命のカウントダウン(健康余命3605日)

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メタボリック症候群と新型コロナ

2020-10-06 01:09:06 | 生活習慣病
43歳男性会社員が企業検診で異常を指摘され、我が医院で再検査のために来院された。(内容はフィクションを交えています)
再検査の結果は、企業検診で指摘された通り。高血圧:136/80mmHg、脂質代謝異常(HDL:120u/dl LDL:38u/dl TG:138u/dl、糖代謝異常;BG:110㎎/dl(糖尿病の一歩手前)そして軽度の肥満(身長168㎝、体重69.8㎏:BMI>25)腹囲85㎝)
仕事が忙しいからと、妻と子供さん(小学生女子)がインフルエンザ、DTワクチン接種がてら結果を聴きに来られた。
内臓脂肪が色々な現象(高血圧、脂質代謝異常、糖代謝異常)の原因になっている事、内臓脂肪は皮下脂肪より簡単に落とすことが出来る事。などを説明し、食生活の改善を配偶者に促したのですが、「夜中に起きて冷蔵庫からたべるのですよ。」とのこと。
女の子に「お父さん、いびき煩くない?」と、効くと、母娘シンクロして「うるさーい、そして、時々止まる。」とのこと。睡眠時無呼吸症候群の合併もあるのかもしれない。
配偶者が駄目ならと、女の子に「パパは元気で長生きしてくれた方が良いだろう?もしも、10年後にパパが脳卒中になって、寝たきりになったりしたら、困るよー!と、脅してみた。「それは、絶対に嫌だ!」それなら、「パパ、私のために痩せてよ!」って言ってみてよ。パパは、娘さんには弱いと思うよ。
そして、次回、親子3人での来院していただくことにした。(唯一、ご本人の了承が得られていないけれど!!)

43歳メタボの男性は、新型コロナに罹っても死亡率は高いかもしれないが、日本で生活をし続けるなら、新型コロナを恐れるよりはメタボ自体による血管事故を恐れたほうが正しいと思われる。今の生活を継続すれば、60歳代あたりで、脳卒中、心筋梗塞、解離性動脈瘤などの動脈硬化による血管事故に遭遇する可能性は、新型コロナに遭遇して、罹患し、死亡、または後遺症を残す可能性をはるかに上回ると想像される。

今のような感染状況が何年続くかはわからないけれども、たとえ10年続いたとしても、周囲の働き盛りの人で、脳や心臓の血管事故で死んだり、働けなくなったり人の数と、新型コロナで死んだり、働けなくなった人の数を調べてみたら、はるかに前者が多いと想像される。(そう思うのは私だけではないと思うけれど)

新型コロナは確かに怖い疾患で恐れるべきだとは思う。しかし、医学が発達し、内臓脂肪が多すぎる人は、将来血管事故が多発し、寝たきりになる率も非常に高い事が分かっている。働き盛りの人間が、突然働けなくなってしまうことが多いのだ。

70歳以上の方は新型コロナを恐れてください。
70歳以下の方は、メタボリック症候群の方が余程怖いと思って間違いないでしょう。(メタボの方が新型コロナに罹患された場合、相当に死亡率が高いようですが・・・それでも!)
メタボの行く先には、失明、透析、下肢切断、心不全、寝たきりなどオゾマシイ状態が待ち受けています
若い世代の人は、新型コロナを気にすることも必要ですが、内臓脂肪にも気を付けてください。お金貯めても内臓脂肪ためてはいけません!!

プロテインダイエット始めました

2020-06-17 04:27:34 | 生活習慣病

先週マツコ・デラックスのTV番組で、プロテインを使って魅力的に痩せた女性が、プロテインの効能について熱く語っていたので・・・

早速ヨドバシで購入  キン肉マンやケンシロウのものは売っていなかったが、無難そうな森永と明治製菓のものをひとつづつ購入した。以来、3日間、毎日飲用しております。結構おいしいです。

そして、食事の方も、高プロテインに変えております。

これは、鶏むね肉のカボス醤油煮です。

今日は、湯がいた鶏ささみのゴマダレ和えを作って食べました

どちらも、美味しいです。

そして、飲み物が、牛乳にプロテインをどっさり加えたもの

豚肉も、赤身の油の少ないものに変えました(煮込むと、赤身は単調な味で深みが無いです)

運動が問題です。全くできてなかったのですが・・・・

今日は、階段昇降を50回3分間ほど施行しました。

毎日少しずつ負荷を増やそうとは思っていますが・・・・単純な運動は面白くないですねぇ

近くの山にでも上ることを考えます

何しろ、食べ物は、炭水化物、脂質を以前よりは減らしてたんぱく質に置き換えています

カレーも食べているから、そんなに極端な変化ではないですけどね

酒量も減らすように努力しております。

週にウィスキーのボトル3本だったのですが・・・・・

1.5本に減らそうとしております。

アルコール原料が最大の目標ですね

禁酒日も、先週は2日

今後はどうなるのかなぁ

酒量抑制と タンパク質大量摂取と、少しの運動  これで体質変わるのかなぁ

とりあえず、現在の体重78.5㎏と、ポッコリおなかを改善したいと思っております


防風通聖散1512錠!!!

2020-05-08 18:31:56 | 生活習慣病

昨日木曜で休診だったので、今日5月8日は連休明けの久々の診察日でした。

5月3日から4,5,6,7と休みだったので・・・・今日はドドッと来院されました。

出来るだけ込み合わない様に、体調が安定している患者さんは、病状を電話で聞いて、同じ処方で済むようなら、そのまま院内処方で薬と作って

薬が出来るまでは車で来られた方は車の中で待機。準備が整ってから院内に入っていただき、精算、薬の手渡し時に実際に面会して問題の無いことを確認する。

薬は、問題が無いようなら2か月処方とする。

出来るだけ患者さん同士、患者さんと私たち医療スタッフも「不要な接触」が最小限で済むように考えながら改善しております。

完全なドライブスルー外来にすることも考えたのですが、車の動線を考えると、うちの敷地では困難でした。敷地の1辺しか道路に面していません。2辺が面しているとスムーズにいくのですが・・・

それで、今日はドドッと定期処方の患者さんが来られて、そのほとんどの方が2か月処方を希望されたので・・・・

物凄い量の薬が出ていきました。

その中でも驚いたのがこれです。

一番上のクラシエ防風通聖散エキス錠に注目!!!!

これ、漢方薬にしては珍しい錠剤なのですが・・・・1回に9錠、1日3回内服で1日27錠も飲むのであります。

それを56日処方したら・・・・・

何とナント 1,512錠 

スーパーの買い物帰りみたいな大きなレジ袋抱えてお帰りになりました!!

その他、テレビ電話で診察した知り合いには、宅配便で飲み薬やインスリンを送りました。

新型コロナが、一般診療の姿もどんどん変化させています。

出来るだけ「非接触型診療」に形態を変化させていかねばとは思っていますが・・・・

うーん・・・・なかなかむつかしいです。

1か月投与を2か月投与にしただけで、接触回数は50%削減ですよね。

75%削減にするには・・・・クラシエ防風通聖散は3,024錠投与になるのかぁ!!

うーむむむ。いくらなんでもねぇ!!!

そうそう、防風通聖散って「ポッコリおなかにナイシトール」でおなじみのナイシトールとかコッコアポと中身は同じです。

https://www.min-iren.gr.jp/?p=6849

内臓脂肪に効く!!が売りらしいですが・・・・1500錠がおなかに入ることを想像すると・・・それだけでポッコリおなかになりそう!!!!!


心不全パンデミック

2020-01-09 15:42:13 | 生活習慣病

心不全パンデミックという言葉を耳にされたことがあるでしょうか。

パンデミックというというのは本来は「世界的な大流行」を示す言葉ですが、この場合は患者数の急増という意味で使われているようです。

「心不全」という言葉は病気の名前ではありません。心臓の機能が低下して、体に十分な血液を送り出せなくなった状態を「心不全」と呼びます。心臓のポンプ機能が低下し、肺や全身に必要な量の血液を送り出せなくなるため、他の臓器に異常が起きたり、心臓が正常に働かなくなったりするといった現象が起こります。心臓病以外にも、様々な病気によって心不全の状態が引き起こされることがあります。

老化によっても心不全は出現します。超高齢者に心不全はつきものといっても過言ではありません。

下のグラフで分かるように、心不全患者さんの3/4は80歳以上です。

心不全の自覚症状にはこんなものがあります。

どれも、「歳だから」と言われかねない病状ですね。加齢現象の一つではありますが

でも、心不全なら、ある程度まで改善することは可能です。

超高齢者の場合、昆布茶を飲み過ぎただけでも心不全は出現し得ます。

生活改善だけではダメなときは、服薬治療が必要です。

早めに医師に相談されることをお勧めします。


昆布茶心不全

2020-01-09 15:35:34 | 生活習慣病

パチンコが趣味で、毎日欠かさず通っていた92歳男性が「2、3週間ほど前からしんどい、パチンコにも行けなくなった。」と、来院。医者嫌いで、10数年ぶりの受診だそうで、余程しんどくてつらいのでしょう。勿論何の服薬もされていません。

お歳の割には元気そうに見えますが、ちょっと顔色が悪く、息切れもあるようです。食欲も落ちているとの事。歩くと息が切れし、すぐに休まないといけない。夜の排尿回数も増えたとの事。

診察しました。軽度の貧血があるように思えます。高齢者の貧血は、がんなどの悪性疾患が隠れていることが多く、要注意です。そして、脈拍数が102回/分と増加しています。頻脈です。貧血+心不全?

心電図、胸部レントゲン、血液検査をするときに、生理食塩水でラインをとって。胸部レントゲンで心臓が腫れていて、心不全であろう(慢性心不全の急性増悪)と推測したのですが、心電図では特に大きな異常を認めません。

下のレントゲン写真は、記事の患者さんのものではありません。心不全の治療前後の胸部レントゲン写真です。心不全治療前(左の写真)では、真ん中に写っている心臓が腫れて大きくなっていることが分かりますよね。心臓は、大きいことは悪いことです。

胸痛とか生活の変化とか何かなかったかを聞くのですが、何もないと言われます。酒を飲みすぎていないか、塩分を摂りすぎていないかを聞いたのですが、そんなことはない

しつこく聞いたら・・・・

「そういえば銀行がお歳暮に昆布茶と梅昆布茶をくれてな。美味しいし、体にいいというから毎日何回か飲んどった。」

原因は・・・・銀行がお歳暮にくれた昆布茶でした。昆布茶の半分は食塩です。昆布茶の過量摂取による食塩の摂りすぎ。それを原因とした心不全の新たな出現(または慢性心不全の急性増悪)が原因であろうと推測しました。

その日、点滴の中に利尿剤を追加、明日からは昆布茶やめて。朝一回だけこれ飲んで。と、利尿剤を少量出しました。

数日後、血液検査の結果を聞きに来るように言っていたのですが、来られません。

家に電話したら、ご家族が「じいちゃん、すっかり元気になって毎日パチンコに通ってます。もう、治ったからワシャ行かんと言ってます。」との事。

一週間出した利尿剤が切れても、症状再発しないなら、そのままで良いのでしょう。

元気に暮らしておられる高齢者でも、ちょっとした変化で「病気を発症」してしまうのだなぁと思った次第です。

良かれと思ってしたことが、かえって悪い結果を生むこともあります。適量では体に良いものも、過ぎたるは及ばざるがごとしになったり、ひょっとすると体に毒になるかもしれません。バランスを心がけて、極端なことはしない方が良いと私は思っています。