大陸旅遊倶楽部的日記

三国志・水滸伝・史記の旅と中国茶のほかモロモロ…

龍井茶のこと 其の二 ~龍井問茶~

2005年06月07日 | お茶/中国茶
杭州で飲む龍井茶は絶品です。特に龍井村のお茶農家で飲ませていただくものは、えも言われぬ芳醇な香りとコクのあるまろやかな味。丈長のガラスのコップ(イメージ的にグラスというよりコップ(笑))に、袋から鷲づかみに出した茶葉を入れ、魔法瓶からゴボっと湯を注ぐ。そのぞんざいな淹れ方(笑)とは対照的に、繊細で爽やかな風味は、これ以上の贅沢はないと思わせてくれます。やっぱり産地の水で淹れたものだからでしょうか。龍井問茶というには龍泉(龍井泉)の水で煎れなきゃいけないんだろうけど、龍井村の水でも大して変らないだろうと思ったりして…。好きで飲んでる程度なので、それほど味覚に自信もないし(笑)。
帰国後、お茶農家で分けてもらった龍井茶を煎れてみたら、全然味が違う…。
「同じ茶葉なのに、やはり水道水のせいかなぁ」なんて考えながら、ミネラルウォーターを使ったり、色々試行錯誤の結果、5年前は「ビッテル」で淹れるのが一番「龍井村の味に近い」なんて悦にいってたのですが、結局は茶葉の量の問題でした。龍井村の水で煎れると、茶葉の量が多くてもそれほど濃くはいらない感じなんですよ。まろやかというか何というか、上手く表現できないのですが、味と香りにまとまりがあっていい感じなんです。農家のおばちゃんの「鷲づかみ(笑)」のイメージが強くて、日本の水でもその量を基準に入れていたのですが、実際はそれより少ない茶葉でよかったのです。茶葉の量が判れば、水道水でも結構美味しくはいります。(…早く気づけよって感じですね(苦笑))
写真は龍井村の農家で試飲後の獅峰龍井明前、明後。緑茶は清明節前に摘まれたものが珍重されますが、個人的には、明前より明後の方が味に深みが出るので好きです。…飲む前の写真を撮っておけばよかった(^_^;)

龍井茶のこと 其の一

2005年06月07日 | お茶/中国茶
新茶シーズンなので、先ずは、龍井茶のことなど書いてみようかと思います。昔々のお話ですが…。中国の列車は長距離のものが多い為、主に軟臥、硬臥、硬座とランクが分かれていました。日本的に言えば軟臥はA寝台(…でいいと思うが、乗ったことがないので定かではない)、硬臥がB寝台、硬座が普通車。そして稀にあった短距離列車に軟座(グリーン)車がありました。今はレジャー、ビジネスで主要都市近郊を結ぶ、中短距離列車は多いですが、当時は少なかったのです。
軟臥、軟座は一等車ですので、料金も高いですが、一般車両より空間的に優雅な旅が約束されています。そして、バリバリの共産色強い当時でも、少しだけサービス(?)が受けられました。
西安付近で軟臥に乗ったときのこと。
「お茶要る?」列車が発車して間もなくお茶葉を売りに服務員がやってきました。茶葉は2角(0.2元、当時12円)。珍しく、花茶(ジャスミン茶)ではなく緑茶(龍井茶)でした。お茶を頼むと陶器の蓋つきマグカップがレンタルされ、一煎目は服務員が煎れてきてくれます。ただマグカップに茶葉とお湯を入れるだけですが(笑)。中国の列車は給湯室つきなので、お湯は飲み放題。軟臥にはコンパートメントに魔法瓶標準装備。軟座ではヤカンを持った服務員が定期的にやってきてお湯を継ぎ足してくれます。
当時龍井茶といえば、たまに泊まるホテルのツインにサービスで置かれたティーバッグものしか知りませんでした。しかもかなり不味い感じの。クズのお茶でなく、ちゃんとした茶葉で淹れればおいしいのかもしれないなどと思いつつ、列車の龍井茶に挑戦したのですが、石灰臭い西安近郊のお湯で淹れた龍井茶が美味しいはずも無く…。
「龍井茶って不味い!!」という結論に達したのでした(苦笑)。
(写真は最近の列車で販売している「龍井茶」杭州~上海ラインのは結構イケます。プラスチック容器になってしまったのが残念。)