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観劇の感想もろもろな備忘録
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『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』ストーリーと感想

2021-09-13 10:17:55 | 劇場・多目的ホール
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』をKAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて、9月12日(日)12:30開演を観劇しました。


ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【作】
野木萌葱


【演出】
シライケイタ


【出演】
玉城裕規、岡本玲、森優作/渡辺哲、山本享、ラサール石井、村岡希美、大久保鷹、筑波竜一、伊藤公一、那須凛、若杉宏二


【ストーリー】
港町横浜でヤクザの娘、息子と警察官の息子が導かれるように出会い、次第に運命に翻弄されてゆく。ヤクザと警察官、持ちつ持たれつの関係性が壊れるとき、最悪の結末が待っている…。


【感想】
客入れの音楽はないが、すでに物語は始まっていて、ヤクザのチンピラとおぼしき男が忙しなく出たり入ったりを繰り返す。ホテルのバーでは支配人とメイドが、けだるそうに飲みものを飲んでいる。
美術は鯨楼というレトロなホテルのセットが組まれ、家具や照明はアンティークな感じで統一されている。
上手にはラウンジ、牡丹か芍薬の花が描かれた壁、枯山水の屏風、3人掛けのソファ、椅子、ミニテーブル。下手にはバーカウンター、丸テーブルと椅子。真ん中にはL字の階段。2階にはシンプルなベッドがある客室が2室。天井からは、乳白色のシェードがついた和風のシャンデリアが下がっている。
転換はなし。
劇中にタンゴがかかる。銃声が大音量でびっくり!

そろそろとくたびれてきた年頃のヤクザがふたり、警察官がひとり。この3人はずっと癒着していて、持ちつ持たれつの関係を続けていた。その関係性が過去の5億円の行方を巡って軋み始める。それぞれの娘や息子も絡み始め、混迷は一層激しくなっていく。
炙り出されるのはそれぞれの思惑、人間性。3人の男たちはみな小さい…。権力や暴力と暴言で周囲を威圧しているだけの、吠える犬だ。3人とも大人の姿をした寂しい子供。女に甘えて、母親のように背中をさすってもらいたい。
結末はあっさりと、銃声が鳴り響き鯨楼には死体が転がる…。
最後、父親と決別した娘と息子たちは、自分の人生を生きるためにこの鯨楼から、横浜から、自分たちの足で駆け出していく。

現実にありそうなヤクザと警察の癒着にげんなりしつつ、最後は哀しくも痛快な気持ちにさせられる。おもしろい世界観の作品だと思う。

玉城裕規が演じると、どこか狂気混じっているように観える。でもそれがいい♡
那須凛演じる"ひとがた"は、人形師でもある支配人が作った学習型の人形。不思議ちゃんで可愛い♡
渡辺哲は本当に嫌な下衆野郎を演じていて、観ていて嫌~な気持ちになりつつも、作品に重みとリアリティを与えていると思った。さすが大ベテラン!


【余談と画像】
『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』は『みなとよこはまあらぶるいぬのさけび~しんそう、さんにんきちさ。』と読む。"ふりがな"ないと読めないね。
歌舞伎の人気演目がもとになっているらしい。歌舞伎にあまり詳しくないので、物語をよく知らないけど。まだまだ不勉強だな~。

KAAT神奈川芸術劇場はお初の劇場。以前に観劇予定があったけど、諸事情で行けなかった…。今回、別作品だけどリベンジ♪ 赤と黒が基調の素敵な劇場。
大スタジオとあったので、てっきり大ホールかと思っていたら、小ホールクラスだった。池袋の芸術劇場 シアターイーストとかシアターウエスト並み。
おまけに四角く黒いクッションがあるものの、黒のパイプ椅子。これで休憩なしの2時間はお尻が痛い~。今後、観劇予定の方はご注意を。勾配が急なので後方でも観やすいけど。

入場時はチケットを目視でスタッフに確認してもらい、半券は自分でもぎりプラケースに入れる。これも今はどこもこれね。
ライブ配信のためカメラが入っていた。
カーテンコールは2回。混雑を避けるため、最前列から順次退席。これも今はどこもこれね。


案内パネル。大スタジオは5階! エスカレーターで延々と上がるよ~。




フライヤーの表。



裏。




パンフレット1000円。芸術監督の長塚圭史のご挨拶、対談など。




久々に席置きのフライヤーの束。なんかほっとする。いくつか気になるので予定に組み込んでおこうっと♪




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