ボナさんの北海道の釣り三昧II(休養中)

投げ釣り主体に北海道の沿岸に出かけます。夏にはフナや鯉釣りも。

雪あかりの路

2012-02-08 12:38:54 | 釣り
札幌の雪まつりで人込みに疲れた方は、少し足を伸ばして小樽まで来ませんか。札幌と小樽間の高速バスはJRと中央バスの共同運行で10分間隔で1日130往復出ています(片道590円、往復1110円)、座って来れます。小樽の運河の水面にゆれる浮き玉の灯りは、寒さを吹き飛ばしてくれることでしょう。

駅から坂を下ると途中に右の札幌方面から左の手宮方面に道を横断している旧手宮線があります。この旧線路上に造られた「雪あかりの路」では、多くの市民がバケツの水を凍らせて作った幻想的な行燈の灯りがみられます。朝里川温泉にも「雪あかりの路」ができております。JR小樽駅前のバスターミナルには、このようなレトロ感覚の雪あかりの路・ロマン号が発着し所要一周30分で手宮線や運河会場などを巡って走っています。

「雪あかりの路」のイベントは、小樽塩谷出身の小説家で詩人伊藤整の詩集「雪明かりの路」に由来しています。私は、大学に入ってすぐ文学志向の強い仲間ができ学寮の傍の喫茶店にたむろしていた時期に、「若い詩人の肖像」という伊藤整の自伝的小説を読んでいました。息苦しい想いのあふれる逢瀬で小樽の街、山、浜を彷徨った恋人の妹に、処女作の詩集「雪明かりの路」を署名して渡す印象的場面があります。

私は数度、雪が残っている春まだ浅き日に塩谷の浜で釣れようが釣れまいが竿を振っています(写真:塩谷の市街地を望む)。伊藤整の初デートを考えてた時もあります。数え19歳の小樽高商1年伊藤整が17歳の恋人と祭りの昼下がりに浴衣を着て蘭島で落ち合う。「私はぎょっとした。さっきはどこにも人影はなかったのに、あの男が蘭島の方からここまで歩く間、私は根見子と口づけていたのか」、この場面は「雪の来る時」に出てきます。そのようなロマンが「雪あかりの路」で生まれるかもしれません。