インフルエンザは勿論、ほとんどの風邪の原因が細菌ではなくウィルスであることは皆さんご存じなのだと思う。しかし、風邪をひくと、「マイシン」を希望される方は多い。ウィルス感染に抗生物質、抗菌剤は無効であるばかりか、有害であることも多い。
風邪やインフルエンザに抗菌薬を投与しても無駄であるばかりか、肝障害や皮膚がただれたりするスティーブンス・ジョンソン症候群やTENと呼ばれる重症型の薬疹に罹患し、生命の危機にさらされることすらあります。
私は、過去に小学生の患者さんの急性胃腸炎に対し、ホスホマイシンとカロナールを処方してTENを発症させてしまったことがあります。一時期本当に助かるかどうかわからない状態であったけれど、入院させていただいた病院の懸命の治療もあって、今では爪に変形が残っているくらいで普通に生活をされ、成人になられています。
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4036
私は、過去に小学生の患者さんの急性胃腸炎に対し、ホスホマイシンとカロナールを処方してTENを発症させてしまったことがあります。一時期本当に助かるかどうかわからない状態であったけれど、入院させていただいた病院の懸命の治療もあって、今では爪に変形が残っているくらいで普通に生活をされ、成人になられています。
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4036
必要もないのに抗菌剤を投与することは、厳に戒めなければならないと思っています。
そして、無駄な抗菌剤投与は、抗菌薬が効きにくい「薬剤耐性菌」が発生する恐れを増す上に無駄な医療費を上乗せすることにもなります。なので、政府も抗菌薬の使用の適正化、無駄な投与を減らすよう啓発しています。
風邪で医療機関を受診した患者に抗生物質(抗菌薬)が処方された割合は、2017年度では奈良県が48.9%で最も高く、福井県が26.6%で最も低いことが30日、全国健康保険協会(協会けんぽ)が初めて実施した都道府県別調査で分かった。全国平均は35.9%で地域差が目立った。
奈良県の医師は何を考えているのだろうか?
奈良県の医師は何を考えているのだろうか?
と、天に向かって唾を吐いても始まらない。
私が親しくしている医師たちは、風邪での抗菌剤処方は1割以下だと言っているし、私もその分類に入る。
風邪と言われる状態で、抗菌剤処方が全く無駄だと言っているわけではない。
風邪です と受診される方で溶連菌感染症の扁桃炎の方もおられるし、細菌性の気管支炎、中には肺炎の方もおられる。
風邪と言われる状態で、抗菌剤処方が全く無駄だと言っているわけではない。
風邪です と受診される方で溶連菌感染症の扁桃炎の方もおられるし、細菌性の気管支炎、中には肺炎の方もおられる。
しかし、抗菌剤投与の必要な患者さんは、1割に満たないと私たちは考えている。
「抗生物質(抗菌薬)の国内販売量が減少傾向にあり、 昨年は5年前と比べ10・7%減ったことが、国立国際 医療研究センター(東京)の集計で分かった。 AMR(薬剤耐性)臨床リファレンスセンターの具芳明 情報・教育支援室長は「本来抗菌薬が不必要な風邪 などへの処方が減った結果とみられる」と分析。 16年まで横ばいだった販売量は17年に13年比で 7・3%減少。18年はさらに減った。」のだそうだ。
政府は、抗菌薬が効きにくい「薬剤耐性菌」の拡大に歯止めをかけようと、不必要な抗菌薬使用を減らす啓発などの対策を2016年から進めている。
集計したAMR(薬剤耐性)臨床リファレンスセンターの具芳明情報・教育支援室長は、販売量減少について「本来抗菌薬が不必要な風邪などへの処方が減った結果とみられる」と分析している。
販売量は薬の卸業者の販売データを基に13~18年について算出した。医療現場で実際に使われた量と同じではないが、大まかな傾向をつかむことができる。
その結果、16年まで横ばいだった販売量は17年に13年比で7・3%減少。18年はさらに減った。
抗菌薬の種類別に見ると、セフェム系の飲み薬が13年比で18・4%減、マクロライド系が18・0%減、キノロン系が17・1%減など。フロモックス、メイアクトは、セフェム系の飲み薬です。あとで述べるクラリス、クラリシッドはマクロライド系、クラビット、レボフロキサシンはキノロン系に属します。
この3種類は、幅広い種類の細菌に効果がある「切り札」的な薬だが、国内では、ウイルスが原因のため抗菌薬が効かない風邪の患者らにも漫然と処方される例が多いと指摘されている。
その代表格の薬が表題にあげたフロモックスでありメイアクトです。こんな薬を感冒様症状患者にやみくもに出している医者は〇〇医者と言われても仕方ないとは思います。(〇〇医者以下のタケノコ医者というのもあるらしい)
その代表格の薬が表題にあげたフロモックスでありメイアクトです。こんな薬を感冒様症状患者にやみくもに出している医者は〇〇医者と言われても仕方ないとは思います。(〇〇医者以下のタケノコ医者というのもあるらしい)
政府は16年策定のAMR対策行動計画で、20年までにこれら3種の使用を13年比で50%削減するとの目標を掲げている。
具さんは「薬の処方の習慣を変えるには時間が必要なので、減少はまだ続くと期待している。目標に近づけるよう啓発にさらに力を入れたい」と話している。
ここで、世界に目を向けましょう
ここで、世界に目を向けましょう
WHO、抗生物質の使用量に関する報告書発表
WHOから世界各国の抗生物質の使用量に関する初めての報告書が発表されました。
世界65の国・地域を対象としたもので、千人当たりの一日の使用量(DDD)が最も多かったのはモンゴル(64.41)、最も少なかったのはブルンジ(4.44)となっています。
日本のDDDは14.19で、欧州地域平均は17.19です。
へえ!!日本って相当抗生物質使い過ぎの国だと思っていたけれど、大したことないやんか。ヨーロッパ以下なの??と、驚きました
へえ!!日本って相当抗生物質使い過ぎの国だと思っていたけれど、大したことないやんか。ヨーロッパ以下なの??と、驚きました
抗生物質の使用量に関する報告書はWHOのウェブサイトをご覧ください。
世界抗菌薬啓発週間(WAAW)についてはWHOのキャンペーンサイトをご覧ください。
平成30年11月13日
公益社団法人日本WHO協会 事務局
http://amrcrc.ncgm.go.jp/surveillance/020/20190902163931.html
薬剤耐性菌に対する話は別にします。
公益社団法人日本WHO協会 事務局
http://amrcrc.ncgm.go.jp/surveillance/020/20190902163931.html
薬剤耐性菌に対する話は別にします。
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