あすか塾

「あすか俳句会」の楽しい俳句鑑賞・批評の合評・学習会
講師 武良竜彦

あすかの会 2023 令和5 

2023-02-01 10:50:21 | あすかの会 2023・令和5

 

「あすかの会」三月の秀句から         兼題「受 離」 

 

◎ 野木桃花主宰句

 

野遊びの子から受けとる石一つ

水ゆらし離岸のフェリー風光る

 

☆ 野木桃花主宰特選句

 

受ける度強くなる球夕長し      市 子

 

☆ 武良竜彦特選句

 

花の昼帰りし家の暗さかな       さき子

 

◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】

 

てのひらに落花ことばのやうに受く  みどり

初蝶の紛れこんだる車間距離     さき子

受けて立つ青年の論風光る      玲 子

 

夕暮を軋ませている半仙戯      さき子

蜂蜜に匙沈みゆく花の昼       さき子

春霞離れ孤島のやうに艦       玲 子

 

糶終る雪解雫の魚市場        悦 子

春灯一休偈文のあばれ文字      かづひろ

誰に告ぐることなく消ゆる春の虹   英 子

草萌や十六歳の地図真白        尚

 

淡雪や弾かねば琴の立ち通し     英 子

花は葉に子離れそして親離れ     市 子

人と人離れて睦み花筵        みどり

玻璃囲む離れの画室花吹雪      ひとみ

大欅狼煙のやうに芽吹き初む     ひとみ

海原や身ぬちに澱む春愁        尚

ゴム風船受けては返す子の胸に    市 子

春の海足元掬ふ離巌流        都 子

五線譜に乱るる書き込み春の雷    悦 子

春昼の夢寝に逢ひし離れ業      かづひろ

 

光受け跳ねっ返りの藪椿       都子

 

 

 武良竜彦の句 (特別参加 参考)

焚刑の栄螺わが身を竃として

囀りも耳鳴りも般若波羅蜜多

 

 

「あすかの会」二月の秀句から 兼題「浜 光」 

 

◎ 野木桃花主宰句

 

積み上げし味読の句集冴え返る

浜千鳥光こぼして着水す

 

☆ 野木桃花主宰特選句

 

大仏の体内無音あたたかし       かづひろ

 

☆ 武良竜彦特選句

 

受験子を朝の光へ送り込む       ひとみ

 

◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】

 

梅を見る静かな距離のありにけり    さき子

 

初蝶の光となりて地鎮祭        悦 子

春愁や海の光を持てあます       みどり

 

虹色に街を閉じ込めしゃぼん玉     みどり

阿武隈川の光に遊ぶ小白鳥       英 子

振り返へりをれば砂浜春時雨      英 子

鳥帰る棒もて詩を砂浜に        市 子

 

日だまりにぽつねんと寺梅二月     さき子

二ン月のファスナー二ミリ嚙んでゐる  悦 子

大空に一礼をして寒稽古        みどり

如月の光を零す鳥の声         さき子

和布干す浜に媼の通る声        典 子

 

堅雪を踏んでわらべの登校す       尚

読映の医師の沈黙余寒なほ        尚

春遅々と浄土ヶ浜の海蒼し       典 子

星月夜蒼光りして終ひ風呂       市 子

うららけし浜に小貝の光かな      玲 子

春遅く眼光猛き雲龍図         玲 子

冬の月庇にかかる光の輪        都 子

文男さんの浜つ子言葉春灯し      ひとみ

二ン月の水底の鯉光り出す      かづひろ

砂浜に彩りこぼす桜貝         みどり

 

〇 武良竜彦句(ゲスト参考) 

行川に父母の名呼べば風光る

Україна駒返る野を装甲車   

 

                 ※         ※

 

「あすかの会」一月の秀句から 

   兼題「育 平」 

 

◎ 野木桃花主宰句

大藁屋根しづくのやうにオリオン座

田の神へ地酒振る舞ふ年男

 

☆ 野木桃花主宰特選句

火を育て炎なだむる浜どんと    典 子

 

☆ 武良竜彦特選句

野のひかりここに集めて蕗の薹   英 子

 

◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】

観覧車一窓ごとの初明り      さき子

 

歌会始仙台平の畏まる       悦 子

やまびこの戻つてこない枯木山   悦 子

かぶりつく焼藷育ち盛りの子    市 子

熟寝児の育休パパや息白し      尚

埋火や遠くの記憶掻きまはす     尚

一筋の光に迷ふ冬の蝶       玲 子

 

読み返す育児日記や日脚伸ぶ    ひとみ

大寒の茜や合同句集成る      ひとみ

引く波を洗ふ波あり虎落笛    かづひろ

平凡の片隅に置くシクラメン    さき子

 

言の葉を育みながら春待てり    英 子

平和への扉を探す初句会      都 子

育メンを地で行く息子冬ぬくし   都 子

手で包むコーヒーカップ寒の朝   みどり

冬麗やふつふつ育つ旅心      玲 子

 

稲架掛けや大根の音のよく軋む  かづひろ

ねんねこや世の中遠く眺めをり   みどり

平凡を良しとす生活玉子酒     典 子

大股の昭和育ちに下駄と足袋    市 子

 

〇 武良竜彦句(参考) 

寒木瓜の一歩さがりて色をなす

芙蓉の実枯れてぞ美しき銀の棘

 

        ※           ※

 

 

 

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