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1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

津軽殺人事件 内田康夫 1991年6月20日 光文社

2016-04-10 09:18:06 | ミステリー
 都内のホテルで弘前の古書店主が殺された。殺人現場から消えた太宰治の肖像画はどこに?遺されたメモ‶コスモス、無残・・・・・・"の意味は? 名探偵・浅見光彦は津軽へとぶ。被害者が主宰した「『津軽』を旅する会」に事件の鍵があるとにらみ、参加者を訪ね、そのコースを辿る。蟹田―金木―五所川原・・・・・・そこには奇妙な証言の数々が! 津軽半島を旅情豊かに描く本格推理。
裏表紙より。
ムツカシイのを読んだらホッとするのを読みたいのが人間心理。
初出は1988年「カッパ・ノベルス」。



プロローグ

「ほう・・・・・・ダイイング・メッセージですか。面白そうですねえ」
 浅見は嬉しそうに両手をこすった。警察官の目には、なんとも不謹慎に映ったことだろう。
浅見・名探偵〔ルポライター〕・MITSUHIKO(ゲス)
こんな奴を自ら頼ることにした堀越部長刑事の葛藤が伺えます・・・・・・乙。



第一章 コスモス、無残

「司法試験ていうのは、あれは一種の麻薬みたいなものだな」
「一度か二度くらいはトライするのもいい。しかし、三度目以降となると、もはや際限のないことになってしまうんだ」
次っ・・・・・・次こそはっ・・・・・・!
尋常でない努力を要求されるが故に、今更引けるか!となるのかも、ネ。


3回目の失敗で、浪人仲間・村上正巳(6浪)の話を実感し始めた石井靖子(27歳)。
そして4回目の今回も・・・・・・もう諦めようか・・・・・・そんな風に考えていた彼女に悲劇が。
仕事で上京した父・秀司が、都内のホテルで毒殺されてしまったのです!
 目がうつろになっていた。
(´・ω・)




第二章 太宰治の肖像画

 態勢は整ったものの、捜査には思ったほどの進展が見られなかった。その中で、奇妙に「太宰治」にまつわる情報だけが、二つもたらされた。
太宰「ちょっ・・・・・・巻き込まないでよネ」(妄想)

情報①
事件当夜、太宰治っぽい(『昔の文士みたいなスタイル』の)怪しい人間が目撃された

情報②
被害者・石井秀司は『太宰治が描いた肖像画』を買い取るために上京した


他に情報と言えるほどのモノは無し・・・・・・
いや、警視庁のえらい人たちはスルーした情報が1つだけありました。
「なるほど、それがこれですか」
 浅見はあらためて紙片を眺めた。

  コスモス、無残。
  マネク、ススキ。アノ裏ニハキット墓地ガアリマス。

「見れば見るほど奇妙な文章ですねえ」
秀司が死の直前に破ったらしい、手帳に書かれていた内容。
でも捜査本部では「俳句でも書こうとしたんじゃね?」で終了・・・・・・終了!?
さすがに無能過ぎないか・・・・・・?

他に手がかりがない中でこのメモに注目した堀越は、
ゲス、じゃなかった、光彦に相談したのであります。

と、なんと光彦、この文章をどこかで見た覚えが!
犯人につながる情報を期待していた堀越は落胆しつつ帰ってしまったものの、
なんで読んだカナーなんだったカナー・・・・・・
 いままで、ただの一度もそんなことは考えたこともないが、あり得ないことではないのかもしれない。
バーロー須美ちゃんはオラのもんだー


「コスモス、無残。マネク、ススキ・・・・・・なあにこれ、太宰じゃないの」
「は?・・・・・・」
「太宰治でしょう?」
母・雪江がナイスアシスト!
そして太宰治の短編をまとめた『津軽通信』、その中に同じ文章を発見!


事件の鍵が「太宰治」にあるのは明らか。
光彦、ちがった、ゲスは、被害者と太宰治の地元である津軽へ!
 浅見は肩を落とした。まったく、藤田のケチケチぶりときたひには、いつもながら感服させられる。
仕事をこじつけて自分の趣味の旅費をせしめようって奴が言えたことかー!


 玄関へ出てみると、大学で同期の村上正巳が立っていた。
「よお、しばらく」
 浅見は懐かしさで、思わず声が上擦った。
靖子の浪人仲間・村上は、光彦と友人でした。
実家に帰った靖子が心配な村上は、名探偵な大学の同期に助けを求めたのであります。

津軽へ行くつもりだった(当然「被害者宅」にも突撃予定だったはず)光彦は、
村上の恋路の応援まで約束。
「浅見・・・・・・」
 村上はまた目に涙を溜めて、テーブル越しに浅見の手を握った。
「感謝する、きみはじつにいいやつだ」
「おい、よせよ、照れるじゃないか」
照れるじゃあないか、ガハハハ(ゲス)
なんか「ドラえもん」が思い浮かんだ。
ひらがなのせいにちがいない。



そして津軽へ向かった光彦は、さっそく被害者の娘・靖子と対面。
「僕は、その時どうだったかという、状況を推理するのに、自分自身をその場に置いてみることにしているんです。僕があなたのお父さんだったら、どうしただろうか、と・・・・・・あの時、お父さんは、訪問客を相手に、部屋に備え付けの冷蔵庫から出したビールを、グラスに注いで飲んでいた。客は隙を衝いてグラスに薬を入れた。それを知らずに、お父さんはビールをあおる。わずかな間を置いて、衝撃的な痺れが襲う・・・・・・」
その時その場でその人は・・・・・・光彦式推理法。
ろくな成果を挙げられない警察に失望し始めていたであろう靖子には、
頼りになる味方、いやもう救世主登場と言える場面かもしれない。




第三章 「津軽」を旅する会

「えっ?」
 浅見はびっくりした。
「ははは、そんなことをしたら、それこそ村上に殺されちゃいますよ」
無自覚というか鈍感なのも罪だよね!
鈍感罪を適用しよう!


翌日。
『「津軽」を旅する会』という旅行グループを主宰していた秀司。
「太宰治巡り」なその旅行、光彦と靖子は、
旅行の参加者からその時の秀司の様子を聞いてみる事に。
「ははは、まさか、ここにこうしているだけで、逮捕されたりしませんよ」
ははは、こやつめ


参加者の1人で、秀司の葬儀にも来ていた高野という男が、秀司と親しかったかも?
そういう話を他の参加者から聞き、2人は高野と連絡を取ろうとしましたが・・・・・・
「えっ? 死んだ?」
えっ




第四章 養鶏業者の死

 事件はあらまし次のように報じてあった。
養鶏業者だった高野は仕事上のトラブルで・・・・・・?

『太宰治が書いた肖像画』の件で何か知っていた、かもしれないの男の死。
光彦が高野について調べ始めると、何やら高野は過去に妙な事件と関わりが・・・・・・

そんな時、秀司の古本屋で働いていた横山美智代が失踪!
東京での殺人に津軽での殺人、さらに失踪・・・・・・全ての真相は・・・・・・



第七章 「マネク、ススキ」の謎

 目を閉じると、いろいろなものが一本の線上につながって見えてくる。その日の石井がそうだったのかもしれない。そう思うと、浅見は、まるで石井秀司の怒りが乗り移ったように、はげしく突き上げる憤怒を感じた。
事件の裏に潜む巨悪を、浅見・名探偵〔ルポライター〕・MITSUHIKOが暴く!


「そういうやつです」
○○○○ーー!!(重大なネタバレなので伏せる試み)




あとがき――「殺人事件」は「無印・良品」

 というわけで、十作目を記念して・・・・・・ということでもありませんが、「殺人事件」の生産者の一人として、なぜ「殺人事件」にこだわるのか――という、自分なりの考えを、この機会に一言、表明しておきたいと思った次第です。
西村京太郎氏の十津川警部シリーズ、
ずらーっと同じ出版社で並んでるとこ1冊取ったら十津川さんじゃなかったことが。
「十津川警部の○○」とか「○○特急殺人事件」なら確定だけど、油断した・・・・・・ガクッ
著者で並べたついでにシリーズで並べてほしいよねー(´・ω・)(・ω・`)ネー


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