西アフリカぶるきなふぁそ親爺暮らし

2003年、50歳にて西アフリカのブルキナファソに渡りボランティア。歳月を経ていまではすっかりブルキナ親爺になりました。

中年派遣員奮闘記(その15)

2016-01-05 | 奮闘記

NO.15[イミオグ村]

8月半ばに入り私も到着して1ヶ月たち、何と無くワガドゥグの環境にも慣れてきました。

Sさんは帰国の準備や日本からの物資輸送に係わる事柄、日本への民芸品の買い付けと慌しく動き回っております。

そのようなある日、マダム.ウエオドラオゴの紹介するイミオグという村を視察に行くことになりました。イミオグ村はワガドゥグより北に約100キロの所にあり隣の国マリの国境に近く、小高い丘の多い所でここでは金の採掘が盛んに行われています。村に行くと木陰で子供が一人寝ており、聞くとどうやらマラリアにかかっていたようで側には村の薬草で作られた薬が置いてあります。

この薬はアカシア、ニム、パパイヤ、エカルプトゥスの葉にゴヤーブの実を混ぜて擂り潰し水に溶かして飲んだり、鍋に入れ煮立て頭から大きな布をかぶり蒸気を吸って汗を出したりしますが、熱を下げ体力を回復させる効果があり、村では昔から使われているものだそうです。

マラリアというと私達にはとても重い病気のように思われますが、この国の人はインフルエンザ程度にしか思っていないようです。また、この村の飲料水は10メートル程の井戸で、この水はギニアウォームの混在する可能性があり飲料水には向いていません。

少し離れた所には赤ちゃんを産む分娩所が在り、土を固めたブロックの建物で6畳間くらいの広さでその中には同じ土で固めた一畳くらいの分娩台があり、薄暗く地面には雨水が溜まっており衛生的にはとても良くありません。

ここの人々は生まれた時からこんな苛酷な環境の元で生活しているのかと思うと5歳未満で死亡する割合が日本は100人中0.5人に対して16人、平均寿命が46歳ということも不思議ではない事と感じます。

同じ人間として生まれ、場所や時代により運不運があることは事実と思いますが、21世紀の今日でこれほどかけ離れた生活を見るのは衝撃に近い印象を覚えると共に、せめて産婦、乳児への1日も早い環境改善を切望して止みません。

また、この村ではエイズの感染者が多く、年に6,7人もの人がエイズで亡くなっているといいます、都会ならともかく人口の少ない村でこれだけの人が亡くなるということはこの国をこれから支えて行く若い人々にとって、とても深刻な社会問題でもあります。

私はこの村を視察してブルキナファソの縮図を見た様な気が致します。しかし子供達の笑い顔や炎天下の中で汗をかきながら、もくもくと働いている人々の姿を見るとアフリカの人々のダイナミックなエネルギーを感じます。

この様に過酷な環境でも逞しく生きていくことに自分を含め今の日本人には何かが欠けていることを教えられたようにも思えます。


次回をお楽しみに・・・・



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