「こんな絵 描こうとすんのは ノスタルジーか。こんな時代もあったんやなと。」
「そや お互い歳とって過ぎた時間のほうが これから先の時間よりよっぽど長いんや。
思い出すこともようけあるわいな。」
「ところでな このブルックリンブリッジや。」
「昔、ソニーロリンズが 雲隠れして練習しとった橋か。」
「いやいや それはとなりのウイリアムズバーグブリッジや。」
「そんでな この橋がでてくる映画なんやけど ようけありすぎてな
NYが出てくる映画には ちょいちょい顔だしよる。そん中でな
ワンスアポンアタイムインアメリカ(Onece Apon a Time in America)が忘れられへん。」
「そや 監督はセルジオ・レオーネ、音楽はエンニオ・モリコーネ、主役はロバート・デ・ニーロと
イタリア系がユダヤ系のマフィアを撮っとるのもおもろい。
ジュリーが主題歌のアマポーラを 歌とったな。ポスターがよかった。」
「映画はええな。つまらん映画もあるけど。ええことも悪いことも映画に教えられてる。
まあ 人生の教科書みたいなもんや。」
「昔のことは忘れたのに 思い出はいっぱいある。この文といっしょで
辻褄合わんけどわかるな。 だれの言葉や。」
「会戸 礼児」