季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

虐待・・・絵本から学ぶ(4)

2020-08-05 20:56:17 | 子どもの本
 親の虐待による子どもの死。靴を履くのが遅いから,言うことを聞かないから、育てるのに疲れたから・・・。子どものしつけだからと当然のように暴力をふるう親、好きな男に会いたいと子どもを放置する親、辛くやるせない気持ちにさせられる事件が続きます。
 親の左手は,子どもを自分の左胸に抱え心音を聞かせて安心させるためにあり,右手は抱いた子どもを敵から守る武器としてある。その手が,子どもの命を奪うために使われるなんて。
 もう20年も前のことです、2000年5月17日「児童虐待の防止などに関する法律」が成立したのは。養育者による身体的な暴行・養育の拒否や放棄・心理的虐待・性的暴行などが禁止され,虐待を発見した者の通告義務が定められました。国によっては,子どもを自動車や部屋の中に一人で放置しただけで,虐待とみなされるところもあります。それなのに日本の虐待の多さには驚きあきれるしかありません。
 高度情報社会の「闇」の部分は,自分自身で判断する力の低下であろうと,日頃から危惧しています。たくさんの情報の中で,情報が多いためにかえって自己決定を混乱させてしまうのでは,というおそれを抱いています。さまざまな場面で「本能」がこわれてしまっているとも感じます。マニュアルの氾濫が子どもを育てる「本能」をこわし,情報の洪水が命を慈しむ「本能」までも失わせる。
 一人の死は大きな悲しみです。『いつでも会える』(菊田まりこ/学習研究社)みきちゃんの犬・シロがしずかに語ります。
「みきちゃんが,いなくなった。ぼくは,いつもさみしくて,かなしくて,ふこうだった。みきちゃんに会いたかった。」
 一人の子どもの死は、すべての人にとっての重く深い悲しみです。
シロはまぶたの裏でみきちゃんに会えるけれど、それはあまりも悲しく、失われた幼い命は帰ってこない。
 死や命の軽い現代,300字もない文章とかわいい絵が,優しく,温かく,かなしく,心に沁みてきます。
 夏休みに入り、ましてコロナ禍、家の中で生活する子どもたち。外からの眼も届きにくくなることでしょう。閉ざされた空間の中で「虐待」が多くならなければいいのですが。



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