弁護女子。~越谷の女性弁護士の日々~

越谷市の弁護士(離婚・親権・面会交流・養育費・財産分与・不貞問題等を主に扱っております)の生井澤葵の日々を綴ります。

離婚と生活の質。

2017-03-21 | 弁護士のお仕事。
最近ネットの記事や新書等で、

離婚で得をするのは夫婦のどちらだというテーマのものを、

いくつか見かけております  

そのケースだと、そうですね・・・と思うこともあれば、

ちょっと私の印象とは違うなと思うこともあります。

特に経済的な部分にだけにスポットを当てて考えてみますと、

「離婚して儲かりました


と、おっしゃるケースを私は見たことがありません。

経済的にかなり恵まれた条件を、弁護士としては獲得してさしあげた・・・

そう思っているケースでも

ご本人は、「儲かった」とまではお思いではないと思います。

それまでの経緯もありますので・・・。

私が扱う離婚のご家庭は、

ごく普通のご家庭ですので、芸能人やスポーツ選手の離婚とは異なるから・・・なのかもしれません。



そもそも結婚のメリットの1つに経済的に楽になるというものがあります

(特に女性についてはそうだとネットのアンケートにありました

確かに、

これまで別々にかかっていた家賃が統合でき、節約できます

女性が月7万円の家に、男性も月7万円の家に住んでいた場合、

単純に計算しますと、月14万円の家に住むことも、

月に10万円の家に住むこともできます

食事も1人分から2人分になっても、食費が2倍になるわけではありません

家具・家電も1つで済みます

・・・こうやって、

結婚生活には「お得」に紡がれていく部分があると思います


私は修習生時代から住んでいたワンルームに、

弁護士になってからも住んでいたのですが、その家賃が約7万円でした。

8畳ないくらいの部屋でしたが、十分に快適でした(以前5畳の部屋に住んでいたので)。

弁護士は自営業ですので、

少々生活が安定しても先の保証がないので、

家賃10万円の家に引っ越し次は家賃13万円の家に引っ越し

・・・なんて思いませんでした

1人暮らしの偉大なことは、

自分1人の収入ではどれくらいの生活の質が身の丈に合っているか体感できることですね



離婚は、

この「お得」に積み上げた生活を、

以前のばらばらに戻すことです

家賃は別々にかかりますし、

家具・家電も新しく必要になります

食費も1人分だから劇的に安くなるわけではありません

・・・このように考えますと、

夫婦だったからこそ維持できた生活の質というものがあって、

離婚によりそれが維持できなくなるのは、

十分に想定できる話なのではないかと思うのです。


つまり、離婚において経済的な部分で「得する」「損する」側があるかといいますと、

基本的には夫婦共に「損」(生活の質は下がる)上で、

よりどちらが「まし」なのかという話もあるのではないでしょうか。


こばと法律事務所
弁護士  生井澤 葵(なまいざわ あおい)

         【プロフィール】
       弁護士・中央大学法科大学院実務講師・JADP認定夫婦カウンセラー
       女性の弁護士ということで、夫婦の問題や、男女の問題についての相談が集まり、
       その分野の問題を多く取り扱っています(その他、借金の問題等も取り扱っております)。
       ホスピタリティのある法律相談ができるように、カウンセラーの資格も取得しました。
       ある日、普通の方が、ふとぶつかってしまうような法律の問題を、
       分かりやすい言葉で、丁寧に説明することが得意で、
       法律事務所・弁護士に相談することのハードルを下げるために、情報を発信しています。
       法律相談・講演依頼等、お仕事のご依頼は、こばと法律事務所にご連絡ください。


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