夜中に突然思い出したことがある。
初恋の片思いの他人の名前を思い出した。
顔は覚えていない。
小柄なイケメンの一つ年上のサッカーのゴールキーパーたった。
高校生の頃にはパン屋のお兄ちゃんが近藤正臣に似ていたので、何度かパンを買いに行った。
寺の若い坊さんに話をしたこともあった。
さりげなく悩み事を言うも解決はしなかった。
坊さんが若かったことは覚えているが、イケメンだったかは定かでない。
毎月3の付く日は縁日だった。
お祭り好きの私は縁日に行った。
学校帰りに一つ前のバス停で降りて縁日をぶらぶらしながら家に帰る。
途中のパン屋で近藤正臣に似たお兄ちゃんの店でパンを買う。
別に近藤正臣が好きなわけではない。
似ているから見たかったのだ。