季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

「塔」8月号 

2024-08-13 15:53:00 | 日記
はるかなる間あひに足の爪を切る膝をひきよせ額ちかづけ

 年をとると、身体が固くなり、老眼も進み等して、足の爪を切るのが大変になる。老眼鏡で見える位置まで足を引き寄せなくてはならないが、身体が固くなっているのこれがまた一苦労そんな苦労を三十一文字に仕上げられた手腕に感服いたしました。
               「六月号 山下泉選歌欄評 保母康裕
ありがとうございました。

カラス恐るべし

2024-03-07 18:46:58 | 日記
 ゴルフコンペの最中,携帯が鳴った。後ろのパーティの後輩からであった。
「お金とカードが散らばっていたので拾いました。届けます」
慌ててゴルフカートに置いていた小さなバックの中を見た。お金などを入れた透明のケースがない。カートの揺れにバックが開いてケースが落ちるわけがない。                                     蓋には二つのボタンがかけてある。 後輩が走ってケースを届けてくれた。
財布兼用に使っているペンケース。もちろんジッパーも締めておいたのだがこれも開かれている。


 中の10枚近いカードと5千円札が一枚,フェアウェイに散らばっていたとか。それを丁寧に拾い集め届けてくれたのだ。                                     
 ここに来て初めてこれがカラスの仕業と判明した。カートから離れてクラブを振りパッティングに集中していた時に,カラスが活躍していたのだ。
 バックの蓋をくちばしで開け,中から透明ケースを取り出しフェアウェイに置く。

 これまたくちばしでケースのファスナーを引き開け,キラキラしたカードを広げ,5千円札をつついで遊ぶ? 何といういたずらっ子。
 幸いケースが置かれたのがフェアウェイでよかった。これが林の中などだったら見つからなかったろう。盗難を疑ったかもしれない。カードには先週更新したばかりの運転免許証もクレジットカードも含まれていたのだ。
 戻ったケースを再びバックに入れ,くちばしで開かれないように下向けにしてカートのかごに置いてプレーを再回した。ところがまたしてもバックがつつかれていた。木の上からはカラスの鳴き声が聞こえてくる。カートの飲み物を入れるケースにバックを押し込んだ。やっとカラスがついてくるのをあきらめた。
 恐るべしカラス!
 明日銀行で3つにちぎられた5千円札を取りかえてもらおう。カラスにちぎられましたと言ったら信じてもらえるだろうか。


80歳の坂を上がる~来年は何をしようか

2022-12-31 15:43:55 | 日記
梅雨の地にはずまぬ球は投げあげる 中村草田男 

不思議な俳句だ。梅雨で湿った地面にボールを落としてもはずまない。そんなボールはせめてどんより曇った空へ投げ上げてみようか、という意味だろうか。草田男の心象風景なのかもしれない。

この句は,今年の私の弱気を変えてくれた俳句でもあるのだ。 
4月ごろ、短歌の会から原稿依頼が来た。毎月10首程度の作品を選んで、その作品の批評をしてほしい、ページ数 は2ページ。それを1年間続けるのだと。

その依頼を断ったのだ。もちろんそんな力がないことはわかっている。しかし,これまでの私なら、力不足は承知で書かせて下さいと言っただろう。書くことによって学ぼうという意欲があっただろう。意欲が落ちたのだ。
はじめてもうすぐ80歳という年齢を感じた。 
ここ10年かけて「共に生きる」というキーワードで道徳の研究をまとめあげた。その結果,もう無理しないでいいかなという、気持ちが出てきていたのだろう。

弾まないボールになっていたのだ。これではいけない、もう少し自分のためではなく、誰かの役に立つことをしていきたい、自分の考えを前に進めたい。はずまないボールを投げ上げよう。

でも何ができるだろう。 周りの人に喜んでもらえることはなんだろう。今問題になっていることなどを一緒に聴いたり語り合ったりするのはどうだろう。 6月から月1回の講演会を企画した。会場借用に関する団体の立ち上げ,今年7回のテーマと講師依頼,資料等の準備,経費…。当たり前だがすべて自分で行った。幸い講師に依頼した人たちは多忙にもかかわらず,また薄謝にもかかわらず(ほとんどの方がそれさえも受け取らなかった)快く90分の話を引き受けてくれた。

第1回「墓石は語る」(地質研究家)第2回「命に寄り添う」(看護師・生と死を考える会会長)〇「ボランティアの楽しみ」(臨床心理士)〇「「今」を生きる」(僧侶)〇「感謝して生きる」(道徳研究団体関東ブロック部長)〇「子どもが危ない」(精神保健福祉士 市教育委員)〇「上皇后美智子様のお歌」

毎回20名定員の会場がほぼ満席になった。
弾まないボールをそのままにせず,投げ上げて良かったと思う。
さて,年齢とともに衰えていく肉体と頭脳,「分かるとは何か」「分かったつもりにならない」という生涯のテーマを考え続け,周りの人たちのために来年は何ができるだろうか。ゆっくり考える正月でありたい。

大晦日,穏やかな空に白い雲が流れている。



サンタさんにおせんべいを

2022-12-25 09:51:19 | 日記
孫の書いた日記を読みました。

12月25日
(前略)朝おきてすぐ,1かいにおりて行きました。
なぜかというと、プレゼントをとどけてくれるサンタさんに
おれいのお手紙とおせんべい、
トナカイさんにはにんじんをおいておいたからです。
見たらなかったのでうれしかったです。 (後略)

お礼のお手紙の内容は教えてもらえませんでした。
トナカイに人参という発想は「アナと雪の女王」のルドルフとオラフからでしょうか。

それにしても、サンタクロースにお礼の手紙を書き
お腹がすくだろうとおせんべいを置き
トナカイにごほうびの人参をあげるとは、、、、
いつまでもやさしさを持ち続けてほしいと願いました。
パパとママも同じような気持ちで、そっとサンタさんへの手紙を読み
人参とおせんべいをしまったのでしょうね。

ねずみ

2022-12-22 19:21:16 | 日記
今日は冬至,柚子湯に漬かる日。温泉に入るカピバラの姿を想ったら,急に「ネズミ」の思い出がよみがえった。

インドネシアに3年間住んだことがある。新築の家に入ってすぐ,ベッドの上の天井にチュチャと呼ばれる蜥蜴が張り付いているのには驚かされた。もっと大きな蜥蜴はトッケと呼ばれ,夜になるとその名の通りトッケ,トッケと鳴いていたが,姿を見たことはない。当時,日本ではエリマキトカゲがCMに登場していたが,妻は実際に見たと興奮して話していた。

ネズミも出る。ネズミは確かテクースと呼ばれていた。
そのテクースが出るとメイドさんたちは大騒ぎ。三人のメイドさんが追い回すのだが,なぜか楽しそうなのだ。私が子どもの頃は「ネズミ捕り」なる針金状のもので作った檻?があった。中に付けた餌に触れると檻の入り口が閉じる仕組み。捕まえたネズミはどうしたかって,,,。小川に持っていってそのまま水につけて殺した。

メイドさんたちは追い回してやっと捕まえたテクースをどうしたか。何と,家の門の外に逃がすのだ。妻が驚くと(妻も殺すと思ったに違いない),メイドさんたちは笑ってこう言う。「もうあのテクースはやってこない。」
日本には鶴の恩返しや浦島太郎の話があるが,インドネシアにも「ねずみの恩返し」という報恩譚があったのだろうか。今振り返れば,3年間の中で彼らが子どもを叱る声を聞いたことがない。運転手さんは,雨季の驟雨であふれた川から道路に流されてきた亀を拾ってきた。私たち息子のためにと庭に放してくれた。亀はクラクラ,呼ぶと出てきて茹でたうどんを食べていた。

ねずみを水死させた自分が恨めしい。