5歳の妹の幼稚園最後の運動会。
その様子が動画で送られてきました。撮影者は8歳の姉。最近買ってもらったスマホで妹の競技や演技の様子を撮影したものです。
妹は運動が苦手~姉も好きですが得意な方ではありません~園で行われる持久走では、毎回かなり離れた最後尾を走っています。園長先生が付き添って走ってくれています。
今日の運動会の徒競走でも障害物競走でも、最後尾を走っていました。徒競走では、いつものように園長先生が横を走ってくれていました。ママの「がんばれ、頑張れ」の声も聞こえています。
姉がその様子をスタートからゴールまでクリアに撮影していました。彼女はどんな気持ちで妹にスマホを向けていたのか、動画を観ている時点では不覚にも分かりませんでした。
「相変わらず遅いけど、泣かないで走っているからいいよね、足の速い家系じゃないしね」などと、妻と話していました。
その夜、私のタブレット画面に姉のラインがつながりました。「今日は暑かったね、妹の運動会で日焼けしたんじゃないの」などの会話の途中、姉が言い出しました。「私、運動会で感動したよ」画面にはアプリを使って自分な顔を加工し、涙をしていました。
「だってね、最後まであきらめないで一生懸命走っていたんだよ。笑わないで真剣に走っていたから感動した。」
姉は心の中で「がんばれ、頑張れ、それでいいよ」と妹を励ましながら、スマホを向け続けていたのです。
やさしさに溢れた姉の動画だったのです。姉の横でこの通話を聴いていた妹はとてもとても嬉しかったでしょうね。
私たちも姉の妹を思う気持ちに感動しました。
さわやかや いもうと走る しんけんに
その夜、姉の詠んだ俳句です。