湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

片割れ月

2017-09-30 11:03:17 | ポエム
映画『君の名は』で
夕暮れを『片割れどき』とある
この世とあの世が交わる時間帯
映画の2人が出会うシーン。


ふと、夜空を見上げたら
ちょうど 『半月』


夜の半月のお月様をみていると
半分になったハートのネックレスを
昔に恋人達が持っているということが
トレンドだったような時代を思い出した。


『片割れ月』


半分になったお月様
その半分は、
たんに影に隠れて見えないだけなのだけど。


そんな呼び名があるのかと
調べてみたら
古い時代の言い回しで
和歌が詠まれていた


昔々の人達は
本当に風情があったのですね




『逢ふことは かたはれ月の雲かくれ
おぼろげにやは人の恋しき』 (拾遺集)


(訳)
逢いたい人が、まるで月が雲に隠れるように姿を消してしまった。
朧気で儚い月夜の風情を見ていると、ますます人の恋しい。
出会いの半分は、別れの半分だという意味かもしれない。


アニメ『ワンピース』にも
登場したという、この和歌。


私の知識には
乏しい分野で
知る人ぞ知る、、ていうことか。


私は
半月をみて
ただ、『ああ、片割れ月だ』と
無くした半分を
誰かになぞることで
夜空を見上げることにしょう







誰かのリストアップされてるもの

2017-09-29 11:56:51 | ポエム
今日は真っ青な青空
鼻歌も出てきちゃうほど

そう〜
♪ 空は青く澄み渡り
僕らは海を目指して歩く〜♪

パタンと
母のいる部屋に入った途端に
驚きの顔があった
『アンタ、だれ?』

そうかそうか
そう来たか〜


数日前は
洗面室で
倒れて私の腕の中

目を見開いて
一瞬呼吸が止まったかのように
その名を呼んで引き止めた


あわや天国に呼ばれたかと思った
その母の目に
再び光がさして
もう一度人生の巻き戻しがおこったというのに


今日は、その救いの顔を忘れた?


じゃ、夜中に
ベッドで髪を撫でながら
寝かしつけたことも忘れちゃった?


毎日、
ツッコミどころ満載で。


けれど
もう、どうでもいい。


ただ、
誰かの何かの
リストアップされたものがあるとしたら
多分、その上位に
いるであろうものが
輝ける第1位となるまで
どうか私の世話を
できるだけ受けてください


ご機嫌よろしく
辛さも軽減されるなら
私はどこかのスタッフでも
あなたの妹でもなんでもいい


お利口にしててね
そうそう
パンを頬張るその笑顔で。


私は幼稚園の先生か!



そんなふうに
毎日、元気にしてますよ、わたし。


今日も、ガンバッペ〜♪
(有村架純さんふう〜で)笑







解けた魔法の後の雨

2017-09-28 13:43:26 | ポエム
今日は朝から
大粒の雨が
窓をたたいてばかり


気にはなるけれど
誰にもどうすることもない
夜のように暗い朝だった


きっと貴方は
スマホの画面を
眺めながら
『大雨なんだね』って
ため息の一つと
昨日の会話のやりとりと
私の酷い言葉も
思い出したりしているのかしら


こんなお天気の日は
お洗濯をしても
干せなくて


窓の隙間から
覗きこむように
私は空を見上げてるしかなかったの


そうしたら
貴方から
歌が送られてきた


雨は
もう止んでいた



魔法はいつか覚めると僕らはしっている

虹が架かる空には
雨が降ってたんだ

虹はいずれ消えるけど
雨は草木を育てていくんだ

いつか虹が消えても
ずっと僕らは空をみあげてる
きっともう大丈夫 ♪



そうよね


私達が一緒に見た虹は
消えてしまっても
私達が育んだ心の大地には
小さな芽がでて
これから育っていくんだものね


そうよね
きっと大丈夫だよね


あの虹の空を
忘れないで歩いていける



























サヨナラありがとう

2017-09-27 13:56:03 | ポエム
何にでも『ありがとう』と
感謝したならば


神さまは
喜ばしてやろうと
『ありがとう』の気持ちをもっと
感じるように
差し向けて下さるそうだ


時として
人は
『こんにちは』をするために
『サヨナラ』もしなければいけない時がある


故意か

必然か


厳しさの向こうに優しさがあったり
悲しさの向こうに本当の意味があったり


大切にしていても
サヨナラの時は両手を広げ
引き寄せる時は
この胸いっぱいに
抱きしめなきゃいけない


ゴロンと人生のターニングポイント


ありがとう
サヨナラ
こんにちは


そう
サヨナラもあり
こんにちはもある


そして
両方に
『ありがとう』がある






人生の閉じられ方

2017-09-26 10:17:06 | ポエム
母がまた倒れた
崩れ落ちる寸前を
私が後ろから抱きとめて

そのまま床に
私が抱きしめたままの格好で

母はガクガクと
唇が動いたあと
そのまま止まり
目は見開いたまま
もう、何もうつしてはいない

母の名を呼び
耳元で
『大丈夫よ、私が居るから』と
何度も叫んでいた
これで最後か?
娘の私が抱きしめたまま
逝ってしまうのか
それならそれで
ありかもしれない


しばらくすると
目に光が差し込んだように
パァーと顔色が戻ってきた
何事もなかったように
起き上がろうとする母


きっと
これまで
何度もどこかの際まで行って
怖くて立ちすくみ
私の声で引き戻ってきたのかもしれない


私は
ちゃんと
そこまで、
その瞬間まで
寄り添えていけるのだろうか


できるなら
この腕から
光の指す方からやってくる使者に
優しく引き渡してあげたい


この先は神様しかわからない


夕暮れの湖面の光の道
とある条件が重なった時にできるように

人の人生の閉じられ方もまた
とある条件が定められているのかもしれない。