さんを・・やはり私の時と同じように拒否されていて、新人さんも関わりを避けて・・誕生カードのメッセージも空白でした。
嫌いというよりは怖かったんだと思うのですが、訃報というものはいつも突然ですから、悔いが残っているのではないか?と老婆心ですが思ってしまって。
自分のやり方が正しかったかどうかは今もわかりません。
Nさんも受け入れてはくださったけれど、一定の距離は埋まらないままで、Nさんなりに私に気を使ってくださったんだと思います。
お世話になっているから・・と我慢もされていた。
人の心に添うことは難しいものですね。
一期一会という気持ちを忘れずにいたいものです。
返信する
flowerさん^^ (南天)
2010-03-14 22:28:46
以前勤務していたGHはお悔やみは行かないというルールがありました。
今の所は、社長はクールな人ですが『お通夜か告別式に参列し、できるだけみんなで見送ってやってほしい』と言ってくれます。
Nさんがレクタイムに製作された瓢箪飾りや誕生会のお写真なども持参し、娘さんと一緒にNさんを偲んで泣きました。。。。。
どこかからNさんが見ていてくれたと思います
返信する
Unknown (いのりん)
2010-03-15 08:24:29
うちの父が亡くなった時も、通所していたデイの施設の方や、ケアマネさんがそっとお悔やみに来て下さいました。
心使いがとても嬉しかったのを覚えています。

きっと、Nさんは喜んでおられますね。
頑固だったけど、「ありがとう!」の言葉を残して逝かれて・・本当は優しい人だったのでしょう。

ご冥福をお祈りします。
南天さんもお疲れさまでした。
返信する
いのりんさん^^ (南天)
2010-03-15 20:17:54
家族さんの苦労には到底及びませんが一緒に支援させていただいた者としては、濃厚な時間を共に過ごした大切な思い出。
仕事を大急ぎで片づけダッシュで駆けつけました。

優しくて涙もろい方でした。
出会いは宝ですね

優しいコメントありがとうございました
返信する
Unknown (ぐっさん。)
2010-03-22 02:00:47
介護の仕事というのは、お客さんとの別れが必ずといっても良いほど亡くなられる時ですし、そのときまで一緒に居られたら仕事としては職業人として最も幸せなことかと思います。それはNさんにとっても同じで最後まで南天さんが介護されたことで幸せな最期だったと思います。
Nさんのご冥福を心からお祈り致します。
返信する

コメントを投稿