先日あたりから、狩浜地区の農家の間で、カメムシの被害が出始めた、といううわさが飛び交い始めました。
ちなみに、私が見た限りでは、私の園地では、際立った被害は、いまのところ、確認していません。
おさらいしておきましょうか。
柑橘に、大きな被害をもたらす、いわゆる果樹カメムシ類、(代表的なのは3種類)は、本来、果樹園にはほとんど生息していません。
ヒノキの球果を主食とし、ヒノキの人工林に、多数生息しています。
秋口になって、えさが不足したりすると、風に乗って、果樹園に飛来、みかんなどの汁を吸うものです。
私の知る限り、2003年、2008年が、大被害の年でした。
果樹カメムシは、いつごろ、どれくらいの数で、ヒノキ山から飛来してくるかは、予測不可能です。また、どの地域にやって来るかなども、決まっていません。
ですから、向こうの地域では大被害だったけれど、こちらの地域では全然問題なかった、てなことも、しばしばです。
2003年、2008年ぐらいの大発生になると、もはや、どこの地域が、なんて区別もなく、およそ全部が壊滅的な被害、というレベルになります。
そりゃあそうだ。明浜町の柑橘園の面積と、隣接した地域のヒノキの人工林(荒廃している)と、どちらの面積が大きいですかね?
戦後、政府は、拡大造林政策を打ち出し、日本の森林の4割をも、人工林に変えました。
恐ろしい数値です。
50年以上が経ち、結局国産木材の有効利用の道を確立できず、放置された人工林が、日本にもたらしている損益は、実に大きいと、思っています。
多くのみかん農家が、いつやって来るか、どれくらい被害があるのかわからない害虫に、殺虫剤散布で、場当たり的な対処をするばかりです。これでは、農薬メーカーや販売業者が儲かるばかりです。
カメムシが、わるいのですか?
無茶々園のように、エコロジカルを売りにするような農業法人は、こぞって、人工林の整備に取り組むべきなのに、いったん大被害があれば、全部『カメムシ』のせいにするばかりです。
カメムシより、こわいですらい。
さて、人工林の荒廃の話題ついでに、もう一つ、報告させていただきます。
先日の、台風17号のもたらした被害は、ここ明浜町だけではなかったようです。
久万高原町、内子町に住む友人のブログで、その被害が明らかになりました。
久万高原町も、内子町も、人工林がとても多い地域です。久万高原は古くから林業が行われていたため、若干整備がされていますが、それでも、まだまだだと思っています。
荒廃した人工林は、大雨の水を地面に蓄えることができないため、水害や土砂崩れを誘発します。
人災。
本来であれば、行政が率先して、住みよい環境を整えるべきところだと思うのですが、それをしない。
こわいです。
まあ、恐れていては何にもなりませんから、勇気と知恵を振り絞って、問題の解決を図りたいと思います。
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