さかさまの虹 -憂鬱な日々の記録-

管理人が日々思うことを延々と綴ります

ブレードランナー2049

2018-09-23 23:52:45 | 映画
名作の数十年ぶりの続編。



ブレードランナー2049


これほど美しい続編があっただろうか。



雨が降り注ぐ夜の高層ビル街。

近未来を描いた作品は、結構こういうイメージです。

その元祖と言われているのがブレードランナー。
今作は、そこから30年後の舞台です。


前作観ているありきの感想・考察が以下のとおりです。




まず、映像・音楽が素晴らしい。

映像については、今更ブレードランナーかよ・・・という意見を払拭するかのような、美しく、幻想的でありながらも近未来感を上手に醸し出しています。

音楽も基本的には静かでありながらも、緊迫感を常に出し続けていて、凄く効果的でした。


肝心のシナリオについては、散文的に。


テーマとして、前作以上にアイデンティティに焦点が当てられています。

それは、敵味方双方どちらも。

自分は何者で、何のために造られたのか。

そして、何のために生きるのか。

ジョイはジョーのために。

ラヴは創造主のために。

ジョーは人らしくあるために。

それぞれ、葛藤がありながらも自分の出来うることを最大限に行うのです。


話の流れという点では、イノセンスを思い出しました。

自己とは、というテーマで捜査し、色々な証拠を追っていくと・・・。

懐かしさを覚える展開でした。


そして、ラストシーン。

ジョーは死んだのか。

多分、明かされることはないでしょう。

個人的には生きていてほしいですが、あの状況では。。

あのラストは前作との対比なのか、同じ意味なのか。

レプリカントであった自身が、人間らしい行動を取ったことで人間らしく死ねる・・・そういう安らかな表情だと解釈しました。


デッカードも結局人間なのか、レプリカントなのか最後まで謎なまま。


しかし、この作品は、あえて謎を謎のままにするのが上手いんですよねー。

特に消化不良感はありませんでした。


前作が難しくも凄くキレイな作品だったので、続編のハードルも高かったと思います。

が、前作リスペクト愛を感じる内容で、数十年ぶりの続編は本当に素晴らしい作品となりました。


私自身、どこか救われた気がして、本当に良かったです。


色々なサイトやコメントを観ても、少しずつ見解が違う、けれど、どれも素晴らしく、なるほどと思う。


本当に巧いですね。



★10

コメント
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