【枕草子・徒然草とともに日本三大随筆に数えられる、中世隠者文学の代表作。人の命もそれを支える住居も無常だという諦観に続き、次々と起こる、大火・辻風・飢饉・地震などの天変地異による惨状を描写。一丈四方の草庵での閑雅な生活を自讃したのち、それも妄執であると自問して終わる、格調高い和漢混淆文による随筆。
社会の価値観が大きく変わる時代、人生の無常を感じながら一丈四方の草庵に遁世するさまを格調高い名文で述べる。】
高校の古典の授業で、勉強・・・した? したんだろうな、多分・・・ 覚えてないけど。
でも、書き出しの文は知ってます。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。
世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし」
う~ん、すばらしい! 名文だ。
私も、長明さんの気持ちがすごく分かるようになってきた・・・
わかる歳になってきたということでしょうか? 時代でしょうか?
「すべて、世の中のありにくく、わが身と栖との、はかなく、あだなるさま、また、かくのごとし。
いはんや、所により、身のほどにしたがひつつ、心をなやます事は、あげてかぞふべからず」
(まったく、人間の世界が暮らしにくく、自分の一身と、住居とが、たよりにならないし、うわべだけ
のものであることは、また、以上に述べたいろいろの災害の場合でわかるとおりである。
ましてや、環境やら、境遇やらによって、心を労することは、かぞえあげることができないくらい多いの
である)
「おほかた、世をのがれ、身を捨てしより、恨みもなく、恐れもなし。
命は天運にまかせて、惜しまず、いとはず。
身は浮雲(うきぐも)になずらへて、頼まず、まだしとせず。
一期の楽しみは、うたたねの枕の上にきはまり、生涯の望みは、をりをりの美景に残れり。」
(いったい、出家遁世してからは、他人に対する恨みもないし、恐れるということもなくなった。
いのちを天の支配のままにまかせているのだから、惜しんで長生きしようとも思わないし、また、生き
ていることがいやになって、早く死にたいとも思わない。
わが一身は空に浮く雲と考えて、あてにもしないし、不足とも考えない。
一生の楽しみは、うたたねをしている気軽さに尽きるし、この世の希望は四季おりおりの美しい風光を
みることに残っているだけだ)
「それ、三界は、ただ心一つなり」
(いったい、三界といわれる人間の世界は、ただ心の持ちよう次第のものだ)
「魚は、水に飽かず。魚にあらざれば、その心を知らず。
鳥は、林を願ふ。鳥にあらざれば、その心を知らず。
閑居の気味も、また同じ。住まずして、誰かさとらん」
(魚は、いつも水中にいて、その水がいやになることはない。魚でなければ、その気持ちはわからないはずだ。鳥は、林に住むことを希望している。鳥でなければ、その本心は理解できないのだ。
私の閑寂な住まいの気分も、またこれと同じ道理だ。住んでみないで、だれがこのよさをはっきりつかもうか。わかるわけはないのだ)
何だか出家したくなってきた・・・
現代語訳が大活躍
簗瀬一雄さんの訳を読んで、原文を音読すると、とても味わい深いです。
星5つ
鴨長明は名前は存じ上げていますし、「方丈記」は読んだ覚えがないです。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。
世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし」
たしかに名文ですね!
この書き出しだけでも覚えておきます。(笑)
古文をちゃんと?読んだのは、高校以来かもしれないです。
(覚えてないので、ほぼ初めての気分・・・)
有名なだけあって、なかなかいいものですね。
次は、徒然草かな?
まるさんにご質問なんですが、まるさんが読んだ『方丈記』は何ページ程あったんでしょうか?
もしかしたら?挑戦するかもです^^
でも、作品自体はそれほど長くはなかったですよ。
私は古典はちんぷんかんぷんの方だったので、今回はちょっとしたチャレンジでした。
といっても、現代語訳を思いっきり読みましたよ。
安夏さん、すごいです!
『眠れないほど面白い「古事記」』というなんともお子様ちっくな非常に易しい本ですし、源氏物語も図入りの非常に易しいものでした(恥)
ですので、私としてはまるさんこそ凄い!なのです!!
Kindleでしたか~、残念です。。。