山形県の内陸部。
特定外来生物のオオハンゴンソウ(過去記事有)の花にいた。
お腹の赤いハチ。
ネットで「お腹の赤いハチ」で検索したら,すぐに名前がわかった。
ハラアカヤドリハキリバチ。
ということは,日本に約4,500種いるというハチの中で,お腹が赤いハチは,ほぼ,この種に限定されているのかもしれない。
このハチが,イレギュラーなのは,お腹の色だけでなく,習性も。
ハチハンドブック増補改訂版(文一総合出版/藤丸篤夫 著)によると,このハチは,オオハキリバチの完成巣に入って,卵をかみつぶし,幼虫がいれば巣外に捨て,巣を修復してから,オオハキリバチが作った花粉団子に,自分の卵を産む,という。
カッコウの仲間は,托卵先の鳥の巣に自分の卵を産み,托卵先の卵が孵化する前に生まれたヒナが,孵化前の卵を巣外に捨て,自分が托卵先の親に育ててもらう。
鳥と昆虫の違いはあるが,他人(ヒト)の子どもを殺して,他人の労働力を当てにする,という意味では,同じようなことをやっている。
写真を見ると,体を花粉だらけにして,一見,一生懸命に働いているように見えるが,他のハチでよく見る『花粉だんご』が,後ろの脚に見当たらなかった。
巣で待つ子どもに持っていく必要はないので,この子は,自分のお食事のため,来ただけかもしれない。
ちなみに,下の写真のハチが,ハラアカヤドリハキリバチに,労働を搾取され,子どもを殺されている,オオハキリバチ。
たまたま,この6日前の9月1日に,宮城県内で出会って,撮影していた。
ハラアカヤドリハキリバチより,ひとまわり大きいハチだった。
直接戦えば,こちらが圧勝だろう。
(2024/09/07 ハラアカヤドリハキリバチ,オオハキリバチ)