まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

「64」横山秀夫

2014-01-17 22:07:47 | 読書のすすめ
今日も寒かったですね。
珍しく 暑がりの私がカーディガンを手放せませんでした。
まだ ちょっと考えにくいけれど そろそろ花粉症の薬のんだ方がいいかなあ。

さて 横山秀夫の「64(ロクヨン)」を読みました。

64(ロクヨン)
横山 秀夫
文藝春秋


図書館で予約をつけて 1年近く・・・長かった。
途中 本が2冊になり 3冊になり 
そこから ほかの予約本を一気に追い抜き やってきました。

しかし そんなときに限って 読まなきゃいけない本が 溜まっている。
貸出期間は 2週間。
普段なら 楽勝で読めるのに よりにもよって 
この間の三連休職場に忘れてきてしまいました。

D県警で広報官(マスコミ対応責任者)を務める三上義信。
冒頭は いきなり 三上と妻の美那子が 死体をあたらめるシーンから始まる。

三上の娘 あゆみは家出し 行方不明となっていた。
一度だけ 同じ日の夜に 家に三回無言電話があり 
三上も美那子もそれが あゆみからの電話だと信じ
そのことで彼女が生きていると信じようとしている。

三上はずっと刑事畑でいたが 畑違いの広報官に任ぜられた。
あゆみの捜査協力を餌に 三上をいたぶる上官 赤間。

彼が刑事だったころから 14年間未解決の事件がある。
それは 「翔子ちゃん事件」
当時小学校1年の雨宮翔子が誘拐され 身代金を奪われたにもかかわらず 
無残にも死体となって見つかった事件である。
警察関係者の間では この事件は通称「64(ロクヨン)」。

今も細々と捜査は続けられているものの 捜査規模は大幅に縮小され
月日が経つことにより 新事実が出ることもなくなっている。

しかし ある日 いきなりこの「64」に焦点が当てられる。
三上は困惑する。
なぜなのか?
組織間の抗争なのか?
出世争いをする上層部の思惑が絡み合った結果なのか?



ジャンルは・・・・警察物ですかね。ミステリー?
あまり取り上げられることのない『広報官』を主役に据えたのがさすが。

三上は警察の中での『刑事』という仕事にこだわり 
『広報官』という仕事を与えられたことを嫌がらせと感じている。
自分の立つ場所はここではないと考えている。


人の思惑に捉われすぎの三上の視点から語られているからか 
被害妄想的になっているところもある気がするけれど

警察ってこんな人しか上に登れんのか?

と 思うような上官が次々登場。
ミステリーというよりは 警察内部の抗争にかなりページを取っている。

こういう男社会特有のしがらみみたいなのを楽しめる人もいるんだろうけれども
正直 辟易した。

しかし 最後の1/4は 手放しに面白い。
ページをめくる手が 思わず早まったほど。

どうなるの?どうなるの?
と先が気になって 読むのを止めるのがつらかった。

被害者の親の苦しみは言うに及ばず。
事件に関係した警察関係者が ほぼ皆 
多かれ少なかれ この「64」に捉われたまま 14年間を過ごしている。

最後には 間違いなく 犯人(と警察上層部)の横面を張り倒したい気分になります。

自分的にはちょっと 途中が辛かったけれど お勧めです。

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