命のカウントダウン(健康余命3605日)

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心不全の勉強会

2022-06-04 22:28:21 | 心房細動・心不全
今日は、午後から奈良市のマリオットホテルに行って、滋賀医大循環器内科教授の中川義久先生の「よくわかる心不全~医学部学生模擬講義~」を聞いてきました。
奈良市の中心部に出来た素敵な高級ホテルです。一泊6万円ほどするようで、泊まることは無いと思われますが・・・
初めて訪れたのですが、158室もある大きなホテルなのですね。奈良県は日本一観光客が宿泊しない県という汚名をいただいていましたから、このホテルなどの存在で、宿泊客が増え、周囲の町が活性化すると良いですね。コロナによる規制が緩んできているこれからが正念場だと思います。頑張ってほしいです。
さて、中川義久先生なのですが、奈良県の開業医としては、天理よろづ病院の循環器内科部長として13年間勤めあげられ、よろづ病院の循環器内科のレベルアップをされ、奈良県の医師に対する循環器に対する啓蒙、若手医師の育成など、数多い功績をあげられ、現在、滋賀医科大学付属病院循環器内科教授として活躍されています。
奈良県は現在心筋梗塞の死亡率が全国最低なのだそうです。本日会場でそう聞いたのですが、ネット検索しても平成27年に日本でも死亡率の低い所にいる事は分かりましたが、それ以降の資料はありませんでした。しかし、奈良県の心筋梗塞による死亡率が非常に低いことは確かなようです。素晴らしい事ですね。


お久しぶりに中川先生のお話をダイレクトにお聞きしたのですが、分かりやすさは以前の通りでした。賢い方の話は、難しいことを簡単な事の様に説明していただけます。
今夜のお話は、高齢者社会を迎える日本で今後爆発的に増える事が予想されている心不全の説明と、大きく変化してきた薬の使い方についてでした。

それらの話は専門的なのでここでは略します。私が印象に強く残ったのは、中川先生が心不全患者さんへのACP(アドバンスド ケア プランニング:人生会議)の重要さを強調されたことです。

正直申し上げて、緩和医療以外の勉強会でACPの話が出てきたのは初めての事でした。「生まれ落ちたら緩和医療、生まれ落ちたらACP」などと唱えている私としては、小手先の薬の使い方よりも余程強く心を動かされました。
中川先生は、やはり本物だ!と、思いました。
そして、もう一つ心動かされた言葉があります。「これらの薬を早期から適切に使うようになったら、100歳くらぶの会員に多くの方がなられるでしょう」
うーん、なるほど!!

毎日が綱渡り

2022-02-21 23:41:36 | 心房細動・心不全
昨日は、新型コロナの呼吸不全患者さんを綱渡りで入院していただきました。
今日は、心不全患者さんの綱渡り的な在宅での点滴治療の報告です。
三尖弁狭窄、閉鎖不全、腎不全の超高齢患者さんです。四肢浮腫著明で、ここ数か月で10数㎏体重が増えているそうです。食欲は不振気味ですので、実際には痩せが進行していて、10㎏以上の水分が浮腫として体にたまっているのだと思われます。

全身状態は超不良でして、血圧は殆ど測定できません。触診で40から50程度かなあ? ほとんど触れないのです。四肢浮腫は著明で、睾丸周囲の浮腫も著明です。本日も四肢からの点滴、特に浮腫が比較的マシな上腕からの点滴を試みましたが、全く歯が立ちませんでした。

私達は、強心剤の持続点滴で、事態を何とか改善させたいと思っています。現在、心不全、腎不全が進行していて、尿が全く出ていません。
患者さんは入院拒否、透析は以前から全く拒否の方なのですが在宅での医療行為は受け入れていただけます。2日前の土曜日に初めて往診したときにすぐに在宅酸素だけは入れました。そして、今日月曜日に物品、薬剤がそろったので、医師、訪問看護師、訪問薬剤師がそろって時間を合わせられた夜8時に集合して、静脈からのドブポン持続注入の施行をするべく、静脈ラインの確保を試みました。
しかし、浮腫が著明で、四肢のどこからも全く点滴不可能でした。心不全で怒張している上前胸部の静脈からもライン確保を試みましたが、一旦血管には入るのですが、ベニューラ針を押し進めると、血管が破れて黒く腫れあがりました。最後に、外経静脈を穿刺することにしました・・・が・・・左側では何故か血液が帰って来ませんでした。3回穿刺したのですが・・・血管に入っている様に見えるのですが、血液が帰って来ませんでした。
 これがだめなら腹部に皮下注入するしかない!!なむさん!!
 と、右頸動脈を穿刺!何とか一発で入りました。
それがこれです。写真の上が上頚部、下が鎖骨上窩、右が右肩に向かう下頚部です。
35年ほど医者やっていますが、こんなところから抹消静脈を確保したのは初めてです。ここから、ドブポンという強心剤を最初は2γと言う単位から初めて、状態を見ながら徐々に増やしていきたいと思っています。
全身状態が改善すると良いのですが・・・・どうなるか、手探りの状態です。
この辺りの事情に詳しい方がおられたら、ご指導いただけたら幸いです。

新型コロナ漸増

2020-11-17 23:17:14 | 心房細動・心不全

新型コロナ新規陽性者急増 と、マスコミでは言っているが・・・
私は漸増レベルだと思っている。
漸増レベルに留まってはいるけれど、感染者の平均年齢が上がっていること、地方に広がっていること、重症者が増えていること等、内容は全く良くない!!!中でも心配されることは、介護施設や医療施設での感染が増加していることだ。

北海道の病院で、新型コロナ感染症病棟で、医師、看護師の間でクラスター感染が起きてしまったことは、特別に重要視しなければいけないと思っている。

これが、新型コロナに対して、フルPPEで対処しての感染だったら・・・・
心折れますね。そうではなくて、他のルートから感染した医療関係者からの感染拡大だったら・・・・・まだ 何とか 心に余裕が持てますが・・・

医療関係者の感染は、重症化しやすい方々への感染拡大に直結するので、絶対に避けたいです。そう思って対処しても感染してしまう事にタチの悪さを感じています。イヤーなウィルスですよねぇ!!全くもって!!!!!

オノアクト

2020-09-11 21:36:18 | 心房細動・心不全
 三重大医学部付属病院(津市)は9月11日、同病院の男性医師が約2年間にわたり、実際には投与していない薬剤(オノアクト)を「投与した」として診療報酬を不正請求し、カルテを改ざんしていたとする同大第三者委員会の調査結果を公表した。改ざんは約2200件に上り、不正請求は約2800万円に上る。

この報道に対して、私を始め、殆どの医師が疑問を抱いた「何で、勤務医が、自分の収入に全く無関係なレセプトの不正請求をしたのだろうか?」と

開業医であれば、使ってもいない薬を使いました と、 不正請求すれば、その分、そのままそっくり自分の収入増につながる。

だから、それなら、納得は出来る。でも、今は院外処方が主流になっているし、税務署だって誰でも思いつくそんな方法に対しては、色々な方法で目を光らせている。

それゆえ、この事件で、私の興味は2つ。

1つは、何でそんなことをしたのか?収入増に全くつながらないのに??

2つ目の疑問は・・・・なぜ、バレたのか です

開業医や、個人病院であれば、先ほども言いましたように、使っていない薬を使ったという不正は発生しやすい不正ですので、色々なところで目を光らせていると思うのです。ですが、公立病院でそんなことをしても、得する人は普通に考えるといないと思われるので・・・監視する人もいないと思うのです。

密室である手術室内での手術ミスがバレるのは、ほとんどが内部告発です。
今回も、オカシイ!と、感じた誰かの内部告発ですかねぇ
ひょっとすると、次期教授をめぐる「痛いところの探り合い」で、バレたのかもしれません。

改ざんしていたのは臨床麻酔部の40代医師で、この薬剤の積極的使用を部内に指示していたのは、50代の教授だったとのことです。そして、この40代医師は、教授に良く思われたかったのが動機のようです。

これまでのところ、小野薬品からこの二人に直接的な金銭の授受は認められていないようですが・・・・教室への寄付はあったようです。

 小野薬品の株価、この5日間で下がっているかと思ったら・・・・
 上がっているじゃありませんか!!! 来週は下がるのでしょうかねぇ

薬剤に罪は無いのだけれど・・・



心不全・心房細動の勉強会に行ってきた

2019-11-30 22:13:23 | 心房細動・心不全
いつも大変お世話になっている天理よろづ病院 循環器内科
そこの不整脈を専門に扱われている 西内 英先生のお話を聞きに行ってきました。

心不全、心房細動は、高齢になるにつれ有病率が上がる病気です。
言い換えれば、年を取ると、心不全、心房細動になり易いのです。

高齢化社会となって、心不全、心房細動はどんどん増えています。
今後、爆発的に増えてしまうぞ!!という恐ろしいお話でした。

心臓は正常であれば一定のリズムで血液を送り出しています。1分間に60回から90回程度、ギュッと縮んだりフワッと広がったりしているわけです。縮むときに全身と肺に血液を送り出し、広がる時に全身と肺から血液を迎え入れる。 血液のポンプとして日夜、休むことなく働いてくれているわけです。左心室は1回の収縮で40~100ccの血液を大動脈に送り出します(これを1回心拍出量と、呼びます)。 1回心拍出量を70ccそして心拍数を70回/分と仮定すれば、1分間の心拍出量は4.9L(リットル)となり、1日では7,056Lになります。 これは大体、タンクローリー車1が運ぶ量に相当します。 血液は全身を循環して酸素や栄養分を送り、不要物や二酸化炭素を運んで戻り、腎臓や肝臓や、肺や腸から不要になったものを放出します。

生物は常に自分自身を作り替えながら、ある一定の形態と性状を保っています。それが動的平衡です。生物の動的平衡の根源の指令室はDNA、RNAなのは間違いありません。でも、それと比べるととても低い次元の単純なポンプでしかない心臓ではありますが、それが止まると生命体は維持できなきないのです。
それはあたかも停電時のスーパーコンピューターのようなものだと思われます。
いくら素晴らしい設計の超高額のスパコンでも、電気が切れれば唯のガラクタです。
心臓は、コンピューターにおける電気と同じく、体全身にエネルギーを送り届けているのです。

その心臓の性能が落ちることが心不全であり、品質保証期限が切れてあちこち壊れだしていて、全身に重大な悪影響を与えかねない状態が心房細動と言えるでしょう。

今後、日本全国に、ぼろぼろに性能が落ちた心臓や、品質保証期限が切れた心臓が2025年を期に、ウワッというほど増えてしまうぞというお話、怖いですねぇ。

どうすりゃ良いのか なのですが・・・・

心房細動と診断されたら、早いうちに専門医を紹介してもらいましょう。
時折心房細動が出現する、発作性心房細動なら、2,3回起こった後で、
ずっと心房細動が続くタイプの持続性心房細動の方ならなるべく早め、遅くとも2年以内に、不整脈の発生源を孤立させるアブレーション治療を受けましょう。

今では、アブレーション療法が以前より比較的安全に、短期間で施行していただけます。
長嶋茂雄さんに学べ!!脳血栓症になる前に予防せよ!!

医者は選びましょう。あほな医者に殺されなさんなや!!

どの医者を選ぶか、それはあなたの情報収集能力、感性、そして運にかかっていると思います。

自分の感性を信じ、信じる道をまっすぐに歩んでください。自分が選んだ道に後悔はありません(多分)