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観劇の感想もろもろな備忘録
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『雨』ストーリーと感想

2021-10-09 16:33:34 | 劇場・多目的ホール
こまつ座 第139回公演『雨』を所沢ミューズ マーキーホールにて、10月8日(金)13:30開演を観劇しました。


ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【作】
井上ひさし


【演出】
栗山民也


【出演】
山西惇、倉科カナ、久保酎吉、石田圭祐、木村靖司、土屋佑壱、櫻井章喜、前田亜季、花王おさむ ほか


【ストーリー】
「行方不明の旦那様」に瓜二つと、東北羽前国平畠藩の紅花問屋の当主喜左衛門にまつり上げられた、江戸の金物拾いの徳。
莫大な財産と美貌の新妻を目のあたりにして、本物の当主になりおおすべく、色と欲との二股かけた必死のお芝居の始まり。東北弁もマスターし、邪魔者は消して、大願成就と思いきや…。根なし草の徳を襲うどんでん返しの運命とは…。


【感想】
客入れの音楽はなし。
美術はとてもシンプル。黒の背景に土砂降りの雨が斜線で描かれている。
鳥居のような構造物がある。1本の横木を3本の横木が支えていて、縄で縛ってある。よく見ると真ん中の柱は巨大な五寸釘だ。これは作品のキーワード。
階段が数段ある軽い勾配の構造物がある。小さい舞台のようでもある。
下手側にパーカッション。黒子姿の演奏者が音楽を奏でる。

素晴らしい脚本と俳優陣の織りなす江戸時代もの。淡々と静かにすすんでいくストーリーは、良質のミステリーを観ているようで最後まで目が離せない。
人の怖さ、醜さを見せつけながらも美しい世界が広がる。特に山形弁がしっとりと柔らかく、ほっとする。
踊りと歌もあり、歌唱はミュージカルかと思うほどの上手さ。

拾い屋の徳は捨て子。橋の下で暮らし、鉄くずを拾い糊口をしのぐ。仲間たちも似たりよったりの境遇。みな社会の最底辺の存在。
徳がたまたま紅屋喜左衛門と瓜二つだったことから、自分だけ最底辺から這い上がる。今度は自分が見下される立場から、見下す側に回るところはリアルだ…。人の心の醜さ、狭量が炙り出されてやりきれない気持ちになる。
徳は自分の欲と保身のために、嘘をつき人も殺める。悪人だが、果たして徳だけが悪人なのだろうか?
ゆすりたかりにはるばる江戸から来た、昔なじみの釜六は? お店を守るため、徳が別人なのを知りつつ喜左衛門として扱い、最後は死装束を着付ける妻のおたかは? 平畠藩を守るため、徳に自害を迫り、殺してしまう家老たちは?
お店のため、奉公人のため、作人のため、平畠藩のため。大義名分のためにひとり犠牲になった徳。自業自得とは簡単に割り切れない。哀れだ…。


【余談と画像】
こまつ座を劇場で観劇したのは初めてだと思う。TVで放送された作品を観た記憶はあるけど。
確か、『頭痛肩こり樋口一葉』と『太鼓たたいて笛ふいて』の2作品だったかと。どちらもおもしろくよかったな♪


フライヤー その1。表。




裏。





フライヤー その2。表。裏はその1と同じ。




パンフレット 1,100円。
俳優、スタッフの作品に対する想い。インタビューや対談など。
写真はモノクロ。




所沢のゆるきゃら“トコろん”。スタッフをしているらしい。
頭にプロペラついているね~可愛い♡




ミューズにあるカフェe forést Cafeで観劇後にチーズケーキとカフェオレで休憩♪
観劇は集中して観ているので、結構、頭が疲れる。長時間、じっと同じ姿勢で椅子に座ったままだしね。糖分補給しないと♪




会場を出て上を見たら。。アール状の建築がおもしろかったので。




夕暮れが近づいて。。航空管制塔かな~?シルエットがおもしろい♪ うろこ雲(巻積雲)が広がっていて綺麗♡




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