今日のひとネタ

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キャンディーズは一日にしてならずぢゃ、とあらためて

2020年01月06日 | キャンディーズ・伊藤蘭
 昨年末のレコード大賞で伊藤蘭さんの歌唱を見て大いに感激したものであります。当日は、昨年発売したアルバムが企画賞を受賞したので、まずそこから自らの作詞である「女なら」を披露。

 これは前にテレビで見ましたしソロコンサートの放映でも見ました。結構かっこいい曲ですが、歌うたびに段々よくなってきたというか、今回は大会場でなおかつレコード大賞のスペシャルビッグバンドの生演奏をバックにそれはそれは堂々たるもの。

 とはいえ、41年前に解散したとはいえ元々キャンディーズで蔵前国技館や後楽園球場などの大会場を経験してるわけで、歌いっぷりが堂に入ってるのも当然といえば当然。

 そして、もう1曲スペシャル企画で「年下の男の子」を聞かせてくれたのですが、この歌声には本当に感激しました。何しろキーも変わってなければ歌声や歌い方が本当に当時のまま。新作のソロアルバムの歌い方とは明らかに違うので、今もキャンディーズの頃の声や歌い方はやろうと思えばいくらでもできるのですね。

 で、はたと気がつきました。キャンディーズはコーラスもさることながら、三人でのユニゾンにも定評があります。ということは、当時の伊藤蘭さんは「キャンディーズのランちゃん」であって、他の二人と一緒に歌うための発声なり歌い方をしてたのではないかと。

 キャンディーズでは特にスーちゃんが特徴的な声で、三人で歌うと浮いてしまいそうではありますが、ユニゾンで聞いてると特に誰の声が目立つということではなくそれこそ「キャンディーズの声」になってます。三人の歌声については、レコードで聞くと囁くように歌う場合はスーちゃんとミキちゃんがちょっと似てて、ライブで声を張る時にはミキちゃんとランちゃんがちょっと似てる感じはあります。で、三人で歌うときにはそれぞれが「キャンディーズに寄せて」やってたのだろうと。

 実はこれと似た話を最近聞いて、それはアリスのベーヤンのこと。先日のアリスのスペシャル番組のインタビューで聞いたのですが、デビュー後チンペイさんと一緒に歌い始めた頃、ベーヤンのことを「こっちの奴、下手くそだ」という声が聞こえてきたとか。

 本人は「下手くそじゃねえよ!」と思ったものの、なんでそんなことを言われるんだろうと考えた末、チンペイさんの独特な節回しをちょっとなぞる感じで一緒に歌ってただけということに気づき「じゃ、物真似すればいいんだ」とチンペイさん風の歌い方にしたのだとか。なので「歌声が似た感じって言われるけど、似せてるんだから」のだそうです。成功するグループには色々な努力があるんですね。

 ところで、キャンディーズはその歌唱については穂口雄右先生によるレッスンで猛特訓を受けたと聞きます。例えば、二拍三連をピッタリ合わせるのに三人で手を繋いで握るタイミングを合わせたりとか。そうやって音程だけじゃなくて、リズム感や声の伸ばし方や切り方などもしごかれたのだと思われます。そういうことがあってあの素晴らしい歌唱になったのでしょうね。

 ユニゾンの歌声というと、「銀河系まで飛んでいけ!」「気軽な旅」の歌い出しなどは一声聞くだけで「お~キャンディーズだ」と思いますし、シングルでも「春一番」「微笑がえし」を例に出すまでもなくハモリの箇所が少なくてもキャンディーズサウンドになってます。アルバム曲だと「オムレツを作りましょう」とか「ラッキーチャンスを逃がさないで」もいいですね。

 と、言いだすとキリがないのですが、そういう意味で「キャンディーズは一日にしてならずぢゃ!」と。とりあえず歌えるお姉さんを三人集めればキャンディーズになると思っているような輩はその辺考えて欲しいです。あのメンバーのあの歌声だからこそキャンディーズができたというのもありますが、やってみようと思うなら「とにかく三人で揃えて歌う」という練習は必要だろうと。