西アフリカぶるきなふぁそ親爺暮らし

2003年、50歳にて西アフリカのブルキナファソに渡りボランティア。歳月を経ていまではすっかりブルキナ親爺になりました。

中年派遣員奮闘記(その20)

2016-01-10 | 奮闘記

NO.20[OUAGADOUGOUの商い]

ブルキナファソの1日はとても早く、5時には起きて掃除や朝食の準備が始まります。お手伝いさんがいますが大体は村から出てきている人で、13歳から18歳くらいの女性が多く、フランス語はあまり話せない人が多いようで1ヶ月の給料が2000フランくらいですが、食事と寝るところはあるのでワガドゥグに出稼ぎに来る人は多いようです。村の仕事と言えば男性は農作業、女性は食事に関する仕事、子供は10歳くらいから水汲みや燃料にする枯れ枝集めなどを行い、週に何度か女性達は近くのマルシェに行き自分達で作ったものを売りお金に換えていますが、1日の売り上げはほんの僅かのようです。ですから少しでもお金を稼げるところがあればとワガドゥグに来る若い女性も多く居ります。

 さて、バルコマ家でまず1番早く起きるのは勿論お手伝いさんです。毎朝5時にイスラムのモスクのスピーカーから朝のお祈りの声が聞こえ、すると間も無く庭を掃く音、こちらの箒は柄がなくサーガという40センチほどの真っ直ぐな細い枝を直径5センチ位に束ねた物で腰を屈めて器用に掃き慣らして行きます。6時頃になるとムッシュバルコマがプラスチックのヤカンを手にもち外のトイレに行きます。ブルキナの人達はトイレットペーパーを使う人は少なく殆どの人は御尻を水で洗います。私も何度か試みましたがとても心地良く考えてみればこちらの方が清潔なのかも知れません。

 トイレが終わると大きな声で皆を起こします。7時になると長男のボリスと次男のフィデルが学校に向かい、学校は7時半から始まりますのでとても慌しい様子で、マダムはトウモロコシの粉を乾燥させるために大きな台の上に広げていると、3女のフランソワーズは洗濯物を井戸の所に運びます。7人家族の洗濯物はとても多くおまけに女性は2~3度着替えをするので洗濯物は毎回山のようです。

お手伝いさんは掃き掃除を終わると洗濯に執りかかりますが洗濯物が多いときは洗濯を専門にする人も来ます。4女のエステルはムッシュバルコマの乗っている車の掃除が朝の仕事のようで、いつも車を拭く前に運転席で車のカセットデッキに好きな歌を入れ聞いていますが聞いているうちに気持ちが良くなり又寝てしまうことが多く、ムッシュバルコマが出かけようと車に行くとエステルが中で寝ているので結局ムッシュがぶつぶつ文句を言いながら自分で拭くことになってしまうようです。

 昼になると学校に行っていたムッシュバルコマ、ボリス、フィデル、小学生のロズモンドとお母さんのアンドレアが戻ってきます。12時から3時までは昼休みなので昼食後は体の汗を流し昼寝をします。ブルキナファソの自然環境で日中の暑さは厳しく特に5月の頃の気温は50度にもなり、汗とともに体力の消耗が激しく、屋外での直射日光は熱中症にもつながりますので社会環境もこの様な習慣になっていると思われます。昼寝を終えるとそそくさと再び職場、学校へと向かい、終業時刻は5時半です。

ブルキナファソには行商をしている人が多くいて、バルコマ家は家族が多いためか朝からいろいろな行商の人が訪れます。まず朝に来るのがガーナパン屋さんブルキナはフランスパン(ヴァゲット)が普通ですが、ガーナパンと言われるいわゆるブレッドもあります。主にガーナからやって来た人が作っていますがやはりガーナは昔イギリス領だったためかと思われます、次に来るのが古着屋さんでブルキナでは古着の事をYOUG YOUG(ユグユグ)と言い、ジュラ語で「洗う」という意味だそうです。

女性物と男性物、下着類、布類とそれぞれ別の人が売っており、古着はインド製やパキスタン製が多くジーンズは1500F(300円)、シャツは1000F(200円)位です。この人が来るたびに私にも声がかかりイイダも安いから何か買えば、といわれますが私の好みに合うものが無いので丁重にお断りします。それからミシンの修理屋や果物屋と行商も多種様々で、この人達は殆どが親方(パトロン)がいて仕事を貰い1日中売り歩きます。

その他街に出ると本、メガネ、アクセサリー、薬、ビデオCD,CDレコード、水やジュース、それからとても多いのがパンクの修理屋です。バイクや自転車が一般の乗り物で日本のようなチューブレスなどというタイヤではなく普通のチューブ入りのタイヤでこれがあまり良い品質ではないので、すぐパンクをします。修理代は1箇所100フランですが修理するところを見ていないと穴の開いていないところも修理をしてしまい5箇所パンクしていた、などと言われますので気が抜けません、OUAGADOUGOUには沢山のオフィスビルや商店などがありますが、それぞれに専用駐車場はありません。

また公共駐車場もありませんので入り口の近くに車やバイクを駐車し、するとそこにいる人にチケットを渡されます。その人は駐車している車やバイクが、いたずらされたり盗まれないように見張っている仕事なのです。車は100フラン、バイクは50フランでその人は店やオフィスとは関係が無く個人で事業をしているようで、店やオフィスとなぜ関係が無いのかを聞きますと、もし盗まれ たときに店やオフィスの責任にならない様に、だそうです。

 まだまだ職業は沢山ありますが主な職業を紹介してみました。いつもこの人達を見ると熱い中歩いて回るのはとても大変なことだし、売り上げはどれ位あるのか計り知れませんが、怪我や病気などになったときは何の保証も無く、この国では健康ということが最大の資本であることをつくづく考えさせられました。


次回をお楽しみに・・・・



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