あすか塾

「あすか俳句会」の楽しい俳句鑑賞・批評の合評・学習会
講師 武良竜彦

あすかの会秀句 カレンダー 2024年 (2022年12月から2023年11月作品)

2023-12-24 16:05:21 | あすかの会 2023・令和5

     あすかの会秀句 カレンダー 2024年

 

 

 

 

 

 

 

 

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十二月「あすかの会」秀句から ・兼題「クリスマス 受」  2023年 令和5年 

2023-12-24 15:12:22 | あすかの会 2023・令和5

     十二月「あすかの会」秀句から 

          ・兼題「クリスマス 受」  2023年 令和5年 

 

◎ 野木桃花主宰句

 

クルーズ船光彩ここぼしゆく聖夜

客船の片側暗き降誕祭

若き日の思ひ出の海クリスマス

 

☆ 野木桃花主宰特選句

 

小さな手小さな灯クリスマス       典 子

 

☆ 武良竜彦特選句

 

墓碑裏の小さきクルスクリスマス     玲 子

 

◎ 秀句から 【支持・評価の高かった順】

 

真夜中のナースの詰所聖樹の灯     かづひろ

 

夕暮て点らぬ家やクリスマス        尚

落葉道自問自答のついて来る       さき子

 

受胎告知高き窓より冬日差す       みどり

クリスマス十字紋秘し鬼瓦        玲 子

クリスマス昭和歌謡をほろ酔ひて     市 子

極月の顔の映りし車窓かな        さき子

口ずさむ聖歌のリズム胡椒振る      ひとみ

 

街の灯に托鉢の僧クリスマス       玲 子

シナトラをひねもす流しクリスマス    みどり 

聖樹から聖樹へ街をさまよへり      ひとみ

ぬかるみに大きな靴跡受験生       英 子 

 

コンサートの余韻を胸に街聖樹     かづひろ

山茶花の今散るのみにある時間      さき子

沼杉の気根ぽこぽこ冬うらら        尚

手のひらに受くる一片雪の華        尚

受けし恩返せぬままやクリスマス     玲 子

屏風脇に畏まりたる名刺受        悦 子

遠くより光纏ひて聖歌隊         悦 子

爺持ち来箱に片寄る聖菓かな       悦 子

消印はスイスの山小屋クリスマス     悦 子

セロファンの音もて包む冬桜       英 子

十二月八日郵便受に厚き文        ひとみ

 

ショーウィンドウ一夜で替るクリスマス  典 子

歯科椅子に並ぶ人形クリスマス      典 子

聖歌和すそれぞれ違ふ祖国の名      みどり  

とろろ汁夫の手作り椀に受く       市 子

受入れの準備整え春待てり        都 子

熊の子のイルミネーション聖夜かな    都 子

 

〇 ゲスト参考 武良竜彦の句

冬港ケルト十字架凛と立つ 

既視感のポインセチアよ戦争よ

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あすかの会 11月秀句から 2023年・令和5年

2023-12-02 14:49:33 | あすかの会 2023・令和5

 

  十一月「あすかの会・藤の会」合同句会の秀句から 季題「冬温し」・兼題「涙」   

 

◎ 野木桃花主宰句

冬ぬくし右手を隠す龍馬像

イヤホンを外し涙を拭く夜食

陶工の木枯を聴く宮の森

 

☆ 野木桃花主宰特選句

一度だけ父の涙を冬の虹        ひとみ

 

☆ 武良竜彦特選句

冬温しやはらかになる受け答え     市 子

 

◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】

 

手捻りのぐい飲みいびつ冬ぬくし    さき子

 

うそ寒や行き場に迷ふ核の水      都 子

藤は実に明日は明日の今日を生き     尚

 

湯豆腐や家業畳むと弟は        典 子

ドロップは泪のかたち冬の旅      みどり

石榴からガラスの涙あふれおり     さき子

 

十二月八日語らぬ父の目に涙      市 子

愚痴を聞くことも孝行小春空      みどり

 

白足袋の畳する音涙雨         英 子

涙飲み作る笑顔のさわやかに       尚

冬温し仏顔なる石ふたつ        英 子

改札を出てそれぞれの秋の暮      さき子

窓開けて右折知らす手冬あたたか    ひとみ

理容師にゆだねる頭冬温し       尚 子

古民家にカンテラ灯石和の花      典 子

面会の否はらはらと時雨来る      美千子

干支忘る夫に尋ねて冬温し       都 子

 

涙活を少し身につけ小春かな      みどり

団欒の昭和は遠く八頭         一 青

ゆく秋の胡弓の調べ涙ぐむ       一 青

老の記事ばかり目につく冬の朝     一 青

妣の香の茶羽織を背に冬ぬくし     悦 子

戦場の兵士の涙冬日和         悦 子

茶の花の可憐さ残る散りてなほ     トシ子

咲き満つもどこか寂しげ冬桜      トシ子

洋箪笥子に開け渡し冬温し       市 子

冬の朝スマホに友の涙声        和 子

切り替える日々の営み冬ぬくし     礼 子

冬ぬくしほつと区切の七七忌      美千子

初時雨深山の古刹しんしんと      美千子

小春日や薄茶の泡のこまやかに     英 子

肩車されて届くものより林檎狩    かづひろ

面魂涙をもつて鮭吊らる       かづひろ

 

〇 ゲスト参考 武良竜彦の句

冬瓦斯燈富国強兵の夜の底

身の内に滝あり冬を滔々と

 

 

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「あすかの会」十月の秀句から

2023-11-02 18:37:54 | あすかの会 2023・令和5

「あすかの会」十月の秀句から 季題「茸 菌」・兼題「笛」   

 

◎ 野木桃花主宰句

指笛や風土記の秋の黙示録

里人の仔細ありげや茸狩

一管の笛を携へ在祭

 

☆ 野木桃花主宰特選句

歯応へは無言のことば茸めし     市 子

 

☆ 武良竜彦特選句

お仕舞ひは刈田の隅を手で刈りて   悦 子

 

◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】

湯治場の煤し厨茸汁         尚

青空はもう高すぎる秋の蝶      さき子

 

茸鍋世の混濁のごときもの      尚

面魂競ひて鮭の吊さるる       かづひろ

火口湖や霧の器となる速さ      さき子

いづこより風に笹笛夕花野      玲 子

 

切株は心地良き床茸真白       ひとみ

吸物に手毬麩ひとつ敬老日      英 子

汽笛鳴る釣部落しの一両車      さき子

ノーサイド告げる笛の音秋高し    尚

 

ホイッスルそして歓声運動会     玲 子

樹の洞にマシュマロと見れば月夜茸  英 子

先生の笛は言葉や運動会       ひとみ

杖つける姉に寄り添ひ月あかり    ひとみ

秋簾ゆがみにのぞく長鏡       悦 子

指笛に囃されバトンつなぐ秋     市 子

せせらぎを伴奏として鉦叩      玲 子

背凭れを倒し遠のく花野かな     さき子

研ぎ上げし庖丁二本夜の茸      かづひろ

秋深し母の絣の野良着かな      都 子

月白や形見の指輪手放しぬ      典 子

渡鳥軍港めぐりの汽笛鳴る      典 子

農道の空へ飛蝗の飛翔かな      都 子

 

〇 武良竜彦の句 (ゲスト参加)

秋涼し汽笛は銀河鉄道か 

秋時雨学徒出陣八十年

 

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あすかの会 九月の秀句から

2023-09-24 15:46:11 | あすかの会 2023・令和5

 

「あすかの会」九月の秀句から    季題「芒・薄」・兼題「   

 

◎ 野木桃花主宰句

芒野に風のことばを聴く日暮

点点と,沖の漁火秋気澄む

隠沼に少し深入り芒原

 

☆ 野木桃花主宰特選句

風となる芒光となる芒花野風       さき子

 

☆ 武良竜彦特選句

晴れ癖の秋の夕焼旧家門         かづひろ

 

◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】

点景に曼珠沙華置く千枚田         尚

 

ひとりかと思えば月の上りおり      さき子

大花野しばらく迷子でいるつもり     さき子

 

一戸の隣は九戸野分晴          典 子

点滴の音なく落つる寝待月        英 子

 

一点へ射手の眼光秋深む         玲 子

昔日の戦場寡黙すすき原         玲 子

新涼や筆の流れの涸れるまで       英 子

 

朝露や土塁果てなし野面積        典 子

送り出す軍馬の嘶き秋の虫        典 子

点景になりたくて行く大花野       さき子

露草や今は叶はぬ願ひ事         みどり

すりぬけて袖膨らます花野風       玲 子

点描の紅葉山暮れ墨の絵に        ひとみ

 

薄野の奥より駆け来夕日影         尚

「点と線」閉づれば虫の声ばかり      尚

先を行く夫芒野に点となる        みどり

点となるまで見送りぬ秋桜        みどり

点り初む仙石原の白き月         玲 子

夕づきて芒ゆらゆら花浄土        市 子

点燈にはじまる濃霧峠越え        市 子

愛犬のお骨は庭に花芒          悦 子

新豆腐参道濡らす桶の水         悦 子

細道のカーブの果ての薄原        ひとみ

野の風に靡くも伏せず花すすき      英 子

くばひや露地のしめりにある秋思    英 子

民泊の秋の風鈴鳴り止まず        都 子

 

ほころびを気に掛く案山子をちこちに   かづひろ

言の葉に点る胸の灯夜長かな       市 子

遠花火ママと呼ぶ声最上階        都 子

秋風の点となりゆく野の列車       都 子

 

〇 参考・武良竜彦の句(ゲスト参加) 

点鬼簿やこの身を艀と思ふ秋

賢治忌の群青天地愛深む

 

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