季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

QRコード

2022-05-31 10:20:37 | ニューモラルの会
 新しく始めた会の参加申し込みをしてもらうためにQRコードを作成しました。
 意外だったことはQRコードが日本の発明だったということ。ウィキペディアには次のように説明がありました。
「1994年(平成6年)に自動車部品メーカーであるデンソー(愛知県)の開発部門(現在は分社化してデンソーウェーブ)が発明したマトリックス型二次元コードである。 「QR」は Quick Response の頭字語であり、高速読み取りを目的の一つとしている名称である。「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標(第4075066号)である。
 いくつかの作成アプリがあり,作成そのものは簡単でした。スマホなどでQRコードを読み取れば私のメールアドレスに繋がり,そこに住所,氏名,電話番号を記して申し込みできるようにしました。このQRコードを付けて第一回目の講話「墓石は語る」のチラシを作りました。
 講話の内容のせいもあって,少しずつ参加申し込みが届いています。でも,ほとんどがQRコードを使わずに,電話やファックスなどでした。メールでの申し込みもありますが,QRコードを読み取ったものではありません。なぜなのでしょう,せっかく便利かと思って添付したのですが…。
 数人に聞いて原因が分かりました。スマホは持っているけれど,QRコードを読み取って」とか「このQRコードから」と言われてもその方法が分からないのだそうです。QRコードを作った私がまもなく80歳,開催案内のリーフレットの配布も高齢者がほとんどです。今は私の周辺の高齢者でもほとんどがスマホを持っています。使ってはいるが使いこなしてはいない。このあたりの実態を私が読み間違ったために,せっかく作ったQRコードが利用されないでいたのでした。
 ご高齢の皆さん,簡単だからQRコードの読み取り方を覚えましょうよ。

戦争と蛙(3)

2022-05-27 09:45:58 | 子どもの本
 蛙の詩人と言われた草野心平。最も有名な蛙の詩は教科書にも載った「春の歌」ではないでしょうか。学習の目的を「想像する方法を学ぶ」と「二つの作品(この詩と「秋の夜の会話」)を読み比べてより深く味わう」とし、何回も授業実践をしたことを懐かしく思い出します。(多分今でもそうなのですが「想像しなさい」とは言いながら想像する方法を教えていないのではないでしょうか。)
「春のうた」の前書きです。
かえるは冬のあいだは土の中にいて春になると地上に出てきます。
そのはじめての日のうた。
  土の中での長い冬眠から覚め、たくさんのいのちが輝く地上に出てきた喜びが蛙の言葉やケルルン クックという鳴き声を通して表現されています。
  さて、草野心平はどのような状況でこの詩を書いたのか。1903年(明治36年)に福島県に生まれた草野心平は1913年(大正2年)に生まれた新美南吉とほぼ同世代です。南吉が29歳で早逝したのに比べ心平は85歳まで生きました。この「春の歌」は1928年(昭和3年)に刊行された全編が蛙の詩を集めた処女詩集『第百階級』の冒頭に置かれた詩です。
 この昭和の初めはどのような時代だったのでしょうか。1918年(大正7年)に第一次世界大戦が終結し2年後に国際連盟が発足したとは言え、まだ不安定な世界情勢だったことにかわりはありません。南吉が『二ひきのかえる』を発表した1935年(昭和10年)と「春の歌」の1928年(昭和3年)は戦争が影を落とす不安な時代だったのでしょう。
 「春の歌」とは対照的な「秋の夜の会話」から心平の心情を考えてみます。
さむいね
ああさむいね
虫がないてるね
ああ虫がないてるね
もうすぐ土の中だね
土の中はいやだね
痩せたね
君もずゐぶん痩せたね
どこがこんなに切ないんだらうね
腹だらうかね
腹とつたら死ぬだらうね
死にたくはないね
さむいね
ああ虫がないてるね

 寂寥感と言おうか哀切感と言おうか、一読して二匹の蛙の会話から切なさが伝わってきます。世界がなにやらきな臭い雰囲気になる中で、詩人もその鋭敏な嗅覚で「間もなく土の中」に入らなければならない状況を察知しているのではないでしょうか。冬眠の果てにはいのち輝く春が待っているのですが、この詩にはそのような希望は見られません。切ない腹とは何なのでしょうか。生きる源としての腹の飢餓感。いつもなら求めれば充足していた知識や人間関係が今はない。寒々とした風景の中で死におびえる二匹の蛙が見えてきます。
 新美南吉は、大きな声で戦争反対を言えない時代にあって『二匹の蛙』を書きました。草野心平もまた同じような思いで「秋の夜の会話」を書いたのではないでしょうか。同じような思いとは言いましたが、草野のそれはどうしようもなく暗く寂しく、希望が見えません。「土の中はいやだね」「さむいね」「やせたね」「死にたくはないね」・・・・・。


マイナンバーカード

2022-05-25 14:34:52 | 日記
 なくしたときの個人情報の漏洩がどうかと心配しましたが、どんなカードでもそれなりのデメリットはあるだろうーそう考えてマイナンバーカードを所得しました。市役所支所の窓口で申請しー写真も撮ってもらいー数週間で発行されました。
  マイナンバーカードにポイントが付くことを思い出し、マイナポイントのアプリをダウンロードしました。パソコンではカードリーダーが必要だったので、タブレットを使いました。(スマホは持っていません。ガラケーです。)ところが、マイナンバーカードの読み取りが、何回やっても出来ません。
  市役所支所に出向きました。マイナポイント申請専用の窓口があって丁寧に教えていただきました。マイナポイントをもらうキャッシュレス決済サービスを選ぶことを質問しました。つまり今回いただける5,000円分のポイントをどこに振り込まれるようにするのかが不明でした。私が使用している銀行のカードは対象外、au peyカードは使い方が分からない、suicaは事前登録が必要、結局はnanacoカードを登録しました。このカードに20,000円をチャージすれば、2~3日後に5,000円がポイントとして入るのだそうです。登録完了まで10分程度でした。
  同時に健康保険証としての利用申込、公金受取口座の登録についても聞いてきました。こちらは6月30日開始、各7,500円相当のポイントが付くそうです。
  こんな申請なら少し手間取っても苦になりません。

戦争と蛙(2)

2022-05-19 10:37:02 | 子どもの本
『二ひきのかえる』のあらすじです。
 緑の蛙と黄色の蛙、二匹の蛙がお互いの体の色を汚い色だと言い合います。相手に飛びかかったり後足で砂をかけたり。寒い風が吹いてきたので、もうすぐ冬が来ることを思い出した二匹は「春になったら勝負をつけよう」と、土の中に潜ります。やがて春。最初に目を覚ました緑の蛙が「起きたまえ、もう春だぞ」と呼びかけると緑の蛙が出てきます。「去年のけんか、わすれたか」と緑の蛙。黄色い蛙は「からだの土をあらいおとしてから」と応えます。「ラムネのようにすがすがしい水」に飛び込んで体を洗った蛙たち。眼をぱちくりさせて緑の蛙が言います。「やあ、きみの黄色は美しい」「そういえば、きみの緑だってすばらしいよ」と黄色の蛙。「もうけんかはよそう」と言い合う二匹の蛙。「よくねむったあとでは、人間でもかえるでも、きげんがよくなるものであります。」でお話しが終ります。

 重い靴音が戦争に向かっていた日本、大きな声で戦争反対を言えない時代にあって22歳の南吉はどのような思いでこの作品を書いたのでしょうか。緑の蛙と黄色い蛙、その違いを認められず自らの優位性を主張することによって争いが起こります。肌の色の違いによっても争いが起きます。それだけではありません。民族の違い、宗教の違い、国家体制の違い、文化、性差、障がいの有無・・・人間は「違い」が認められない生き物なのでしょうか。「共生」―共に生きるとはとうてい叶わない理想なのでしょうか。南吉の蛙たちは「冬眠」という休息によって、すがすがしい水で体を洗うことによって、お互いの違いを認め合うようになります。「人間でも」そうなるのだと期待を込めているようでもあります。「冷静に考えて、お互いの言い分を認め合おう」というのが、若い南吉の精一杯の戦争反対への姿勢だったのではないでしょうか。
 ゼレンスキー大統領夫人・オレーナ・ゼレンシカさんはこの作品から南吉の意図を明確に読み取ったのでしょう。人と人は、国家と国家は「違い」によって争ってはいけないーウクライナの子供たちにそのことを伝えたかったのだと思います。『ももたろう」だけでなくこの『二ひきのかえる』を読み聞かせたいと考えた夫人の思慮の深さに感銘しました。
  
   蛙で思い出したのが草野心平の詩とレオ・レオニの絵本『ぼくのだわたしのよ』です。これらの蛙も戦争と関係しているのでしょうか。



オキシトシン~「塔」5月号 前田康子選

2022-05-14 19:36:45 | 短歌
春寒き街はビュフェの絵のやうに黒く尖りて佇みゐたり

姉二人に挟まれ二歳の妹が大きなお日さま描いて春待つ

熱き息を白く吐きつつ求愛の舞を舞ひをり丹頂二羽が

ハグすればオキシトシンが出るのよと妻が横向き呟いてゐる

火葬待つ空見あげれば白き落つ君の遺灰か名残の雪か


3月号 永田淳選歌欄評  岩尾美加子

パソコンのつま先立てて膝に打つ電車のをみな爪に色なく   加藤宙

  電車で目に留まった光景が描かれていて「つま先立てて」にその姿が顕ち上がる。就活の女子だろうか。仕事に追われている若い女性だろうか。「爪に色なく」は今懸命に生きている人の姿ととった。

 *ありがとうございました。