タイで子連れ狼

何の因果か運命か、異国の地にて親父単独で二人の子を育てることに。

さあ大変の、てんやわんや育児&生活日記

無限ループ  その②

2018-11-26 09:54:57 | 思った事 考えたこと
止めたくとも止められない無限ループ?
その1→ https://blog.goo.ne.jp/chiangmai2016/e/0f33cee8d6a5b035c8a81ce334a3ac9a


そんなことで、責任者のLHから丸投げされた問題を解決する方法はこれしかなかろうと
大幅な収入増しを提示することでエース作業員のMAIを残留させることに成功した。

巧妙に仕組まれているような気もしないではないが、真面目に大人しく働くMAIを見て何事もなかったような気分になり、「どうせ深読みしたって、なるようになるしかないさ」と自分を納得させた。


そして半月後、またしても突然にMAIが消えた


「どうしたってんだ? 彼女はすでに高額所得者なんだし連絡の一つもないってのは変じゃない?」

「さ~私が電話しても通話に応じませんからね!、ブアさんとピムからなら通話に応じますよ」

待ってましたとばかりに即答するLHには違和感を覚えるが、二人ともオールドミスの領域に差し掛かっているだけに近親憎悪の感情でも湧いたのだろうか、この二人の関係がのっぴきならない状態にある事が知れた。


そして五日後にLHから報告があった、

「恋人のMU(オナベ)から連絡が来ました、MAIは虫垂炎で手術したそうです」

「ブアさんとピムは昨夕見舞いに行きましたよ、私には来なくてもいいと話したらしいけど、どうします?」

「ん・・・手術した?!」  思わぬ展開の衝撃に固まっていると

「どうします? 行くなら私も一緒に行きますが?」、そう答えを迫るLHの顔は明らかに出動を促している。

「だいたい責任者のお前が先に知らないのが変だろ、欠勤の連絡一つよこさない高給取りの見舞いに行けってのか?」
そんなLHへの皮肉が喉まで出かかり、グッと飲み込んだが、
「なんてチョークマイディー(アンラッキー)なんだ」という落胆はグッと飲み込めなかった。

―アメージング、ここはアメージング・タイランドなんだ―
そう呪文のように自分に言い聞かせ、見舞い用の果物をムアンマイ市場まで買いに出かけた。


チェンマイの台所ムアンマイ卸売り市場 青菜は一束5バーツ(17円)から


カラフルな果物ゾーン、値段は1Kg表示


ランナー病院の個室のベットに横たわるMAIは、点滴の効果か以前よりはふっくらとして顔色も良く見えた。
腹には縦に10㎝はあろうかという傷痕を見せてくれたが、あれだけどす黒く毛険しい表情だったMAIがスッキリ爽やかな笑顔になっている。
こりゃ毒吐くわけには行かんわと思い、さっきまでの怒りの気持ちは何処へやら
「良かったね~、なにも心配しなくていいからサバーイサバイで元気になってね~」と元気付けた。

そんな私を据えた目で観察するLHが目に入ったが、そんな刺すような目線は無視するしかない。
内蔵が悪いと情緒も不安定になるというし、手術がうまく行ったのなら同時に仕事への情熱も回復するかもしれないと思った。
そして人知れず、―もう今年の業績は捨てるしかないな— と覚悟を決めた。


爽やかな笑顔のMAIと、青ざめた引きつり笑顔のmuga


そうは言っても予定を立てねばならないのが運営のツラさ
見舞いに行った帰りに自動車の中でLHに質問した
「MAIはいつから出社できるのかな?」

すると、とんでもない返事が
「ええ?? そんな事は聞けませんよ」
「いつから出社できるかだなんて、誰だって聞くことはできません」

「は?? 、それってどういうこと?」

病状に苦しむ人間に対して仕事の催促なんて非人道的じゃないですか?
そうLHの表情は明らかに訴えている

「そうですねぇ、一か月後かもしれないし、二か月後かもしれないし?」
「それは彼女次第でしょう」

彼女次第・・・

「なるほど、会社には選択権が無いというわけか……、」

遊んでんじゃねーぞ!、会社は学校じゃない、予定くらいなら話せるだろ!
出社時期は誰も聞けない?、そんなルールいったい全体、


誰が決めたんだ!?


そのセリフもグッと飲み込んで次の質問を冷静に

「キミの子宮筋腫の手術の後は何日後に復活したっけ?」

「私は・・、20日で出勤しましたよ!痛がりながら働きましたからね、フン」

まあ確かに、LHに負担を掛けているのは確かだが、MAIのドクターは一ヵ月の療養を勧めていたというから来月からの復帰希望を伝えたにすぎない。

「じゃあ、できれば一か月後の復帰をお願いしてくれない?」

呆れたような顔になったLHは、「なんて非人道的な」とも言いたげな鋭い目線を私に向けて返答した

「mugaがちょくちょく見舞いに行ってあげれば、もしかして早めに復活する気分になるかもですね、フン」

「痛いんですからね、ワタシャ最低でも二か月間は来ないと思いますがね、フン」


「気分?」 そんな問題なのか? 

俺はいつ頃から出社できそうか?と質問したんだから、状態はどうなってんのかオマエがちょくちょくなんだよ

ちょくちょくMAIに連絡してればいいんだよ!
ったく、なんでいちいち自分のアピールと責任のすり替えに持ってくんだか…

そんなセリフもグッと飲み込んで、
当事者意識の感じられないLHには何を話しても平行線なので会話を強制終了した。


しかしこまったなぁ…、昇給したと同時に病休、それも一か月以上…( ノД`)トホホ


結果的に報酬額がマネージャーのLHと肉薄するほどの金額となったMAIであるが、それはドタバタ劇への対処療法的な施策として想定内ではあった。
そもそも次世代の人財育成を頑なに拒み続けたのはLHなわけで、新人参入を拒む労働者たちの意向には逆らえずにマリオネット化した跳ねっ返りともいえるが、
本人といえば不手際があるたびに役人職の辞意を申し出るため責任追及などできようはずもなし。

しかもシロートを一端の職人に育てるのが、いかに困難な挑戦なのかを知っている身としては、辞められるよりは良かろうと自分を納得させたうえでの決断だった。


しかし、自分以外の人間は納得していないって事までは、


当たり前的に考えが至らなかった



なぜ当たり前的かというと、1バーツも出資してないし自腹も切らない人間が、なぜ会社の決断に口をはさんで掻き回すのか、それが理解できないからだが
やっぱりお約束的に、そのMAI残留策が後にとんでもないトラブルに波及した。

大げさにドラマ表現するなら、もう「組織の崩壊の危機」といっていいくらいの大津波を被る緊急事態へと繋がるのであるが、その続きはまた~~~

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2 コメント

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支那系タイ人のやり方 (メンカーム)
2018-12-02 09:45:52
支那系タイ人の従業員の使い方を見てますが、
多くは余分に人材を配置し、辞めれば次々と入れていく。
お前が居なくても替わりはいくらでも居る状態なのですが、
技術職だと技術の蓄積が必要ですから、そう次々と入れ替えてはロスが大きすぎる。
建設業だと成長したら独立させて下請けさせてますね。
私が行く車の電気系修理の専門店は従業員の入れ替えが殆どありません。
先日修理を待っている間に、40代後半に見える従業員へなぜ独立しないか尋ねてみましたが、
帰ってきた返事は
「独立も試みたし、海外出稼ぎにも行ったが、
修行の恩があるので呼ばれたら断れない」でした。
タイの庶民にもそういう考えを持つ人が居るのですね。
まあそれなりの待遇はやっているのでしょうが・・
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Re:支那系タイ人のやり方 (muga)
2018-12-02 11:46:06
メンカームさん、おはようございます。
確かに華人では子供の頃から仁や義、恩や孝を教えられてるようでネイティブタイとは違う価値観で生きているように感じますね。
こちら華人の知り合いでも、大陸的とはいえ詩情を解せる人がいるようです。

息子が生まれる少し前からスタートした事業ですから、数年間は何も分からない手探り状態での運営により数多くの失敗をしました。
総数100人は下らない人間を採用して、中には独立を企てた人もいますけども、大概は数年待たずしてポシャります。
理由はマーケットが限られているのと、強力な競争相手に打ち勝つだけの持久力や胆力に掛けているからでしょう、始めるのは誰にでもできるのです。
また独立する時は不義理が慣習ですので、下請けでもいいからと頭を下げる人は皆無ですね。
そこにも潔く負けを認めて謙虚に学ぼうという姿勢は見られませんし、まず世話になった人への感謝がない(笑)
しかも泥に塗れながら続ける覚悟もありませんから経営者としての素質は技術者としての素質とは違うようですね。
育てた人材の中で、うまく独立して鬼のように利益を上げているのは元嫁だけってのが悲しいところ(TдT)
しかしメンカームさんはマスコミのインタビュアーされてたら政治家からビシバシ話を引き出せる才能がありますね、多芸多才がウラヤマシイ!!
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