インフルエンザが増えています。検出されたインフルエンザの95%がAH3と呼ばれる(昔、A香港と言っていたタイプ)だという事です。
2019年から2020年シーズンに流行ったのがAH1pdm09(2009年に現れた新型インフルエンザとか豚インフルエンザとか言ったやつです)で、その後の2シーズン殆ど流行りませんでした。
多くの方がAH1pdm09に対する抗体を保有しているので、抗体が少ないAH3が流行っているのでしょうね。
でも、流行っているとはいえ、「大したことは無いなぁ」と言うのが私の印象です。
全国の医療機関をこの1週間2023年1月23日~2023年1月29日(2月1日現在) に受診した患者数を推計すると約30.1万人でした
2018年第5週では、全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約282万人 と、9倍以上でした。この頃は、1日に50人近いインフルエンザ患者さんが来院されたものです。
その時のインフルエンザ流行レベルマップがこれです。
その時のインフルエンザ流行レベルマップがこれです。
日本中真っ赤です。以前のインフルエンザの流行は、こんなレベルでした。今シーズンの流行がまだ「大した事の無いレベル」で済んでいるのは、皆さんのマスク着用などの感染症抑制対策が功を奏しているのだと思っています。
今後、新型コロナ感染症(COVID-19)は5類に格下げになります。ですが、新型コロナ感染症(COVID-19)自体が5類格下げで変化するわけではないです。オミクロン株になって重症化率、死亡率は減少しているのは確かです。しかし、重症化率も死亡率も未だにインフルエンザより高いのも確かですし、色々な後遺症も報告され続けており、インフルエンザ並みの疾患だとは私は感じておりません。
今後、マスク着用等、本人任せになる局面が増加します。貴方を守るのは、貴方の知識であり感性であり、抵抗力です。上手く立ち回って下さい。
日本も、社会に庇護され、皆と同じように動いていれば何とかなって来たこれまでの在り方から、国際化の中で「自己責任」の影を引きずりながら自己判断のもとに自立して動くことが望まれる社会へと脱皮しようとしています。
私は、今後も人ごみではマスクを着用します。必要が無ければできるだけ混雑した所には出かけないようにしたいとも思っています。
インフルエンザ対策も新型コロナ対策も同じです。中国で証明されたように、周囲に感染者が密になれば、マスク着用も無意味なのかもしれません。でも、ウィルスの濃度が濃くなければ、マスクは有効です。それは、新型コロナ病棟で証明されていますし、私も日夜証明し続けているつもりです。この2年間で2000例以上のCOVID-19患者さんと対面し、検体を採取し続けて来て、私は未感染ですから。
何度も何度も言っておりますが、自衛してください。そしてもしかかった時の為に、抵抗力を高める様ワクチンを3回は接種したり、健康維持に気を配って下さい。そして、重症化因子を持っておられる方は、重症化を阻止する経口薬(パキロビッドパックorラゲブリオ)を処方してくれる医療機関を探しておいてください。探す方法が分からなければ、保健所や医師会に問い合わせをするのが良いかと思います。