季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

お札をなめないで

2021-10-30 17:58:27 | 日記
 上越線、両毛線、水戸線、常磐線を乗り継いで5時間、さすがに疲れて乗り換え電車を待っていました。階段下に立っていたのですが、エスカレーターのアナウンスが繰り返し流れてきました。
 〇このエレベーターは改札口行の上りエレベーターです。
 〇お乗りの際は足元にお気を付けください。
 〇走らないで止まってお乗りください。
 〇雨の日は滑りやすくなっています。手すりにつかまり足元にお気をつけてください。
 〇ベビーカーでのご使用はできません。
 〇よい子のみなさん、エレベーターでは遊ばないでください。顔を出さないでください。
 このほかの注意もあったかもしれません。このアナウンスがエンドレスで流れているのです。ずっと前に、車内放送の丁寧さが話題になったことを思い出しました。「次は○○駅。降りる人がおりてから乗る。網棚に忘れ物はないか。傘を忘れない。・・・」確かな情報かどうかわかりませんが、外国の鉄道では車内放送がないとか。ハンディキャップのある方にとって必要なアナウンスは必要だとは思いますが、あまりにも丁寧すぎるようにも思われます。
 そういえば、病院の会計窓口に「お札をなめないでください」と注意が書かれた器具?が置かれていました。「お札をなめる」わけがないでしょうにと思ってよく考えると「指をなめてお札を数えないでください」と言う意味でした。小さなボールを回し指先が濡れるような作りになっていました。コロナ禍だからなのでしょうか。私はおかげさまで1割負担、数分の診察料金は200円ですから「お札をなめる」必要もありません。それにしても「お札をなめないで」とは。丁寧と言うより患者を「なめた」注意ではないのかな。

嬉しい歌評

2021-10-21 18:52:52 | 短歌
    担任はヤノ先生で一組でハヤトと一緒としづんだ声で

 なんともかわいそうとしか言いようがない。担任が「ヤノ先生で」「一組」でその上「ハヤトと一緒」とは最悪のシチュエーションだ。読んだ瞬間身につまされて謝りたくなった。(筆者は元教員)。せめて思いがけない新しい出会いがあることを祈ります。

 𠮷田京子さんからの歌評です。(『塔』10月号 山下洋選歌瀾評)
「しづんだ声」の子どもに歌に、やさしいまなざしの評をいただきました。早速お礼状をしたためました。

 この度は私のつたない歌に「評」をいただきありがとうございました。4歳までを共に過ごした孫が父親の勤務の関係で転居しました。あの歌は1年生から2年生に進級した日の電話を詠みました。吉田さんが「元教員」でありながらあの歌に目を留めていただいたことをとてもうれしく思いました。実は私も「元教員」です。先生にしかられてゐる子の横に叱る言葉に傷つく少女    
「ヤノ先生」が友人を叱る言葉に傷ついている彼女ですが、「思いがけない新しい出会い」も楽しんでいるようです。私は教員をやめた夜「これで知らずして子どもたちを傷つけないで済む」と反省とともに安堵しました。今もその思いは消えません。言葉を大切に生活したいと思っています。彼女も言葉に興味を持ち時折「朝日俳壇」に入選するまでになりました。吉田さんのあたたかなまなざしを伝えました。ありがとうございました。
ゆっくりと見たり聞いたりかたつむり かとうゆみ   高山れおな 長谷川
櫂共選

きしきしと~久しぶりの「百葉集」主宰選

2021-10-20 15:18:51 | 短歌
〇きしきしと翅すり合はせ哭く虫のやうに女が髪洗ひをり

<評>鈴虫などの翅だろう。女性の悲しみが卓抜な比喩によってなまなまと伝わってくる。

その他小林信也選 4首

〇そぼ濡れてそれでも家に入らぬと歩み初めし子あぢさゐの道
〇コンセントさしたるままに扇風機回ることなし梅雨寒つづく
〇水面に張り出す桜の枝の陰 ボートの二人の水脈まつすぐに
〇惜しまれて死ぬには晩き齢なり うちは片手に蚊をおつてゐる

◎ありがとうございました。

コロナが憎い ~子どもの日常

2021-10-19 20:11:40 | 日記
小学2年生の孫が学校から戻るとメールが届きます。
〇たっだいま~ コロナのバカ!
  *どうした?
〇だって多くの人を苦しめ、多くの人の命をなくした! ひどい! ゆるせない! みーの人生をダイナシにした。コロナ、頭がおかしいと思わない? みーは思う。コロナだけはやさしくできない。
 *みーの人生はまだまだこれからだよ。。コロナが悪いのはわかるけど。
〇でも、8年生きた中、3年もコロナに苦しめられてきた! 5年しかまともに生きられていない! これからもコロナに苦しめられるんだ! コロナは消えない! 一度出たら戻らない! 消えない! それがにくい! コロナはいいよ、苦しめられないから!
  *この後スタンプなどでのやり取りが続き・・・
〇相談にのってくれてありがとう。落ちついた。

*何があったのか分かりません。毎日元気に学校に行っているようでも、きっとたくさんのストレスがかかっているのでしょう。
 入学式の前の春休み、いっしょに教科書を読もうと言ったら拒否した子です。「これは、学校に行って初めて見るんだよ。先生やお友だちと一緒に勉強するんだから、今見たら楽しみがなくなってしまう」。
 ところが入学式の翌日から休校。楽しみにしていた教科書も開けませんでした。1年生の夏休みは短縮されました。学校行事も縮小、音楽や体育の活動も制限され、楽しみな給食も前を向いて黙食。ただ食べるだけが目的じゃないでしょうに。先生や友達と対面して食べるから給食はおいしいし、味が違ってくるはずなのに。
 ただ食べればいい、ただタブレットで知識を伝えればいい…子どもはそんなことを望んでいません。先生や友達との会話や温もりを求めて登校しているのです。
「みー」は学校とは楽しいところだと期待いるのです。その想いがいつまでたっても叶えられないから怒っているのです。私一人で受け止めるには重い重い悩みです。
 あしたはどんな「ただいまメール」が届くでしょう。いつもの明るい「みー」だといいのだけれど。


姉のやさしさ

2021-10-07 09:43:39 | 俳句
 5歳の妹の幼稚園最後の運動会。
 その様子が動画で送られてきました。撮影者は8歳の姉。最近買ってもらったスマホで妹の競技や演技の様子を撮影したものです。
妹は運動が苦手~姉も好きですが得意な方ではありません~園で行われる持久走では、毎回かなり離れた最後尾を走っています。園長先生が付き添って走ってくれています。
 今日の運動会の徒競走でも障害物競走でも、最後尾を走っていました。徒競走では、いつものように園長先生が横を走ってくれていました。ママの「がんばれ、頑張れ」の声も聞こえています。
 姉がその様子をスタートからゴールまでクリアに撮影していました。彼女はどんな気持ちで妹にスマホを向けていたのか、動画を観ている時点では不覚にも分かりませんでした。
「相変わらず遅いけど、泣かないで走っているからいいよね、足の速い家系じゃないしね」などと、妻と話していました。
 その夜、私のタブレット画面に姉のラインがつながりました。「今日は暑かったね、妹の運動会で日焼けしたんじゃないの」などの会話の途中、姉が言い出しました。「私、運動会で感動したよ」画面にはアプリを使って自分な顔を加工し、涙をしていました。
「だってね、最後まであきらめないで一生懸命走っていたんだよ。笑わないで真剣に走っていたから感動した。」
 姉は心の中で「がんばれ、頑張れ、それでいいよ」と妹を励ましながら、スマホを向け続けていたのです。
 やさしさに溢れた姉の動画だったのです。姉の横でこの通話を聴いていた妹はとてもとても嬉しかったでしょうね。
私たちも姉の妹を思う気持ちに感動しました。
 さわやかや いもうと走る しんけんに
 その夜、姉の詠んだ俳句です。