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「ブッダの幸福論」 アルボムッレ・スマナサーラ

2013年09月03日 | お釈迦様

ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書)

【私たちの生き方は正しいのだろうか? ブッダが唱えた「生き方」九項目を通して、すべての人間に達することが可能な、能力を活かしつつ、幸せに生きる方法を提案する。】

ちくまプリマー新書。(plimer・・・入門書)
これも子どもの階に置いてあったけど、大人が読んでもいい。大人も読んだほうがいい。
お釈迦様の言うことは、実にシンプルで、クールで、今からすぐにできることばかり。
そして、全ての生命にやさしい。

メモ

生きる必須行為は3つ
第1 人間は学ばなければいけない。(学ぶこと)
     たくさんの人々から大量のことを学ばなければならない。
第2 仕事をしなければいけない (仕事をすること)
第3 社会と正しい関係をもたなければいけない (社会との関係)

なぜ学ぶか?生きているから。なぜ仕事をするのか?生きているから。なぜ社会と正しい関係を持たなければいけないか?生きているから。これが生きること。

どうせ学ぶなら楽しく学ぼうと、学ぶことから楽しみや喜びを得ようとしてみる。
どうしても仕事をしなければいけないんだから、仕事をしながら仕事の中から生きる楽しみ、喜びを得ようとしてみる。
社会との関わりをもつときにも、何とかしてその中から生きる楽しみ、喜びを得るようにしてみる。
そうやって、何があっても楽しみ、喜び、充実感、幸福感を得るようにしようと思ってしまえば、
すべてストレスなく、失敗することなく人生がうまくいく。

「しっかり生きている人」というのは、他の生命との関係がこじれておらず、うまくいっている人
自分の生命を支えてくれるものに対しては、それなりに親切な態度で仲よくすること。自分の生命に危険をもたらす危険な生命からは、離れて関係を持たないということ。

勉強も仕事も、「好き、嫌い」ではなく「できる、できない」が肝心。「できるから楽しくなる、好きになる」

仕事の評価は「生命への貢献度」
ではかる
生きる能力を磨くことが勉強
自分が何をして社会に、人類に、生命に貢献できるかということだけを考えればいい。自分が何で貢献できるかということを探して、それを極めていく。自分にできることをやればそれこそ立派。
だから、みじめな思いをする必要はみじんもない。いつでも、私は私ができることをやっているのだと、それを自慢できればOK。

生き方=五戒 (やってはいけないこと)
不殺生  「生命を殺さない」命を守る人こそ守られる 全ての生命には生きる権利がある
       「誰も殺してはならない」 殺されるような状況になったらとにかく逃げればいい。
       殺人など重犯罪に関わる明らかな悪人の場合は?その人が悪いことをして、報いを受けて
       勝手に不幸になるのですから、こちらには関係がない。悪人を捕まえて裁くことは、警察と司
       法にまかせておけばいい。

不偸盗
  「盗まない」 とは「一人分」で生きること
       一人の生命を支えるための適量というものがある。私たちは適量でストップして生きていか
       なければならない。

不邪淫
  性欲を満たそうとしてはいけない
       ある一人の生命を完全に自分が面倒を見るのだと覚悟なら、その人と一緒に満たしても
       かまわないが、それ以外は、コントロールしなくてはいけない。
       満たしても満たさなくても、性欲は本来は生命に関係ない。

不妄語
   ウソをやめることは智慧を育てる。どう言えばいいか自分で考えることで智慧が出てくる。
       事実であっても言ってはいけないこともある。人の幸せになることだけ言うべき。

不飲酒
   酒もドラッグも大切な「智慧」の土台を壊す
        酒を飲んだときが一番楽しいというのは、自分が失敗しているという証拠。仕事で苦しいの
        な ら、仕事が楽になるように能力向上するよう努力すべき。脳細胞は壊してはいけない。


人の役に立つ生き方=四摂事 (やってほしいこと)

布施   人に何かしてあげるのは楽しい
      いつでも何か自分が他人にしてあげる生き方

愛語
   やさしい言葉を話す
      少ない言葉でちゃんと整理整頓して、ピンポイントでおもしろくしっかりと語ってしまう話術。
      大事な内容を、おもしろく、誰でも理解できるように言うこと

利他
   人の役に立つような人間になる

平等
   一切の生命に対する差別を捨てること

 

慈悲喜捨
生命は誰でもエゴイスト。だから自分のことしか考える能力がない。
でも、エゴイストでは生きることが苦しくて成り立たないし、そのままいくと周りから潰されてしまう。
幸福に生きるためには、他の生命との関係がうまくいくべきで、一切の生命に対してみんな仲間だ、という気持ちを育てないといけない。
自分のことでしか喜べない人が、幸福になろうとしたって無理。その代わり、他人のことでもちょっとしたことで喜びを感じられるように、自分の心を育ててみる。そうなってくると、いくらでも喜べるものが見えてくる。

私たちはなぜ生きているのか。人生に意味はあるのか。
「死んでないんだから生きている」それだけ。
それより、「なぜ、いま、これをしているのか?」と問うべき。
すぐそこに答えがある。もし答えがなくて変だなと思ったら、その行為はやめればいい。
いま、したことを説明できれば十分。

「神のみぞ知る」ことは相手にしないこと。

 

シンプルだけど、一つ一つ、丁寧にわかりやすく説明されている。
手元に置いて、何度でも読み返したい一冊。

星5つ 

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