夏目漱石の後期3部作「彼岸過迄」「行人」を読んだので、その流れで「こころ」を再読しました。
去年の4月に読んでますが、今回は一気に読んでしまいました。
何度読んでも、読みながら考えさせられます。人間って、めんどくさい生き物だなあ。
100%の善人も100%の悪人もいない。性格だってその時その時によって違った面が出てくるものだし、変わっていくものだし、ホント何とも言えないのが人間なんだよねえ。(だから、”あの人はこんな人”っていう言い方をしてるのを聞くと、ちょっとそれはどうかな?と思ってしまう)
先生、どうしてKの気持ちを聞いた後に、Kがいるのに、お嬢さん(の母)に求婚したかなあ。魔が差したのか・・・。そりゃ、Kさん、ショックでしょう。でも、死ぬ事はない・・・。
ずうっと、罪の意識をもって生きてきた先生も、死ぬ事はない・・・。
自分で自分を殺す事がどういうことなのかを、もっとよく考えたほうがいいと思うんだけどな。そして、人とのつながりについても。自分が勝手に死ぬ(自分を殺す)事で、自分とつながりのある人がどうなるのか。寿命とは違う、自然の運命の死とは違う、どれだけ悪行為なのか。悪因悪果、悪行為が周りの人にも自分にもどんな結果をもたらすのか、考えてみたらいい。(考えが至らないから自殺するのだろうけどね・・・人間というのはホントにバカだね。時代や世間や自我に囚われる、で、自滅する。弱いね。)
読むたびに、強いインパクトがある小説です。
また、しばらくしたら読んでもいいかな。
今回は
星5つ
人間のエゴがなした事が最後まで尾をひいたように思います。
Kがお嬢さんと良い仲になって、嫉妬したのでは。
親友のKとお嬢さんの幸せを願えば、この不幸は生まれなかったのでは。
人間、やはり自分がかわいいのですね!
友や愛する女性を一番に考えれないのが、人間のエゴかも。
エゴで自滅したんですね。
冷静に考えれば、いいことにはならないと分かりそうなのですが。
ほしいほしい、と思って結局、反対に友人もお嬢さんも手放す事になってしまった。
悲しいですね。