季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

この出遭いこそ

2021-12-25 18:38:07 | 日記
師走、年末のこの時期にふさわしい俳句があります。

  この出逢ひこそクリスマスプレゼント 

 稲畑汀子さんの句です。いい句だと思いませんか。
 私もいい句だと思いはしますが、どうも釈然としない点があります。「分かったつもりにならないで」が私の研究テーマです。私にはこの俳句の「この」が分からないのです。「この出逢ひ」とはどんな出会いなのでしょうか。今日の、クリスマスの日に限った出逢いと考えたのでは意味が狭くなるように思います。この一年を振りかえってのたくさんの出逢いがクリスマスのプレゼントだと考えてはどうでしょうか。

 庭に来る小鳥の声、新しい命の誕生、おいしいアップルパイ、眼を見開かされた本や素敵な人々との出逢いもあれば、そうではない不孝な出会いもあるでしょう。大きな自然災害、国家間の紛争、裏切り、大事な人との別れ・・・・幸せな出逢いは、嬉しいプレゼントとして感謝して受け取ります。つらい悲しい出逢いもまた「恩寵的試練」として、神が私を試しているプレゼントとして受け取りなさいという意味にも鑑賞できます。

 私たちは気がつかないだけで、多くのプレゼントを受け取っています。父や母はもちろん、縦に繋がる祖先の恩恵との出逢い、完ぺきとは言えないが民主主義国家に住む一国民として受けている恩恵との出逢い、そして、このコロナ禍にあって増えた読書での出逢い。これらの出逢いもプレゼントです。

 でも、感謝の気持ちがなければプレゼントには気がつきません。
今私は、ジングルベルに浮かれることなく、多くの出逢い~いただいたプレゼントに感謝し、その恩返しのために何をしなければを考えています。それを具体的な活動として、来年の活動につなぎたいと思います。
メリークリスマス。

クリスマスに

2021-12-24 15:24:11 | 日記
今日はクリスマスイブ。
この年になると特に心ときめくこともないのですが、クリスマスになると思いだす俳句があります。

  おほかたは灯の無き地上クリスマス  亀割 潔

本市の駅前広場にもクリスマスイルミネーションが輝いています。
今日も明日も、あたたかな灯火のもとに心あたたかな団欒があるのでしょう。
しかし、この俳句のように「おおかたは灯のなき地上」なのです。ZOZOタウン創設者の前澤氏は宇宙ステーションから何を見たのでしょう。たぶん暗い夜の地球にまばゆく輝く灯をニコニコと見ていたのでしょうね。イルミネーションの光とはほど遠い彼方の大地やそこに生きる人を思ってはいなかったのでしょうか。
繰り返しますが、地上の大部分に生きる人たちにとって地球は暗いのです。

GAFA―グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルを含む世界のお金持ち8人の資産と、貧困にある36億人の資産が同じという統計もあります。(2017年、BBCニュース)「おおかたは灯のなき地球」なのです。
私たちは、明るいものを見るのも大切ですが、明るさの陰に凍えている人々にも目を向けなければなりません。
誰もが幸せになる権利を有しています。国籍、文化、性別、年齢、能力、考えかたなどが違っている人々が手を携えて歩まなければならないのです。

駅前広場のイルミネーションには子どもの願いのカードも揺れています。
その中の一枚に「みんなで笑いたい」と書いてありました。
クリスマスは「祈り」の日でもあるのです。

冬の朝に

2021-12-18 16:17:56 | 日記
 この冬一番の寒さ。
 朝食は昨夜の牡蠣鍋の残りで作った雑炊でした。
ファンヒーターを付けてもまだ14度の部屋にあたたかな湯気が立ちました。

 一口ほおばったとき、私の薄着を見たのか、妻が語りかけました。
「寒くないの」。
 私は指を二本立てて答えました。
「ヒートテックの上にセーターを着ているの。それならいいけど。」 と妻。

 そうじゃないよ。指二本の意味は「あなたと二人だからあたたか
 い」
 そう言おうと思ったけどやめました。
 「あたたかな」冬の朝でした。

皮付き鰹

2021-12-06 19:51:29 | 日記
白色度89のA4版コピー用紙が小指を切った

青すすき刈れば茎より水あふる利かぬ気の子の涙のやうに

幼虫の姿とどめぬ細き身に翅を透かせるウスバカゲロフ

六キロを二・二・二の山に分け漬けて煮て干し梅を楽しむ

階段の途中にて早や匂ひくるベランダに干す梅と紫蘇とが

帰省子に風呂をぬるめに焚く父と皮付き鰹を並べる母と

◎ありがとうございました。     『塔』11月号 梶原さい子選

お札をなめないで

2021-10-30 17:58:27 | 日記
 上越線、両毛線、水戸線、常磐線を乗り継いで5時間、さすがに疲れて乗り換え電車を待っていました。階段下に立っていたのですが、エスカレーターのアナウンスが繰り返し流れてきました。
 〇このエレベーターは改札口行の上りエレベーターです。
 〇お乗りの際は足元にお気を付けください。
 〇走らないで止まってお乗りください。
 〇雨の日は滑りやすくなっています。手すりにつかまり足元にお気をつけてください。
 〇ベビーカーでのご使用はできません。
 〇よい子のみなさん、エレベーターでは遊ばないでください。顔を出さないでください。
 このほかの注意もあったかもしれません。このアナウンスがエンドレスで流れているのです。ずっと前に、車内放送の丁寧さが話題になったことを思い出しました。「次は○○駅。降りる人がおりてから乗る。網棚に忘れ物はないか。傘を忘れない。・・・」確かな情報かどうかわかりませんが、外国の鉄道では車内放送がないとか。ハンディキャップのある方にとって必要なアナウンスは必要だとは思いますが、あまりにも丁寧すぎるようにも思われます。
 そういえば、病院の会計窓口に「お札をなめないでください」と注意が書かれた器具?が置かれていました。「お札をなめる」わけがないでしょうにと思ってよく考えると「指をなめてお札を数えないでください」と言う意味でした。小さなボールを回し指先が濡れるような作りになっていました。コロナ禍だからなのでしょうか。私はおかげさまで1割負担、数分の診察料金は200円ですから「お札をなめる」必要もありません。それにしても「お札をなめないで」とは。丁寧と言うより患者を「なめた」注意ではないのかな。