【ビルマ難民を研究していた大学院生女子が、ある日突然、原因不明の難病を発症。自らが「難民」となり、日本社会をサバイブするはめになる。想像を絶する過酷な状況を、澄んだ視点と命がけのユーモアをもって描き、エンターテイメントとして結実させた類い稀なエッセイ。】
いつものように付箋がいっぱいになってしまったが、・・・どう書き始めていいか難しい。
大野さんは、むちゃくちゃ大変、超大変な病気になってしまった。
世にも恐ろしい拷問のような検査を何度も受け(麻酔なしで筋肉を切るとか、電流を通すとかetc)、
次々と出る症状(おしりが溶ける、おしり液が止まらない・・、関節が石のように、・・365日24時間インフルエンザのよう・・、発熱に、激痛にetc)。考えただけで、卒倒しそうだ。
病気は苦しい。想像を絶するものだと思う。楽になりたいだろうし、何とかしてほしい。必死だ。
早くよくなってほしいと、願わずにはいられない。
でも、大野さんが困っているのは病気だけじゃない。
人。
幸い、いい友だちに恵まれいろいろと助けてもらえた。でも次々とお願いし、辛い気持ちを訴える。
病気の苦しさにいっぱいいっぱいなので、まわりの人の気持ちまでは考えられなかった。
仕方がないと思う。人間だもの。
気がつかないうちに(援助することが)負担に、苦しくなってしまった友だちもいる。人間だもの。
大変な立場にあって、そこに気がついただけでも、えらい。
医者も人間。医学には通じているかも知れないが、ただの人間。いろいろな人がいる。
自分の価値観を押しつけてくる頑固オヤジのような人だっているさ。
患者の苦しみを分かろうとしない、分かったつもりでいる人だっている。
医者として、自分はまちがってないと信じてやっている。だって人間だもの。
医者も人間、ということに気がついたのは、やっぱりよかった。
医療制度。日本という社会。
100%満足できるものでないのは当然だけど、
本当に困っている人を助ける制度とは、ほど遠いのが現状のようです。
上から目線の、金持ち優先の制度なんでしょう。
日本の社会がそうなのだから、仕方がないと言えば仕方がない。
いったい誰のための制度かと思うけどね。
だから、パパ先生が
「社会の制度や障害の制度や他人をむやみに頼ってはなりません。そういった精神が治療の妨げになります」ということは、ある意味ではそのとおり。
でも、人(特に医者や制度側)から言われる言葉じゃない。自分で気づくものだ。
むやみに頼ると失望するけど、使えるものは使えばいい。そのための制度だし、お互い様だ。
孤独ではないし絶望することもない。「病は気から」
大野さんはほんとうに強い。ものすごい行動力だ。明るくユーモアのある軽いタッチの文章。
そうでないと、やって(生きて)られないのかもしれない。
のめり込み、頑張りすぎてしまうところがあるみたいなので、張った糸が切れないように
少し肩の力をゆるめることができたら・・なんて、勝手なことを思ったりもするが、
これは大野さんの(現在進行中の)体験談。私があれこれ言えることではない。
みんないろんなことを体験しながら生きているんだ。
その中でいろいろなことに気がつく。
医療制度のことなど、参考になりました。
大野さんには、早くよくなってほしいと願うばかりです。
星4つ
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