実はアフィリエイトは一昨年くらいにピークを打った。アフィリエイトの専門誌としてサイビスという出版社が「ネットショップ&アフィリ」という雑誌を出していた。月刊化され勢いがあると感じていたが昨年休刊した。いろいろな調査からアフィリエイトで儲けているのは一部という実態も明らかにされた。さらによく調べてみると「お金儲け」がしたいという人を対象とした情報商材を媒介としたビジネス。純粋なネットユーザーがアフィリエイトで月に数万円を稼げているというのは本当に一握りであろう。そしてその人の情熱と努力はすごい。時給換算すると多分それ程よくはないだろう。ということでアフィリエイト業界は停滞している。
ただ、ソーシャルメディアとしてカスタマーレビューがアフィリエイトとしての新しい可能性を持っている。提供された素材で提灯記事を書くのでなく、自分で使ってみて、体験してみてレポートを書けるブロガーが書く記事は信用が高い。映画配給会社の意向で喋るおすぎの映画評より映画好きのブログの方が信用度は高い。
とにかく多くの個人が情報発信のメディアを持った。それだけでなく検索エンジンによって不特定の多くの訪問者を獲得できるようになった。情報発信の民主化が起こったのである。
ノイズとしてブログ自動生成や自動リンクのスパムブログ(=スプログ)問題が起こるが、これはあくまでノイズ。なくなることはないが、ノイズを離れてみるとある輪郭がトレンドとして見えてくる。はっきりとオープンでソーシャルな個人(インディビジュアル)が際立ってくる。
さてそれではそうしたサイトからモノが売れるかというとやはり売れない。ネットでの衝動消費ということがいわれているが、なかなかブログからは買わない。こんな良いサイトからならさぞ売れるだろうと思うサイトからそんなに売れてない。
ネタフルのコグレさんの講演を昨年秋に聞いた。彼はシャープのxacti(動画が得意なデジカメ)のファンで最高品質のカスタマーレビューを書いているのだがやはり売れないらしい。どうも購入は別サイトかららしい。購入の際にネットの評判を気にする、その時ブログなどソーシャルメディアの記事の信頼はかなり高いというアメリカでの調査結果もそのセミナーで紹介されていた。
それでいくとネットでの消費行動には二段階以上あることになる。一見簡単に、場合によっては携帯から購入しているようにみえるが実は意外に慎重な消費行動が存在するのかもしれない。
このあたりが行動ターゲッティングというマーケティング手法になるのだが、どこまで解明できるようになっているだろう。気になるところだ。