その昔、中国で恐れられていた(…というか、仲間内で恐れていた)もの
といえば、「開かずの踏み切り」 と「開かずのトイレ」。
「開かずの踏み切り」は、上海市街から虹橋空港に向かう途中にあった踏み切り。
当時は高速道路もなかったので、上海市街から空港へ行くのに
必ず通る踏み切りがあった。
この踏み切り、一度閉まると20分は開かず、かなりの時間を費やすことで
有名だった。飛行機の時間が迫っている時など気が気でない。
どこもそうなのかもしれないが、
中国の貨物列車は特に長く、目撃した最長の列車は53輌。
53輌も続く貨車を、SL2台でトロトロ引っぱっていた。
「開かずのトイレ」は長距離列車のトイレ。
中国の列車のトイレは垂れ流しなので、停車中は使用禁止。
停車駅が近づくと、服務員はトイレに鍵をかけてしまう。
通常は発車すると鍵を開けてくれるのだが、この鍵を開けるという作業を
忘れる(?)服務員がいる。
最悪だったのは、86年の広州~杭州。
我々が乗った軟臥車輌の女性服務員は、閉めたトイレの鍵を
自発的に開けてくれたことは、一度もなかった。
という訳で、我々はトイレに行きたくなると、
トイレの前で彼女が通りかかるのをひたすら待ち、鍵を開けてもらって
いたのだが、更に酷いことには、我々がトイレを出ると
彼女がその前で待ち構えていて、再び鍵をかけて去っていく。
待ち伏せされていたのが気に入らないのか?
……トイレは使わせないぞ!!
という意気込みさえ感じるほどだ(笑)
この体験は、「軟臥開かずのトイレ」として後々恐れられることになる。
▲車内販売/ワゴンにはジュースやお菓子、朝食のお粥。
話しは戻って、夜が明ける少し前、朝食の車内販売が始まる。
通路の補助椅子に座って、何度か車内販売のワゴンが横を通るのを
眺めていたのだが、朝食にお粥を販売していることが判った。
二つ前方のコンパートメントで、
「お粥が10元(200円)なんて、高いんじゃないか」と言っていたからだ。
車内販売の朝食、お粥はどんなものか。
お粥なのに10元…よほど良いおかずでもついているのか?
いや、車内販売だから普通のお粥でも高いのか。
とりあえず、どんなものなのか確認したくて、ワゴンの服務員に
購入希望をアピールする。
お粥を注文すると服務員は、500ccは入ろうかという紙の器に、
寸胴から熱々の水っぽい白粥をなみなみとよそって、
おかずと思しき紙パックと共に渡してくれた。
さすがに10元だけあって大盛りだ(笑)。
おかずセットには饅頭(マントウ)と謎の漬物の千切り、ゆで卵が入っていた。
白粥の器には、キティちゃんをパクッたキャラクターがプリントされている(笑)。
謎の漬物は、醤油漬けのシャキシャキした野菜で、唐辛子の辛味がピリッと
利いていて白粥にはベストマッチ 。
漬物に、ゆで卵に、水っぽいお粥
その昔、田舎の招待所で出された朝食のようで妙に懐かしい。
顔の映るような水っぽいお粥が好きなので、私的には結構イケてる朝食だ。
▲お粥セット ▼パクリのキティちゃん
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