こうした話を聞くと、「その通り!それに加えて日本人の衛生的な生活様式がうまく機能をしたのだ」と誇らしげな気持ちになる人がたくさんいると思う。しかし、こういうことを言うのは大変心苦しいが、残念ながらそれは勘違いだ。いや、「日本、スゴイ」というナショナリズムが生み出した幻影、あるいは御都合主義的解釈と言った方がいいかもしれない。
新型コロナの重症患者が欧米と比べてケタ違いに少ないのは、なにも日本だけの特殊事情ではなく、東アジアの国々に共通する現象だからだ。 たとえば、人口100万人当たりの死者数をまとめている統計サイト「ワールドメーター」の5月19日時点の報告によると、やはりダントツに多いのが欧州だ。784人のベルギーや593人のスペインに、イタリア、英国、フランスが続いている。では、日本はどうかというと、死亡者が6人とケタ違いに少ない。
「見たか!これが日本の底力だ!」と浮かれてしまう人もいるだろうが、ちょっと落ち着いて周りを見ていただきたい。同日の死亡者は、お隣の韓国で5人、ウイルスの発生源と言われる中国では3人、さらにインドでも2人となっているのだ。 つまり日本の重症化対策は、欧米と比べると確かに「ケタ違いの優等生」なのだが、東アジアの中では極めて平均的、むしろ「劣等生」の部類に入るレベルといえる。
大切な指摘だと思います。日本が特殊だと思うのは日本人の悪い癖。
同様の指摘を藻谷浩介さんが毎日新聞プレミアムで言っておられるが、有料なのでダイヤモンドオンラインの窪田順生(ノンフィクションライター )さんの記事を引用します。
藻谷浩介氏「人口当たり死者数」で見る新型コロナ
第二波には用心しましょう。