3月3日 桃の節句の朝
水上に,パラっと,分散した2ダース程度のカンムリカイツブリ。
その中に,夏羽に換わってきた子がなんぼか。
この子,水上で,姿勢を低くしながら,ギュ,ギュン,ギュ,ギュン,...,と,ふた声ずつリズミカルに鳴き続けていた。
あ,この子もだった。
体も黒っぽくなってきている。
体も黒っぽくなってきている。
潜水すると,いったん鳴き声が消えるが,浮上するのと同時に,また鳴き始める。
この子たちは,基本,誰からも相手にされていなかったが,くじけずに,ずっと同じことを繰り返していた。
この子は,まだ冬羽でも,気持ちはすでに春。
この日は,それほど頻繁にはなかったが,突進する光景も観察できた。
シノリガモやクロガモは,自分の能力を示すパフォーマンスで,近くにいるメスに見せようとするが,カンムリカイツブリは,相手めがけて突っ込んでいく。
求愛行動,というのは同じで,突っ込む行動も同じなのだが,その行動の意味が全然違う。
相手にされないから,欲望に突き動かされて突っ込んでいるように見えるが,こんなに突っ込まれたら,誰でもビックリして逃げる,と思う。
3月5日 啓蟄の朝
2ダース程度の群れが入っていたのは同じだったが,1日,間を空けて行ってみたら,前回とは様子が違っていた。
まず,前回は,パラっとしており,カメラのファインダーに複数入ることが少なかったが,この日は,それぞれの距離が縮まった感じ。
また,姿勢を低くして鳴き続ける個体の数が増え,鳴き声も一様ではなくなってきた。
さらに,他個体めがけて突進する光景も,頻繁に見られるようになった。
普通に見られたのは,一方が突進して,一方が逃げて,終わる光景。
姿勢を低くしている個体同士が,互いに向き合って近づくと,バトルになるか,仲睦まじくなるかのどっちか。
こちらは,近づきながら,緊張感が漂ってきた。
右の冬羽の子は,口を大きく開けて威嚇している。
右の冬羽の子は,口を大きく開けて威嚇している。
案の定,バトル開始。
最初,左の夏羽の子が突っかけていった。
最初,左の夏羽の子が突っかけていった。
現場で見ているときは,何が何だかよくわからなかったが,画像を見ると,終始,夏羽の子が優勢。
最後は上になって,押さえ込んでいた。
見方によっては,交尾しているようにも見えるが,ホントのところ,どうだったんだろう。
見方によっては,交尾しているようにも見えるが,ホントのところ,どうだったんだろう。
水面下に押さえ込まれた冬羽の子は,潜水して見えなくなった。
近づいていって,仲睦まじくなると,姿勢を正すように首を伸ばして,社交ダンスのような動きをする。
こちらは,一方が夏羽の別のカップル。
人間だったら,背筋を伸ばして優雅にダンスをする感じ。
なんか,このふたり,良い感じ。
ふたりの間の空間で,ハートを作っている。
ふたりの間の空間で,ハートを作っている。
こちらはどちらも夏羽になっているカップル。
近づいてくるところから観察できた。
2羽がシンクロし,お互いの意思を通じ合わせているよう。
求愛,というより,絆を確かめ合っているように見える。
求愛って,一方が,一方に対し,行う行為だと思うが,これはそうでなくって,双方の交流。
この後どう発展するのか,と見ていたが,何事もなかったように分かれ,それぞれ,群れに紛れてしまった。
このふたり,これからどうなる?
この子たち,今,この時期,1日見ていても飽きないくらい面白い。
(2024/03/03 カンムリカイツブリ)
ドラマを見ているようにワクワクして見せて貰いました。
ご自分も楽しんでおられる様子がうかがえます
楽しませてもらいました
コメントいただき,ありがとうございます。
楽しんでいただいたとのこと,何よりです。
鳥見の時間=至福の時間,となるときがあるので,そのワクワク,ドキドキ,幸せ感を,少しでも見ていただいている方々に感染させることができたら,嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。