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花粉症の治療1(減感作療法)

2021-02-11 19:39:49 | 治療薬
花粉症の季節ですね。沖縄、北海道を除く日本各地では5割以上の方が花粉症の自覚があると言われています。

奈良県でも先週位から飛び始めたようで、スギ花粉症持ちの私、くしゃみ、鼻水、鼻づまりと、鼻炎症状そろい踏みです。目のかゆみなどの症状はまだ出ていません。

スギ花粉症はヒノキ花粉症と関連が深く、どちらも持っておられる方が多いですが、どちらに強く反応するか、個人差が大きいようです。そして、どちらの花粉が多く飛散するか、地域による差も大きいとも言われています。

その昔、私は血液検査のアレルギー検査(特異的IgE検査)で、スギ花粉が振り切れるほどひどく、ヒノキ花粉、ダニにも相当強い反応を示しておりました。通年性のアレルギー性鼻炎を持っている上に、春先になると症状が悪化して息が苦しく感じたほどでした。

スギ花粉に対する症状がひどかったんです。抗アレルギー薬、点鼻ステロイド薬を使っても症状が収まらなかったので、コールタイジンスプレーという「禁断の」血管収縮薬を多用していました。とても良く効くのですが、常用すると、肥厚性鼻炎という別の病気を来すことがあり、手術が必要になることもあって、「禁断」の薬だと私は今でも考えています。
そんな事もあって、30年ほど前、病院の勤務医をしていた時に減感作療法を受けました。(受けたと言っても、殆ど自分で注射していました)

今では、減感作療法薬として、舌下の治療薬も認可されていますが、当時は注射薬しかありませんでした。当時の職場の仲間3人で同時に開始しました。
 減感作療法と言うのは、アレルギーの原因になっているスギ花粉やダニなどのアレルゲン(アレルギーの原因物質)を、皮下注射、または舌下投与により体を慣れさせていく治療方法です。
 皮下免疫療法の場合、アレルゲンの皮下注射を繰り返し行うことにより、舌下療法では薬を舌の下に1分間保持、その後5分間はうがいをしたり飲食することは出来ません。舌下療法は皮下注射より効果として優れていると言う報告はありませんが、一定の効果は認められており、手軽であり、副作用も大きくないと言われています。兎に角、注射に通院する必要がありません。
数年間かければ根治療法になり得るといわれている、体質改善を期待する治療ですが、注射治療はとても面倒ですし、舌下療法ですら相当に面倒なので、あまり普及していません

 原理としては、患者さんのアレルギーの原因となっているアレルゲンエキス(製 剤)の注射(舌下)をごく少量から開始し、少しずつ量を増やしていき、アレルギーが起きないように体を慣らし ていきます。アレルギーの原因になっている物質を体に入れるので、時に強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があります。それでもあって(何より面倒)皮下注射による減感作療法は、わが国では拡散せずに廃れていきました。

私の場合3人の仲間と共に、週3回の注射を続け、徐々にアレルゲンの濃度を濃くして行って、14ケ月ほど続けました。症状が少しづつ改善してきているねと話していた頃、より1段ステップアップした濃度の注射を始めた日、仲間の一人がアナフィラキシーショックでいきなり倒れました。私が注射をしたのではありませんが、私の見ている前で、ものも言わずにバタリと倒れました。何が起こったのか分からず、周囲はパニックに陥りました。とはいえ、病院の中でしたから、ただちにきちんと対応し、5分後には意識回復されましたが・・・3人の注射減感作療法は、それで中止になりました。それ以来、私は、患者さんに対しても注射による減感作療法は施行しておりません。舌下療法による治療は、講義も受けたので、施行できるのですが、今のところ希望者がおられません。3年から5年続けるという気の長い治療なので、積極的に勧める気になれません。

 兎に角、今日は、花粉症に対する治療のひとつ、減感作療法の話でした。
 花粉症の減感作療法には現在、舌下療法と 皮下注射療法の2つの方法があります。どちらの治療もアレルゲンを体に入れるので、アナフィラキシーの可能性があります。(舌下療法では、1億分の1 らしいですが・・・)根治になり得る治療法ではありますが、気長に続ける必要がある・・・故にまじゃーな治療にはなり得ないだろうなぁと、私は個人的に感じております。

私個人としては、14か月の皮下注射によるスギ花粉減感作療法、効果はあったと感じています。重症から中等症になりました。ひどい時は両側鼻閉で口呼吸しかできなかったものが、最近は鼻閉があっても片側で済んでいます。(コールタイジンスプレーを必要とすることは無くなりました)くしゃみ鼻水もひどい時に比べたら相当改善しています。アレグラまたはルパフィンは常用しておりますが・・・・

花粉症には減感作療法以外にも手術治療、薬物療法(内服薬、点眼薬や点鼻薬などの外用薬、注射薬)があります。その話は、またの機会に!!



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