季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

きしきしと~久しぶりの「百葉集」主宰選

2021-10-20 15:18:51 | 短歌
〇きしきしと翅すり合はせ哭く虫のやうに女が髪洗ひをり

<評>鈴虫などの翅だろう。女性の悲しみが卓抜な比喩によってなまなまと伝わってくる。

その他小林信也選 4首

〇そぼ濡れてそれでも家に入らぬと歩み初めし子あぢさゐの道
〇コンセントさしたるままに扇風機回ることなし梅雨寒つづく
〇水面に張り出す桜の枝の陰 ボートの二人の水脈まつすぐに
〇惜しまれて死ぬには晩き齢なり うちは片手に蚊をおつてゐる

◎ありがとうございました。