今日のひとネタ

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和佐田さんのベースの話

2020年01月19日 | ギターと楽器のこと
 和佐田達彦さんはベーシストで、ITACHI、TOPS、爆風スランプ、X.Y.Z.→Aなどで活躍し、現在もベーシストとして活動する以外にベースクリニックや他のアーティストのプロデュース活動を行っている方です。

 私はTOPSの大ファンで、当時読んだ雑誌での話がずっと記憶に残ってました。何かというと、スタジオのエンジニアの方が和佐田さんのジャズベースについて「あんた、そのベースは絶対手放しちゃいかんよ。手入れもちゃんとせにゃいかんよ。」と言ったという話。余程いい音がするベースなのだろうと思ったわけです。

 その和佐田さんの演奏を直接見たのが一昨年の暮れ。新中野のライブカフェ弁天での「弁天紅白歌合戦」に、和佐田さんがプロデュースする竹内藍さんが出演した際、サポートで一緒に演奏してました。その時持ってきてたのがフェンダーのジャズベース。おまけに凄く良い音。「もしや?」と思ってどうしても聞いてみたくなり、失礼ながらリハーサルが終わって客席に来た時に話しかけてみました。

 はたして見た目はいかついですが(失礼…)気さくな方で、あれこれとお話しして下さいました。そしてそのベースはまさしく話題の名器。が、事情はちょっと違いました。

 そもそも、あるアーティストのある曲のベースの音が大好きで、TOPSのレコーディングの際にエンジニアの方にその曲を聞かせて「この音はどうやったら出せるか?」と尋ねると「これはフェンダーのオールドのジャズベースの音だ」と言われたそうです。(当時はまだヴィンテージなんていう言葉は一般的でなかったそう。)

 それでたまたまそのスタジオの並びに楽器屋があって、フェンダーのオールドのジャズベースもあったと。そして和佐田さんがあれこれ試奏したところ気に入ったのが5本。しかし1本選ぶのに苦労し、プロの耳を借りようと思ってそのエンジニアの方を連れていって選んでもらったのがそのベースだとか。

 そこまでして選んだ1本なので、入手後はTOPS、爆風はもちろん今に至るまでレコーディングではそれしか使ってないそうです。爆風の頃はダンカンの黒いベースをよく見かけたのですが、それについては「あれはライブだけ。レコーディングでは使ってない。」と。

 なお、素材は良いベースであってもピックアップの配置が現代のサウンドには合わず、入手後リアピックアップの位置を調整。その他多少のパーツ交換はあったんだっけかなぁ。いずれにしても相当お気に入りのベースなのは間違いないですが、そういう1本に巡りあえて30年以上も愛用してるというのは素敵です。しかも普通にライブハウスの演奏にギグバッグで持参するのが男らしいと。

 実は和佐田さんの姿を初めて見たのは1985年の冬に大阪厚生年金会館にて。新田一郎さんのコンサートをITACHIのリズム隊がサポートしてたのでした。一昨年お会いした際に、そのコンサートを見てた事をお話ししたところ、「え? 大阪にいはったんですか?」と聞かれたので「いえ、実は当時京都に…。三井はんの後輩に当たるので…。」と言ったところ「ああ、京産大ですか」とスムーズに話が通じました。やはり京産大は名門です(笑)

 ということで、当日は竹内藍さんのCDに竹内さんと和佐田さんのサインをいただきました。このアルバムの1曲目の「キング」は当日も聞きましたがかっこいい曲です。ベースは当然和佐田さんなのでその音が聞けます。気になる方は是非チェックを。