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『チャオ!明治座祭10周年記念特別公演 忠臣蔵 討入・る祭』〈第一部〉 ストーリーと感想

2020-12-29 14:47:50 | 配信
e+のStreaming+ でLIVE配信された舞台公演『チャオ!明治座10周年記念特別公演『忠臣蔵 討入・る祭』 <12/28 11:00>【Streaming+(配信)】をPCで観ました。
今年も年末の風物詩として明治座にお邪魔するつもりだったのですが…。このご時世なので自宅待機してLIVE配信を観劇しました。
本音は行きたかった~!明治座に~!舞台はやっぱり劇場で、あの空気と世界を感じながら観たいのです。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。
※画像はる・ひまわり公式サイトからお借りしました。





〈第一部 芝居 「O-ICCEAN'S11~謎のプリンス~」〉

【ストーリー】
江戸時代。5代将軍・徳川綱吉(辻元祐樹)の治世。播州赤穂浅野家は、小藩ながら塩の製造に成功し、比較的豊かな藩。瀬戸内海を臨む桜が自慢の穏やかな港町で、藩士たちは若い藩主の元に平穏に暮らしていた。
そんな赤穂藩家老の大石内蔵助(小林且弥)はある日、記憶を失い倒れていた男と出会う。名前も身分も思い出せないという男は“寺坂吉右衛門”(平野良)という名前を名乗ることになり、藩士たちに馴染んでいくが…。
そんな折、藩主の浅野内匠頭(小林賢祐 )が幕府から“勅使饗応役”に任命される。浅野の指南役についたのは、高家筆頭の吉良上野介(伊藤裕一)。吉良は幕閣の柳沢吉保(蒼木陣)と手を組み、浅野内匠頭へ陰湿な嫌がらせを始める。
赤穂藩はその都度、一丸となって吉良に立ち向かうが、ついに浅野は勅使を迎えるその日に、江戸城の松の廊下にて吉良上野介に突然斬りかかるという事件
を起こしてしまう。
幕府は赤穂藩の取り潰しと、浅野内匠頭の即日切腹を言い渡す。浅野は唯一許された腹心の片岡源五右衛門(木ノ本嶺浩)との最期の対面の後、切腹し果てる。
一方的な幕府からの沙汰により、藩主も職も失い浪人となった藩士たち。やがて彼らは、大石内蔵助の下、藩主の仇討を決意する…。
赤穂藩に手を差し伸べる朝廷。財政難を抱え、諸藩を取り潰したい幕府。そして、夫である将軍・綱吉との関係に悩む正室・信子(水夏希)。
様々な思惑が赤穂浪士たちに絡まっていく…。


【構成・演出】
板垣恭一


【脚本】
土城温美


【出演】


※浅野内匠頭役の安西慎太郎は体調不良のため全公演を降板、小林賢祐に 変更されている。詳細はこちら。 → 『忠る』出演者変更のお知らせとお詫び


【感想】
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。

美術はシンプル、黒が基調のモノクロトーン。上手側と下手側にモノクロのかなり大きな門。中央の盆の上には大きな台形の構造物があり、回転したり、役者が行き来したりする。
矢羽根模様のようなモノクロの可動式パネルが何枚かあり、中央上部に大きな葵の紋。
衣装もバラエティに富み、きちんとした和装から、各方面から怒られそうな扮装も多い。鬼滅の刃、ハリーポッター、ローランド、假屋崎、フワちゃんなど。パロ…いえ、きっとリスペクト♪
綱吉のマント付き衣装がきらびやかで素敵だった。辻元祐樹にとてもお似合い♡

ミュージカルではないけど歌も多い。歌の上手い役者(大山真志、平野良、辻本祐樹など)が多いから聴き応えがある。
「スシ食いねェ!」「Get Wild」とかいろいろ。一度観劇しただけでは、さすがに全部記憶できない。どれも歌詞がアレンジされていて、「スシ食いねェ!」は「手を洗え~!」と時節柄な歌詞に。
ダンスや殺陣も多い。特に抜群の身体能力を持つ蒼木陣がすごい!バク転も軽々とこなす。
コントパートも随所に散りばめられ、「祭シリーズ」ならではの笑いどころも満載だけど、昨年の『る変』よりさらに、がっつりと芝居!という感じだった。

オープニングは歌舞伎よろしく松の廊下を背景に、和装の役者陣が並び、座長の口上。「一座高うはござりまするが…」という例の文言。
ストーリーテラーは近松門左衛門でWキャスト、この回は大山真志。語りはほぼほぼなくてひたすら歌唱で説明。ミュージカルではないけど。
冒頭、高田郡兵衛(谷戸亮太)が「ちゅんちゅん♪と言ったら、お客さんも両手で声は出さずに手を上下して、ちゅんちゅん♪とポーズしてね」とお願いする。時節柄だからね~。
素直に即座に反応して完璧にポーズをするお客さんたち。さすが、るひまの「祭シリーズ」のお客さん♪
『大江戸鍋祭』では浅野内匠頭(矢崎広)がフライイングしていたが、今回は片岡源五右衛門(木ノ本嶺浩)が水平移動のフライイング。あの衣装や竹箒でフライイングはもう、ハリーポッターそのもの。パロ…いえ、リスペクトのオマージュ、もしくはたまたま似ちゃっただけ、多分。

磯野タマ(加藤啓)は二足歩行の猫で人と会話ができる。白に黒ぶちの猫の着ぐるみ姿の加藤。もう、平野良が言っていたけど、加藤啓は加藤啓という役でいいかもしれないとさえ思う。昨年は麒麟だったし。唯一無二の存在。
冨森喜世(井深克彦)は今年も?ヒロイン。可愛い♡今までで一番可愛い♡もう、こちらもこのまま突き進んでいただきたい。唯一無二の存在。
徳川綱吉(辻本祐樹)は今年もかっこいい悪役。麗しいお姿とあの声がよい♡
鷹司信子(水夏希)は気品があり凛として美しい♡宝塚出身の方は本当に凛とされて美しい。。
寺坂吉右衛門(平野良)と大石内蔵助(小林且弥)のW主演の二人が演じると、芝居にぐっと深みが増すのがわかる。小林且弥主演『る典』のときもよかったな~。

寺坂吉右衛門(平野良)は実は徳川家宣。綱吉の後に将軍となる身分だった。
将軍側の策略で柳沢吉保(蒼木陣)らに斬りつけられて大怪我を負い、命かながら逃げる途中で記憶を失った。東山天皇(松田岳)が家宣をひそかに助け、赤穂藩の大石内蔵助(小林且弥)に預けた。
黒幕は綱吉(辻本祐樹)。シナリオは吉良上野介(伊藤裕一)。幕府は財政難を克服したい!吉良は妻の治療のための医療費が欲しい!両者で結託して赤穂藩を取り潰し、塩の利益を奪いたい。

白い紙吹雪の雪が舞う中、討ち入りの大立ち回りは圧巻!
家宣(平野良)はまさかの綱吉を守る側に回る。「もう誰も死んでほしくない!暴力は暴力しか生まないから!」と叫ぶ。
綱吉は家宣が憎かった…。皆に無条件に愛される家宣が。
綱吉にいいように使われ、使い捨てにされたことに憤った吉良は綱吉を斬る。最愛の妻は少し前に死んでしまったのだ…。もう、彼は憤りを抑える必要はなくなったから…。号泣する吉良に胸が痛くなった。
綱吉の正室・信子(水夏希)も後を追い、自害し果てる。腹の中の子供も道連れにして…。綱吉に覆いかぶさるように倒れ込む信子。美しく哀しい…。
吉良も大石に討たれる。家宣に頼み事をする大石。赤穂浪士に切腹を命じてくれと。それともうひとつ、後世に正しくこの話を伝えてくれと。

ラストシーン。
浅野内匠頭が切腹の刹那に願ったこと、もう一度、赤穂の仲間たちと花見がしたかった…。その花見が今ここにある。桜色に染まった紙吹雪が舞い散る中を一同が会して幕が降りる。
とても素敵な美しいラストだった。悲しいけど、その中にも希望が見えるような気がした…。


【余談】
「忠臣蔵」が題材なので、「祭シリーズ」二作品目、明治座に初進出した『大江戸鍋祭』を思い出しつつ、そのときとはまた違った切り口がおもしろかった。
『大江戸鍋祭』に出演した役者の中には、すでに亡くなられた方や廃業された方もおり、複雑な気持ちもしつつ観劇していた。10年という年月は長いような短いような…。
今年は直前に浅野内匠頭役の安西慎太郎が体調不良で全公演降板となり、本当にキャスト・スタッフの方々は大変だったと思う。もちろん、一番辛く悔しい思いをされているのはご本人だと思う。一日も早く回復されますように。
そして、急遽、浅野内匠頭役を演じることになった小林賢祐。とてもプレッシャーで大変だったと思う。それでも、明るく純粋で愛されキャラの浅野内匠頭を演じていてすごいな…。
キャストの人数も今までで一番少ないのかな~?正直、これくらいがちょうどいいかもしれない。あまり多過ぎても、役者名と役名、関係性を把握するのにしっかり予習しないとわからないから。
毎回、ちゃんと公式サイトで予習しておくけどね。でも、ややこしいときがあるからな~。時代物だから仕方ないけど。


長くなるので、〈第二部〉は次の記事に続きます。→ 「『チャオ!明治座祭10周年記念特別公演 忠臣蔵 討入・る祭』〈第二部〉 感想」



追記です。2021.1.8
昨年末にる・ひまわりのオンラインショップで、【予約販売限定価格】『忠臣蔵討入・る祭』パンフレット(白)を購入していたものが、ようやく届きました。




演出・脚本・座長のご挨拶、ストーリー、キャストの写真(フライヤーと同じ衣装=ホテルマン、ハリーポッター、魔女の宅急便)など。
ご挨拶の中で、演出の板垣恭一さんの文章に涙が…。
「ええ、こんな風にこのシリーズに関わってきました。スペースオペラみたいにしよう、全員生かして終わろう、宇宙人にしちゃおう、合唱曲で構成しよう、SNSの象徴として特殊能力を持たせようなどなどのアイデア係として。穴吹さん、ムックさんという作家陣と手を組み、時には原田の優ちゃんや毛利さんに現場を任せ、常連の出演者たちと初めましての出演者たちの混成チームと共に切磋琢磨し、滝口幸広という仲間を失い、あるときには出演者に厳しく接し、プロデューサーにもグイグイ詰め寄り、お客様の応援をヒシヒシと感じながらの10年間でした。」

滝口幸広さんが亡くなられて、もう1年経ってしまいました。その間にも世の中は目まぐるしく動き続け、今も不安と混沌な日常が続いています。
この情勢の中で年末のお祭り舞台を作り、送り出してくださったる・ひまわりとスタッフ、キャストの皆さまに心から感謝したいと思います。そして、滝口幸広さんも、きっと舞台の袖か客席でお芝居を楽しんでくれていたと思っているのです。


追記です。2021.2.7
【忠臣蔵 討入・る祭】Streaming+にて振り返・る特番配信決定!!ということで、早速、e+でチケットを購入して観ました♪
本編約120分+トーク約90分という超長尺。途中で休憩時間が入るのかと思って12:00からPCで観始めたら…。あらら、公演時の配信と違って休憩なしでした~。途中で脱落するのも嫌だったので、そのまま観続けてお昼を食べ損ないました。苦笑。
でも、また観劇できたし、演出の板垣恭一さん、W主演の平野良さんと小林且弥さんの裏トークと質問に答えるコーナーがとてもおもしろかったので満足です♪ こういう企画はまたやってくださると嬉しいな~♡

小林且弥さんがね、亡くなられた滝口幸広さんのお話をされていて、一緒に戦っていた仲間だったんだな。。と改めて思いしんみりしました。きっと、あちらで「かつ兄~ばらすの止めてくださいよ~」って言っている気がしました。

































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