花粉症の治療の話をさせていただきます。
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まっとうな医者が行う内服薬等で対処困難な重症花粉症に対する注射治療は、2020年より、重症・最重症のスギ花粉症に対して、2月~5月限定で施行可能となった抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)を皮下注射です。
デポステロイドと言われる持続的に効果のあるステロイド剤、ケナコルトAの筋注なのでしょうね。 保険治療ではありますが、認可している厚生労働省も強く注意を促しています。(耳鼻咽喉科学会では、花粉症治療としては長期作用型のステロイドの使用は推奨していません。坂根医院でも花粉症治療としては行っていません。)
厚生労働省の注意です。「デポステロイド筋注は保険で認められていますが、問題は副作用です。 ケナコルトAを1バイアル(40mg)筋注しますと、血中濃度は筋注後3時間でピークとなり、 その後3週間まで有効濃度が維持されます。 一方、血中コルチゾール値は筋注後2週間の間0となり、副腎皮質機能の抑制は3~4週間続きます。 また、排卵に与える影響については、卵胞期初期に投与した場合には排卵は2週間以上抑制され、 再開は3~6週後になると報告されています。2000年に行われました花粉症患者さんを対象とした 調査では545名中12.7%の方が本治療の経験がありましたが、その効果に対する満足度は他の治療法 に比較してむしろ低値であり、かつ1シーズンに3回以上筋注を受けていた方が37.5%もあり、さらに 副作用について説明を受けている方は40.6%にすぎませんでした。他に副作用の少ない治療法が多数 あり、本治療法は一般的にはすすめられません。患者さんの強い希望により使用する場合でも副作用 の可能性、禁忌疾患(高血圧、糖尿病、感染症、緑内障、白内障など)の有無を確認し、十分なイン フォームドコンセントを得る必要があります。 」