午後いなくなっていてくれ、と思いながら見に行くと結局水路からは脱出できず絶命していた。
この陽気。一日ほっておけば悪臭をはなち始め、それこそ近寄れなくなる。こんな田舎で市役所なんかいちいち来てくれない。
夕方よしのぶ爺さんに手伝ってもらっていけた。
このあたりでは、土に埋めることを「いける」と言う。
冬場の保存のために、しょうがや里芋を地中に保存しておくこともそう言う。
足をロープでゆわえて、軽トラで引っ張り出して、あとは二人で引っ張って、穴を掘っていけた。100キロはあるということで、重たかったッス。腰が痛い。綱引きだった。メスのイノシシだった。最後にうちのタケノコを食って、水をたらふく飲んで亡くなった。
昼間に群れを離れて、イノシシが人里に出てくるのは珍しいみたい。
よっぽど山に食べ物がなかったのか、苦しかったのか・・・・
かなりの高齢だったようだ。何年生きたのかはわからないが、いずれにしても彼女が最後に見た人間は僕だった。
嗚呼シティボーイに戻りたい。