奈良町にぎわいの家は、5月末まで休館しています。昨年も同じでまさか2年連続でこのようなことになるとは…ですが、6月へ向けていろいろと進めています。
①森川杜園企画第七弾イベント
●トーク企画→6/12(土)午後2時から
にぎわいの家の二軒隣に住まいした、一刀彫の名人、森川杜園。ご近所なのに?!何も知らなかった!とにぎわいの家の開館より企画を始め、7回目…。朗読劇、狂言、講演 などいろいろとしました。本企画のテキストになっている本が、大津昌昭氏の『芸三職 森川杜園』。これを読んだ時、どれだけびっくりしたかは、既にこのプログでも書きましたが、杜園の一人語りというスタイルで書かれているのです。劇作家としては、興味津々。それがもう、よどみない語りで、大津先生は演劇の方かしらと思うくらい、素晴らしい内容です。幕末から明治期の奈良町の様子が、大津先生がまるで当時の奈良町にいたかのように、杜園の目で書かれている…。この本がなければ、私は杜園魅力を堪能できなかったでしょう。もちろん、杜園の残した作品は素敵なのですが、こうした生き生きとした語りから、杜園が立ち上がってくるものを残してくださっていることは、有り難いことです。その大津先生に執筆の動機やエピソードを、私が聞くというトーク企画、人数限定で行います。
●展示企画→「杜園につながる「絆」展 6/11-13
地元の収集家のご協力を得て、今年は杜園の絵の師匠や弟子の作品もそろいました。座敷でゆっくり見ていただけるのは、にぎわいの家ならでは。毎年、皆さんに喜んでいただいています。昨年は杜園の生誕200年企画で春日大社でも素晴らしい展示がありました。
中でも、高円宮妃久子様の出品された根付はもう、ずーっと見ていたい感じでした。今年は秋に、奈良県立美術館でも杜園生誕200年の企画展が開催されます。
連携して盛り上げていきたいです。是非、皆様、ご覧ください。(距離をとりつつ…ですね。)
②小町座一人芝居企画
●百年語りシリーズ「鮨屋の娘」 6/19,20 の二日間 午後1時半からと3時からの開演
にぎわいの家での小町座の芝居は初めてですが、座敷で、しかもお客様が往き来する中でします。
昭和戦前に書かれた、岡本かの子の小説「鮨」を一人芝居に戯曲化しました。書いたのはもう15年前になり、小町座以外で上演しました。今、小町座の四人のメンバーが
二十分の語りを必死に覚えています。3月の「コロナ姫」もそうですが、この芝居も主人公の娘は女学校に通っているので、またアラフィーが十代?!となりますが、途中、母親に変身するあたりは、やっとぴったり!でしょうか。でも難しいですよね。一人で状況説明して、気持ちを伝えて。
岡本かの子は、ご存じのように、あの岡本太郎画伯の母です。もう、双子みたいな親子!と思ってしまいます。かの子の歌も小説も、令和にはない、香りがいっぱい。その
言葉のかおりを「百年語り」ということで、百年の町家にふさわしい企画に、今後、育てていきたいと思います。
なお、芝居の前に、岡本かの子の紹介もかねて解説を少しします。一人芝居より、私の解説の方が不安?
以上のイベントは全て無料ですが、コロナ下で参加人数制限ありですので、奈良町にぎわいの家までお問い合わせください。→0742-20-1917
※ただし、杜園の展示企画は自由観覧ですので、問いあわせ不要です。