亜北斎「 夢のカリフォルニア California Dreamin'
LA にいるわけではなく、遠く寂しい冬の NY の街にいて、
暖かいカリフォルニアを想う歌。 決して明るい歌ではないのに
明るく歌えるアメリカ人の気質がうらやましい。前へ前へ進もうとする気持ちが伝わる。
いまの寒い時期に、冬の今だからこそ 聴いてもええ。外は吹雪 -5度。
ママス&パパスは 別格として、今回は ウエス・モンゴメリー。
その昔、ジャズを 薄暗いジャズ喫茶で聴き始めたころ、
どこかジャズは内向的、内省的で暗いイメージがあって、
マイルスの優しいミュートの音も淋しく聴こえ、
コルトレーンの絞り出す音も、ロリンズの歌い上げる咆哮も、
ブレイキーの魂の雄叫びも、どこか暗い影があった。明るくなかった。
ところが、ウエス・モンゴメリーのこの曲を聴いて、えらい明るいな、
と 元気になるような気がしたもんや。ジャズの喜怒哀楽に酔った。」
写楽斉「この曲、同じくそうそうたるメンバーでドン・セベスキーのアレンジで
ジョージ・ベンソンが録音。これもええ。
ダイアナ・クラールの歌もしっとり、好きや。
あんたの夢はどうやった。」
亜北斎「わては、バイクでアメリカ大陸横断を夢見たことがあったな。夢は叶わんかったけど、
何年後かに、グレイハウンドでアメリカを1ヶ月貧乏旅行をした。
自力ではなく 少し夢は叶ったけど、若い時というもんは勢いだけで無茶するもんや。
あれは嘘やったんやないか、 と思うくらいや。
この曲、映画 恋する惑星 でフェイ・ウォンが 夢のカリフォルニアを聴きながら、
だるそうに踊るシーンが何度かあって、これがたまらなく、微笑ましい。」
写楽斉「ウクライナでカリフォルニアを夢見る人がおるかもな。
コロナとロシアは止まることを知らん。 ずっと コロシアナ 殺し穴。」