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『蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~』ストーリーと感想

2015-06-14 11:42:32 | 劇場・多目的ホール
グループる・ばる vol.22『蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~』東京芸術劇場シアターイーストにて、6月12日(金)19:00開演を観劇。

ストーリーと感想を備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【作】長田育恵
【演出】マキノノゾミ
【美術】奥村泰彦
【照明】稲葉直人
【音響】内藤博司
【衣装】三大寺志保美
【キャスト】松金よね子、岡本麗、田岡美也子、木野花、小林隆、野添義弘、岡田達也


【ストーリー】
ノリコには気がかりなことがあり、亡くなった後も向こう岸に渡れずに幽霊となって自宅で暮らしている。そんな彼女は「気がかりさん」と呼ばれている。
自宅には、なぜかふらふらと居着いてしまった二人の幽霊の女性、管理人の保さんも一緒に暮らしている。
ある日から、そんな彼女たちの日常が少しづつ動いていく…。


【感想】
客入れはJ-POP。劇中にアイリッシュ風な楽曲、クラッシック曲も使用される。
美術は茨木のり子の自宅LDKがメイン。上手側にDKがあり、ダイニングセット、奥にキッチン、上方に大きな窓。窓越しに青い空に白い雲、雨や引用される詩のタイトルが映し出される。
中央に、斜めに設置された壁が2個。階下の玄関に続くもの、寝室のドアがあるもの。壁には午後5:23を指したまま止まっている掛け時計。
下手側に、壁面埋め込みの本棚に本がぎっしり、大きめの1人掛けのソファ、3人掛けのソファとローテーブル、旧式のステレオ。
最奥に、天井に届きそうな蜜柑とおぼしき樹木が一列に並ぶ。小さいライトが点灯し蜜柑の花を表したり、時折りがさがさと揺れる。
転換はなく、暗転が多め。


[終戦→お見合い→結婚→夫と死別→一人暮らし→最後の日]をこの四人で延々と繰り返している。
壁の掛け時計は午後5:23で止まったままだ。この時間に彼女は一人ベッドで死を迎えた。
やがて、ノリコは思い出す。自分の「気がかり」を。
そしてようやく、光差す彼岸へと渡ってゆくことができた。
娘時代を戦争に奪われ、終戦を経験し、愛する夫とも早くに死別した女性の苦しさ、悲しみ、切なさがしみ出すように伝わってくる。一番辛いのは得られなかったものよりも、あったものがなくなる喪失感なのだろう。
少し不思議で、微かに怖さも感じつつ、哀しくて切ない。。
それでも、最後の最後にほんのりと希望を感じさせてくれる作品。

る・ばるのお三方は、もうとにかくかわいらしくてチャーミング♥ なんでこんなにチャーミングなんだろう?
木野花の佇まいも素敵♪
朴訥とした風情の小林隆、真面目だけどコミカルな感じの野添義弘もいいなぁ~。
岡田達也はやっぱり、悪ぶっている谷川俊太郎の役が一番はまっていた。
初日だからかな~?噛むキャストさんがちらほらと。

カーテンコールは2回。
2回目に何故か全員が揃っておらず、「あれ?いない?!」となるキャストたち。遅れて木野花や野添義弘が慌てて登壇。楽屋に戻ってらした?
松金「もう遅くなるのでみなさん帰ってくださいね」とご挨拶。
2回目は打ち合わせていなかった模様。詳しくは【リンク】の「達也汁~たつやぢる~」をどうぞ♪


【リンク】


【画像】
フライヤー裏。そ、それにしても‥岡田達也のおかっぱが。




当日パンフレット。劇中引用詩10篇が掲載。




る・ばるはやっぱりいいなぁ。
もし、vol.23があるのなら観に行きますよ~♪ 


 

 

 

 
 


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