9月初旬。
山形県の山間(やまあい)の集落。
そば畑の横を通りかかったとき,そばの花が満開だったので,少し覗かせてもらった。
畑一面に咲いていた花々は,見事のひと言。
清楚で美しいそばの花。
そして,この花々に惹かれ,虫たちも,集まっていた。
生産者さんにご迷惑をかけないよう,外周の道路など離れたところから,双眼鏡で観察し,手持ちの望遠レンズで撮影する。
まず,キアゲハ。
お馴染みのチョウ。
密な花々の中に入りにくいのか,畑の上方を飛び回って,吸蜜していた。
数は少なかったが,アゲハチョウの姿もあった。
キアゲハより白っぽく,前翅の付け根上側に線状の模様が入っている。
こちらでは,キアゲハばかりで,アゲハチョウはあまり見かけない。
それにしても,このチョウを,『ナミアゲハ』と言ったり,『アゲハ』と言ったり,さまざまだが,正式には何と呼ぶのが正しいのだろう?
ミヤマカラスアゲハもいた。
この個体は,近い距離で,ず〜っと,吸蜜して,楽しませてくれた。
緑や青,紫に見える『構造色』が,とても美しい。
美しさに惹かれてしまい,このチョウの写真は,山ほど撮ってしまったが,ここに張るのは,このへんで止めておこう。
次は,タテハチョウ。
この鮮やかな色のチョウは,アカタテハ。
周りの白い花々が,鮮やかさを際立たせている。
「アカ(赤)」がいれば,「キ(黄)」もいる。
濃いオレンジ色だが,キタテハ。
こちらも,白い花との対比が美しい。
ヒョウモンチョウもいた。
よく見ると,ミドリヒョウモンっぽい。
キタテハより翅が丸っこくって,優しい感じ。
オスは,鮮やかなオレンジ色で,キタテハに負けていない。
同じタテハチョウの仲間だが,こちらは,一転,シックなイチモンジチョウ。
アサマイチモンジとよく似ていて,違いが微妙。
キャベツ畑で『おなじみ』のモンシロチョウもいた。
白いチョウが,白い花々の上を,ひらひら舞っているショット。
どこでも見かけるキタキチョウは,ここにもいた。
色が薄いので女の子かな。
翅表の黒が透けて見える。
翅表の黒が透けて見える。
この子は,スズメガの仲間。
クロスキバホウジャクは,翅の一部が透明で,透けている。
ホウジャクは,全然頭になかったので,この出会いは,とても嬉しかった。
同じ『スズメ』が付いても,スズメバチは,『怖い』というイメージが先行しているが,すごくカッコいい昆虫だと思う。ファンも多いのではないだろうか。
まず,ヒメスズメバチ。
まず,ヒメスズメバチ。
お尻の先っぽが黒いのが識別ポイント。
横顔が美形だ。
横顔が美形だ。
キイロスズメバチは,顔をアップしてみた。
恐ろしげなアゴの間から舌を出して,そばの花蜜をなめているのかな。
このアゴのカッコ良さは,クワガタムシにも負けていないと思う。
このアゴのカッコ良さは,クワガタムシにも負けていないと思う。
ハチの仲間では,ミカドトックリも,姿を見せてくれた。
こんなに細い腰。
まさに,『はち腰』だ。
スタイル抜群。
こちらは,コアオハナムグリ。
そばの花に顔を埋め,最高に幸せ ,という感じに見える。
そして,ヤマトシリアゲまでいるし。
え?
シリアゲムシも吸蜜するんだぁ。
まだまだ撮影した虫はいるのだが,もうやめておこう。
記事が長くなりすぎた。
ここまで付き合ってくださった方には,伏して,お詫びと感謝を申し上げる。
いずれ,次から次に,虫たちが現れ,そば畑で舞い踊っていた。
まさに,竜宮城に招かれた浦島太郎の状態で,チョー幸せだった。
ここで舞い踊っていたのは,タイやヒラメではなく,チョウやハチたち。
ここは,白いツユクサのあった場所と同じエリア。
とっても良いところだった。
とっても良いところだった。
山の中に,破格の価格で,フレンチのコースを食べさせてくれる宿もあるし。
いつか再訪すること間違いなし。
(2024/09/07-08 たくさんの昆虫たち)